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「朝日書評大成 2001-2008」の内容より

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はじめに

はじめに

     朝日新聞は毎週日曜日の朝刊・読書面に書評を掲載しています。原則として、毎週8点、新刊の単行本を取り上げています。年間8万点ほどという出版物の中から書評に取り上げる本には、新しい事実を掘り起こすなどニュース性があったり、重要な説を展開したり、その分野で大切な位置をしめたりするほか、長く読み継がれる普遍性のある本などといった特徴があります。いずれにせよ、本は時代を映します。なぜ、今、その本が出版されたのか――時代の要請をすくい上げ、時代の標となるような本が出版された事実を紙面に刻んで後世に伝えることも、朝日新聞の読書面の使命の一つだと考えています。
     多くの知見をもとに本を選ぶため、朝日新聞では書評委員会制度を採っています。書評委員は20人ほどに依頼しています。文芸、哲学、美術、政治学、科学、経済学など様々な専門分野の方々です。隔週で集まり、会議を開きます。会議では、編集部が選別した約100点の本をもとに、書評委員が選び、書評に取り上げるかを判断します。編集部と相談することもあります。そして、毎週の読書面に、1000字を超える大型1本、約800字の中型5本、400字ほどの小型2本が掲載されます。

     本とは新しい世界への扉であり、読書は未知の世界への旅や冒険です。新しい自分を発見するきっかけにもなるでしょう。書評は、扉を開け一歩を踏み出すよう、読者の背中を押すものでありたいと思います。
     今週もまた、「私の1冊」を見つけてほしい。そんな思いをこめ、多くの方に興味をもってもらえるような豊かな紙面作りをこれからも目指していきます。

     『朝日書評大成』(全2巻)には、2001年から2016年までの読書欄に掲載された、約7000の書評を収録しています。一部、書評委員以外の評者の方にも執筆をお願いしました。すべての評者と、本の著者の方々への感謝を込めて、本書をお届けしたいと思います。

    2017年5月 朝日新聞社文化くらし報道部長 阿部毅