戦後史大事典 増補新版

品切れ
定価
6,820円
(本体 6,200円+税10%)
判型
A5判
ページ数
1,368ページ
ISBN
4-385-15433-3
  • 改訂履歴
    1991年3月1日
    戦後史大事典 発行
    2005年7月15日
    増補新版 発行

戦後の日本で何が起こってきたか

敗戦から戦後改革、高度経済成長、バブル崩壊を経て今日まで。戦後60年を集大成!

佐々木毅、鶴見俊輔、富永健一、中村政則、正村公宏、村上陽一郎 編

戦後60年特別企画──

戦後の日本で何が起こってきたか。

敗戦から占領、戦後改革、高度経済成長、経済大国、バブル崩壊を経て今日まで。未曾有の変貌を遂げた「戦後日本」の60年を集大成。

270項目、136ページを増補。

特長

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さらに詳しい内容をご紹介

「戦後史大事典」の内容より

本書の特色

政治・経済・科学技術から思想・文化・衣食住・風俗・災害・事件まで。あらゆるジャンルを3300の項目で解説。 現在、話題になっている憲法改正問題、第九条問題、教育基本法改正問題、国際貢献問題、年金問題、韓流ブームなど267項目を巻頭に増補(113ページ)。 引きやすい50音順見出し。 項目解説にビジュアル情報を加えた、見やすく、わかりやすい紙面(写真・図版約700点、表・グラフ約150点を掲載)。 各分野を代表する569名が執筆。 巻末に便利な「資料編」 戦後史年表 60ページ 戦後史文献解題(日本の本1,200点、海外の本300点を解説) 66ページ 政党系統図、歴代内閣、衆議院・参議院選挙、GHQ関係略語・主要接収建物、国家予算GNPと国民所得、文化勲章・芥川賞・直木賞受賞者、プロ野球・高校野球・サッカー優勝チームなどの一覧表 28ページ 事項・人名索引(13500項目) 63ページ


刊行にあたって(この本について:抜粋)

【本書の特色】

この本は、事典である。はじまりから終わりに向かってのひとつの流れとして読んでいただくよりも、何かひとつの項目を引いて、さらに、その関連項目を見るというように読んでほしい。まず細部の事実を記憶に呼び戻す手がかりとして、役立ててほしい。大都会が焼け野原であった時代に、どこで何が起こったか。占領軍の機関が東京中にあったころに、どこに、どういう機関があったか。そういう事実に戻ることは、いまとなってはむずかしいが、そのために役に立つ地図でありたい。 細かい事実が集まって傾向をつくる。その傾向について記述することは、筆者の価値判断に影響される。編者は、戦争中に日本政府のよりどころとした皇国史観、敗戦後の占領軍宣伝の東京裁判史観、おなじく戦後のソ連中心の世界史法則史観の三つの歴史観に揺さぶられた経験をくぐっており、その三者のかたくなさから自由でありたいと考えている。そのことは、史観のかたくなさそのものからの自由を保証しえないが、ひとつの史観へのかたくなな信奉が事実の細部を見る目を衰えさせる傾きについて自覚をもちたいと願っている。

鶴見俊輔

【増補新版について】

歴史を大づかみにとらえる力は、小きざみな試験を通して学校教育の課程を上ってゆく日本国民にとっては、戦後豊かになって学校が整備されてゆくにつれて衰えている。 明治国家が学校教育の計画を立てるにあたって、起案した人々は、そのときには計算に入れていなかったさまざまの力をそれ以前の歴史と文化から借りることができた。 この教育計画の対象とされた若い人々は、明治以前の日本文化のなかに育った人々であり、明治政府の主眼とした欧米先進諸国の学問を学ぶにしても、自分の育った文化との日々の比較においてそれを取り入れるという、稀有(けう)の教育環境に置かれた。 一つだけ例をあげれば、英文学者夏目漱石は、中国や日本の文学と、ヨーロッパ、特にイギリスの文学とはどうしてこれほど違うのか、という根本の問題を自分で立てて、生涯この問題から手を離すことがなかった。 一九四五年(昭和二〇)の日本国の敗戦は、それに比べられるほどの根源的な問題の立てかたを、日本人にうながしたとはいえない。しかし、敗戦にともなう米国による日本占領は、日本人にとって有史以来の新しい経験であった。このことが、これから百年と言わず、千年にわたる変化を日本文化にもたらすことは予測される。だが、敗戦と占領から百年もたっていない現在、その予測を立てることはむずかしい。今はただ、前回の『戦後史大事典』に比べて、新しく起こった出来事について、その及ぼす変化について思いをめぐらすことができるばかりである。 米国の日本に対する影響は、狭い意味での占領の終わりを越えて、深くなりつつある。それと同時に、見えにくいながら、日本国が国外から受ける影響も進行している。やがて日本の文化は、日本国外の朝鮮、中国、南洋諸島とのつながりにおいて記述され、理解されるようになるだろう。その萌芽は、強制労働賠償訴訟、従軍慰安婦問題、日本占領観の変遷、指紋押捺義務の全廃、プチ・ナショナリズムなどの項目に芽をみせている。技術の変化が日本文化を変えてゆく歴史も、インターネット、Eメールなどの諸項目にみえている。日本語は人間の言語の一つとしてとらえられ、日本の政治は人間の政治の一部分としてとらえられる。その方向への一歩、二歩として、この『戦後史大事典』はさらなる改訂への書きこみの、ノートブックである。 2005年5月 鶴見俊輔

