文字サイズ変更

「明解言語学辞典 」の内容より

はしがき

本辞典は、現代言語学の重要な概念をできるだけ分かりやすく、しかもレベルは落とさずに 解説したものです。言語学を学んでいる方々、またこれから学ぼうとしている方々を念頭において編まれましたが、広い分野にわたる知識が整理された形で簡潔にまとめられているだ けでなく、近年急速に研究が進んだ分野の新しい概念も多く取り入れられており、中には日本で出た辞典として初めて取り上げる項目も含まれていますので、すでに学習が進んでいる方や教室で教えられている先生方にも使っていただけると考えています。

本辞典では、関連の概念はまとめてひとつの見出しとし、また他の概念と関連づけて説明したほうがいいと判断したものについては見出しには立てずに関連項目の中で扱いました。したがって、利用者の方々にはまず巻頭の「目次索引」を見て、そこから求める概念に辿り着いていただくことになります。求める項目を探すための索引を本文の前に持ってくるというおそらく他の辞書にはない新しい試みです。また、各項目の解説文の長さを揃えましたので、見出しはすべてページの一番上に来ており、引きやすくなっていると考えています。

本辞典の企画は三省堂の飛鳥勝幸さんからいただきました。初心者向けの分かりやすいコンパクトな言語学辞典を作りたいということでした。三省堂にはすでに『言語学大辞典』という本棚の1段を占領してしまうほど大部の有名な言語学辞典があります。そのうちの第6巻が「術語編」となっていますが、大型本で1800ページにも及びます。言語学徒には必須の辞典ですが、初学者が手軽に引くという種類のものではありません。今回の私たちの辞典は、その『言語学大辞典』の「術語編」と相補うものであると考えています。

本辞典の編集には私たち3名があたりましたが、長谷川明香さんには早い段階からあらゆる面において私たちをサポートしていただきました。また、編集協力者の方々には、項目の設定等についていろいろご相談させていただきました。各執筆者から出てきた原稿は、どれも複数によるチェックを行い、本辞典のコンセプトによりマッチするように書き変え等をお願いしたものも多くありましたが、どの執筆者の方も快くそれに応じてくださり、よりよいものになったと考えています。

本辞典には、“辞書の三省堂”の看板のひとつである「明解」を付けていただきました。これまでの明解シリーズのように広く受け入れられる辞書になることを願っています。

2015年5月
斎藤純男
田口善久
西村義樹