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「三省堂 新現代川柳必携」の内容より

  • まえがき

まえがき

まえがき

     現代川柳のアンソロジーの定番として、三省堂から既に『三省堂現代川柳必
    携』『三省堂現代川柳鑑賞事典』および『三省堂現代女流川柳鑑賞事典』をシ
    リーズとして出版した。
     幸いなことに数多くの読者から好評をいただいており、編者としてこの上ない喜びである。読者の皆様に心より感謝申しあげたい。
     『三省堂現代川柳必携』の初版は二〇〇一年九月刊行で、それから干支も一巡し、続編を望む多くの声が寄せられていた。明治から現代までの佳句を網羅的に収集した前作に対し、『新作』では、現在活躍中の川柳作家によるフレッシュでエッジの効いた五〇〇〇を超える秀句をテーマ別に収載。「震災」のジャンルを新設し四〇テーマ二〇〇句を収録した。被災地、被災作家の実体験のリアルな作品である。
      ドドドドド地球が怒っている音だ   白石市 西 美恵子
      どぼどぼと音たてせまる大津波    東松島市 菅原れい子
     「ドドドドド」「どぼどぼ」の擬音から津波に襲われたあの日の体感がよみがえる。
     「原発」「絆」「メール」「ツイッター」「介護」「終活」から「スカイツ
    リー」「あべのハルカス」まで最新のテーマを取り入れた。
     『三省堂新現代川柳必携』の特長を改めて列挙すると次のとおり。
     @全テーマ、全作品の内容を一新し、二十一世紀の川柳辞典とした。
     A現在活躍中の作家の一〇〇〇テーマ五〇〇〇句を超える作品を収録。うち震災ジャンル四〇テーマ、二〇〇句。
     B本書を文字どおりの「必携」とするため入門講座「現代川柳のこころ」日本経済新聞社、二〇一四年一二月四回連載講座および[朗読]心の本棚 「川柳の楽しみ」(キングレコード、二〇〇四年八月四日リリース)ライナーノーツを収録。
    ※転載を快諾いただいた日本経済新聞社およびキングレコード(株)に感謝したい。
     C「季節」のジャンルでは「春」[夏」「秋」「冬」「一月」〜「十二月」各テーマを収録するほか、俳句の季語・季題となるテーマ「花冷え」「花曇り」「春嵐」「立春」「梅雨」「冬景色」「冬籠り」などのテーマも踏み込んで収録。季節の把握の違いを実感して楽しんでいただくこととした。

     川柳の川幅は広くて、かつ深い。
    例句として掲載させていただいた多くの作家には深く感謝申し上げる。
    なお、作品の収集にあたっては、お名前の掲載は控えるが、献身的にご協力い
    ただいた全国各地のネットワークの有志の方のご支援があったことを感謝している。本当にありがとう。
    最後に本書の制作を担当した三省堂出版局田中慶太郎氏に感謝してペンを置く。

    二〇一四年六月

    田口麦彦