【編者】

佐々木毅(政治学・政治思想史) 鶴見俊輔(思想・大衆文化) 富永健一(社会学) 中村政則(日本近現代史) 正村公宏(経済学) 村上陽一郎(科学史・科学思想史)


収録項目で見る戦後60年のことば

1940年代後半(昭和20~24)

進駐軍/ヤミ市/パンパン/食糧メーデー/カムカム英会話/日本国憲法/財閥解体/農地改革/労働改革/カスリーン台風/男女共学/カストリ雑誌/斜陽族/帝銀事件/「東京ブギウギ」/松川事件/美空ひばり

1950年代前半(昭和25~29)

朝鮮戦争/レッドパージ/アプレ/サンフランシスコ講和会議/逆コース/山びこ学校/チャタレー裁判/メーデー事件/内灘事件/うたごえ運動/八頭身/「君の名は」/第五福竜丸/第三の新人/プロレス

1950年代後半(昭和30~34)

五五年体制/神武景気/トランジスター/太陽族/スモッグ/売春防止法/貸本漫画/水俣病/ダイエー/天城山心中/団地族/ロカビリー/岩戸景気/トリスバー/インスタント・ラーメン/伊勢湾台風

1960年代(昭和35~44)

六〇年安保/三池闘争/ダッコちゃん/うたごえ喫茶/黒四ダム/三ちゃん農業/東京オリンピック/東洋の魔女/みゆき族/アイビー・ルック/公害/3C/マイカー時代/グループ・サウンズ/心臓移植/超高層/ゲバルト/Oh!モウレツ

1970年代(昭和45~54)

大阪万国博/よど号事件/ウーマン・リブ/沖縄返還/日本列島改造論/にっかつロマン・ポルノ/石油危機/「ディスカバー・ジャパン」/アンノン族/ロッキード事件/中流意識/カラオケ/団塊の世代/家庭内暴力/ウォークマン

1980年代(昭和55~64)

校内暴力/クリスタル/ノーパン喫茶/宅配便/試験管ベビー/ワープロ/不倫/ポスト・モダン/金ビ/いじめ/エイズ/バブル経済/地上げ屋/『少年ジャンプ』/フリーター/オタク文化

1990年代以降(平成2~)

外国人労働者問題/不良債権/日本人宇宙飛行士/Jポップ/Jリーグ/k-1/阪神・淡路大震災/地下鉄サリン事件/超円高/ゼネコン倒産/リストラ/インターネット/パラサイト・シングル/東海村臨界事故/2チャンネル/日本人拉致問題/BSE感染/ネット心中/韓流ブーム/新潟県中越地震


増補編目次

【増補編項目】

歴史と思想

アイヌ文化振興法/「新しい歴史教科書」問題/九条の会/旧ソ連日本人粛清/旧日本軍毒ガス兵器・砲弾遺棄問題/強制労働賠償訴訟/グローバル化とグローバリズム/従軍慰安婦問題/自由主義/自由主義史観/女性国際戦犯法廷/女性のためのアジア平和国民基金/戦後補償/第九条問題/日本異質論・脅威論/日本占領観の変遷/「普通の国」論/湾岸戦争

政治

アカウンタビリティー/安保再定義/イラク復興支援特別措置法/NPO法/小渕内閣/改革派知事/岸信介/金融庁/憲法改正問題/小泉内閣/公設秘書給与問題/国際貢献問題/国連安保理加盟問題/五五年体制の崩壊/個人情報保護法/国旗・国歌法/参院非拘束名簿式/三位一体改革/自衛隊のイラク派遣/自衛隊の海外派兵/市町村の「平成の大合併」/司法改革/指紋押捺義務の全廃/社民党/自由党/周辺事態法/住民投票/出入国管理問題/小選挙区比例代表並立制/情報公開法/新進党/新党さきがけ/新党ブーム/鈴木宗男事件/政界再編/政策評価・行政評価/政治改革/政治家の失言問題/WTO/団体等規制法/地方分権推進委員会/中央省庁の再編/テロ対策特別措置法/盗聴法/独立行政法人/二大政党論/日米新ガイドライン/日朝平壌宣言/日本人拉致問題/橋本内閣/羽田内閣/副大臣制/ヘリポート移設

