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「ホトトギス新歳時記 第三版」について

第三版に際して

『ホトトギス新歳時記』の改訂版が出版されてから十四年の歳月が経った。この間は読者からご指摘頂くと真摯に検討し、訂正すべきは訂正して来た歳月であった。

この度、第三版を出版するに当たり、読者からの希望のあって追加すべき新季題を加え、例句の追加、差し替えなどをすることになった。特に例句の差し替えは慎重にした。例句として残したい俳句ばかりで、追加するのは簡単であるが、差し替えで削除しなければならないときが一番つらかった。ページの遣り繰りのためにどうしても削除しなければならない句もあったがお許し願いたい。

第三版には三十の新季題を追加した。新季題として登録する条件としては良い例句が必要であった。

新季題は次の三十である。

一月…初景色、淑気、凍滝。

二月…春の霜、金縷梅まんさく、春一番。

三月…斑雪はだれ、春祭、春障子。

四月…春の闇、春陰、菜種梅雨、昭和の日、桜蘂降る。

五月…ラベンダー、茅花流し。

六月…山椒魚、やませ、父の日。

七月…夕菅、ナイター、海の日。

八月…終戦の日。

九月…無し。

十月…秋思、鷹渡る、時代祭、檸檬れもん、初鴨。

十一月…朴落葉。

十二月…数へ日。

『ホトトギス新歳時記』第三版を編むに際して、これまで編集委員としてご協力頂いた深見けん二、今井千鶴子、松尾緑富各氏、それに若い世代の今井肖子、稲畑廣太郎各氏が参加し、加えて野分会の方々が季題解説の執筆などに協力してくれたことは有難かった。総責任者として私稲畑汀子も参加し検討してきた。造本では横長の形を継承していくのは困難になるとのご指摘を三省堂から受けたが、今回はその形を継承して頂けるとのことになってほっとした。

ご協力頂いた各氏に感謝申し上げ、三省堂の増田正司氏には今回もお世話になった。

平成二十二年二月吉日(虚子生誕記念の日)

稲畑汀子