はしがき
現代は高度に発達した情報化社会であるといわれ、膨大で多様な情報があふれています。私たちは、必要な情報をより分け、自分のものとすることが難しくなっています。ことばも同じようにあふれています。しかし私たちに、どれほどの言葉が身についたものとなっているでしょうか。知っているつもり、わかっているつもり、実際はそんな不確かなものが多いのではないでしょうか。
こんな事情を背景としてでしょうか、ことばに対する関心は、これまで以上に高まってきました。それは、たとえばことばの乱れと呼ばれる現象に対する議論に表れています。また、国際化の時代を反映してか、世界に数多くある言語のうちの一つとして、日本語を問い直す試みも見られます。
このような時代に、ことばについて、まず何が求められているのでしょうか。それは、現代の日本語について知っておかなければならない基礎的な知識や教養を集約した「ことばの基本台帳」です。氾濫することばの海の中で、私たちを導く羅針盤となるものです。
こうした求めに応えるため、一九九五年に刊行して以来、多くの読者に愛用されてきた『何でもわかる ことばの知識百科』を母体に、この度あらたに『何でもわかる 日本語便利帳』を編みました。編集に当たっては、現代の言語生活全般に即応するものであることを目指しました。
読者のみなさんが、ある場面では効果的に、ある場面では豊かに、そしてある場面では正しく、本書に示した、ことばにかかわる知識と技術を活用されることを望みます。
2002年 4月