編者から
お断りとお願い
本書の中において、同じような内容のことが、異なった二つ以上の単元の中で取り上げられていることがある。例えば、「こと」を主語に取る、いわゆる、「無生物主語構文」というものや、分詞構文などは、「1。1無生物主語構文」の中でも取り扱い、また、それらの構文が、因果関係を表現するときにも使用できるため、「1。3因果構文」の中でも取り扱っている。それは、それぞれの単元において、切り口が違い、記述のし方も、当然、違うので、重複といえばいえないことはないが、いずれからも割愛することができず、やむを得なかった。そような重複は、「1。2否定構文」、「1。6倒置構文」、「1。7強意構文」などにも、若干、見られる。
また、筆者は、本書以外にも、数多くの技術翻訳関連図書を書いており、その中の項目と本書の中の項目が、もちろん、全く同一ではないが、内容的にかなり重複している部分がある。例えば、無生物主語構文などは、英和翻訳、和英翻訳、そのどちらにも大事な構文であるので、英文からのアプローチ、和文からのアプローチ、その両方に対しての説明として、拙著「技術翻訳のテクニック」および「続・技術翻訳のテクニック」(丸善)に、それぞれ、違う形ではあるが、記載されている。これらすべての本を購入されている読者にとっては、大変申し訳ないと思っているが、元来、本というものは、その本1冊の中に、その本のテーマに合った内容をすべて網羅していなければならないと考え、他の本と重複する項目があろうと、他の本と類似する項目があろうと、それぞれのテーマを持った一冊の本としてまとめなければならないと考え、巳むを得なかった。現実問題として、一冊の本を書くに当り、ここは何々の本を、ここはこれこれの本をそれぞれ参照して欲しいというのも、一面では不親切であると思い、このようにした。もちろん、「拙著何々を参照」としたところもあるし、また、他の本から、完全に、部分引用したところもあるのは当然である。
はしがきにも書いたように、本書は、筆者が、過去30年間に亘って収集した例文を元に書いた本である。したがって、技術的内容として、やや、古くなっている例文も多々あるに違いない。しかし、英文そのものは、わずか30年の間に大きく変わるものではなく、まして、構文の姿が変わるものは、絶対ないものと思っている。それよりも、ここに引用している例文は、すべて、現在、実際に使用されている文献から採ったものばかりであるので、よくいわれるような、「死んだ英語」は一つもないと考えてよいのではないかと思っている。さらに完璧を期するため、アメリカのUniversity of Wisconsin-MadisonのJames L. Davis先生、およびその門下生である、Diane L. Howardに、スペル・チェックはもちろんのこと、英語としての善しあし、例文として辞書に載せることの適否、さらには、筆者の解説の正否などについても精査していただき、完璧を期したつもりでいる。それでも、もし、何か、間違い、不適切なところがあったら、ぜひ、お教えいただきたい.
本書の構成
1 本書は、和英翻訳用として80%、英和翻訳用として 20%の割合で編纂されたものであり、双方を合わせて、技術英語の学習用として100%の効果を発揮するもの である。
2 本書は、第1章、第2章、および第3章の三つから構成されている。第1章は、技術文を読んだり書いたりするのに重要な、11の構文が述べられている。第2章は、文章テクニックとして、実務文で必要な構文を説明している。第3章は、頻出する、いくつかの、重要な文章構造を挙げて解説している。
3 基本的には、すべての単元において、解説、英語例文、および対応和訳の三つから成り立っている。ただ、和訳をする必要のない個所では、単元によっては、英語例文に対応和訳が付いていないところもある。
4 巻末には、日。英の索引が付いている。
本書の特長
1 引用されている例文は、すべて、筆者が過去30年かけて収集してきた、今、実際に産業界で生きている技術英文ばかりである。
2 そのような英文を、さらに完璧を期するため、のUniversity of Wisconsin-MadisonのJames L. Davis先生、およびその門下生である、Diane L. Howardに、スペル・チェックはもちろんのこと、英語としての善しあし、例文として辞書に載せることの適否、さらには、筆者の解説の正否などについても精査済みである。
3 例文の数が、極めて豊富である。場合によっては、例文をそのまま、文章丸ごと引用して使用できるシチュエーションもなきにしもあらずである。
4 例文には、ある単元を除き、原則的には、すべて、和訳を付けた。したがって、英文和訳の演習にもなる。
5 巻末には、索引を付けた。解説文の中の言葉が引けるのはもちろんであるが、さらに、引用例文の中の英単語や対応和文の中の日本語も引けるので、技術文専用の英和/和英辞書、ないしは表現集の一部としても使用できる。
本書の活用のし方
1 本書は、辞典といっても、構文に関する参考書ないしはハンドブックである。したがって、一通りは目を通して欲しい。しかし、一通りは目を通さなくても、否定文を書くときに迷ったら、「否定構文」を、あることを強調したい時にその表現に困ったら、 「強調構文」を、比較文を書きたいときにその語順に自信がなかったら、「比較構文」を、というように、必要な部分を見ることができる。
2 各単元には、たくさんの例文が、和訳対応で載っている。そのため、構文の学習のみではなく、翻訳の学習もできる。さらに、巻末には、日本語と英語の索引が別々に付いており、引用例文中の重要な英語は、英索引から引けるようになっている。また、解説文や和訳文の中の重要な言葉は和索引から引けるので、技術英語のハンドブックとしても使えるようになっている。
本文中の参考文献
前置詞活用辞典(三省堂発行)
英語数量表現辞典(三省堂発行)
科学技術和英大辞典(オーム社発行)
科学技術英和大辞典(オーム社発行)
科学技術英語表現辞典(オーム社発行)
技術翻訳のテクニック(丸善発行)
続・技術翻訳のテクニック(丸善発行)