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「何でも読める難読漢字辞典」について

まえがき

わたしたちは、日常生活のいろいろな場面で、読みの難しい漢字の言葉や読み誤りやすい漢字の言葉に頻繁に出会います。その数はきわめて多く、先人たちが長い歴史の中で築いてきた漢字文化が、今も生活のすみずみに息づいていることを実感させられます。

また、近年は漢字ブームだと言われています。いわゆる難読漢字は、テレビや雑誌をはじめとするマスコミに、漢字クイズとして盛んに登場します。毎年の入社試験や入学試験には、必ずといってよいほど難読漢字が出題されています。漢字検定試験は難読漢字に対する興味を一層かきたてたといえるでしょう。

本書は、このような難読漢字への関心の高まりのなかに生まれた、難読漢字辞典の決定版です。

この辞典は、利用の便を考えて、ジャンル別に構成しました。植物にはこんな漢字で書くものがあったのか、たとえぼ、そんな思いをもって楽しく読み進むことができるようにしました。さらに、簡潔な説明を与え、知らない言葉のためのインデックスにもなるよう配慮しました。

現代はワープロ全盛の時代です。難読漢字の言葉は、かな入力漢字変換の方法では、簡単に希望の漢字が出ることは少ないと思われます。そこで、この時代に即応するため、常用漢字外の漢字にはJISの区点コードを示しました。

なお、本書には、収録した見出し語を、その冒頭文字ごとに集めた総画引き索引を用意し、検索しやすいようにしました。

本書が、「試験」「クイズ」を問わず、あらゆる場面で読者のみなさんに活用されることを望みます。

1995年 7月

三省堂編修所