経済・産業

アジア経済危機/FTA/大型小売店の破綻/外形標準課税方式/株式の相互持合/企業物価指数/規制緩和/九〇年代の税制改革/金融機関の破綻と救済/金融再編/金融自由化・金融ビッグバン/金融・証券不祥事/「空白の一〇年」/経済財政諮問会議/『経済財政白書』/系列取引/公的資金投入/国債管理政策/米自由化問題/雇用形態の変化/財政構造改革/財政投融資改革/産業再生機構/産業の空洞化/GMS/住専問題/消費税/新興株式市場/整理回収機構/ゼネコン倒産/超円高/長期不況/デフレ論争/土地神話の崩壊/独禁法改正/日銀法改正/日本型システム/ネット産業・インターネットビジネス/バブル経済/フリーターと若年失業者問題/不良債権問題/ペイオフ解禁/貿易構造の変化/民事再生法/メインバンク制/リストラ問題/流通革命と価格破壊/量的緩和政策

社会・生活・環境

明石海峡大橋/安全神話の崩壊と犯罪/育児・介護休業法/一・五七ショック/NGO・NPO/改正住民基本台帳/環境基本法/環境税/環境問題と景観法/関西国際空港/京都議定書批准問題/ケアハウス/警察不祥事/公害健康被害補償法/公害地域再生センター/コミュニティー・バス/児童虐待/社会福祉基礎構造改革/社会保障構造改革/借地・借家法改正/住基ネット/循環型社会基本法/少子高齢化問題/少年事件/少年法改正/生物多様性/世界遺産/託老所/男女共同参画社会基本法/豊島事件/道路公団民営化問題/ドメスティック・バイオレンス/西淀川公害裁判/年金問題/排出権取引/パラサイト・シングル現象/夫婦別姓制/マクロ経済スライド方式/水俣病裁判/リサイクル法/路面電車の復活/ワーク・シェアリング

科学技術・医療

遺伝子組み換え食品/医療と安全/医療の社会的合理性/インターネット/宇宙ロケット発射失敗/大型望遠鏡すばる/コンセンサス会議/C型肝炎/先端医療と治療試験/臓器移植問題/デジタルデバイド/電子情報の氾濫/東海村臨界事故/日本原子力研究開発機構/日本原燃/日本人宇宙飛行士/ハンセン病国家賠償請求訴訟/BSE感染/病原性大腸菌O157/プルサーマル計画/もんじゅ事故/薬害エイズ事件/らい予防法廃止/六ヶ所再処理工場

教育・文化

学力低下論争/関西文化学術研究都市/教育基本法改正問題/国立大学法人化・再編問題/「心のノート」/国旗・国歌の強制/司馬遼太郎/前・中期旧石器遺跡捏造事件/総合学習/大学院改革/知的財産/丸山真男

メディアと大衆社会

渥美清/eメール/オタク文化/韓流ブーム/キャラクター文化/携帯電話/K‐1現象/サッカーWC日韓共同開催/Jポップ/Jリーグ/シネコン/スポーツの国際化/ダイヤルQ2/テレビ政治/長野オリンピック/2ちゃんねる/BSデジタル放送/プチ・ナショナリズム/プロ野球の再編/プロ野球のストライキ/報道被害問題/マルチメディア/宮崎アニメ/メディア報道問題/萌え現象

災害と事件

明石歩道橋事故/浅間山噴火/雲仙・普賢岳噴火/えひめ丸沈没事故/オウム真理教事件/大阪池田小学校事件/桶川ストーカー殺人事件/北朝鮮テポドン1号発射事件/北朝鮮不審船沈没事件/神戸連続児童殺傷事件/佐川急便事件/佐世保小六女児同級生殺害事件/商工ローン事件/新宿歌舞伎町雑居ビル火災/世田谷一家殺人事件/ゼネコン汚職/地下鉄サリン事件/中華航空機墜落事故/東海豪雨/東電OL殺人事件/新潟県中越地震/二〇〇〇(平成一二)年有珠山噴火/二〇〇〇(平成一二)年三宅島噴火/二〇〇四(平成一六)年連続台風上陸/ネット集団自殺/阪神・淡路大震災/福岡中国人留学生一家四人殺人事件/振り込め詐欺/米兵少女暴行事件/ペルー日本大使館公邸占拠事件/北海道南西沖地震/三菱ふそう事件/雪印集団食中毒事件/和歌山毒入りカレー事件