ホーム > 辞典等一覧 > 国語 > こどもきせつのぎょうじ絵じてん 増補新装版 > お母さん、お父さんへ

文字サイズ変更
「こどもきせつのぎょうじ絵じてん 増補新装版」について

お母さん、お父さんへ

日本人は遠い昔から、四季のリズムとともに文化をはぐくんできました。季節の節目となる年中行事は、人びとの日常生活に深く根をおろし、子どもの成長とも分かちがたく結びついていました。

残念ながら現代社会においては、都市化の波とともに、伝統的な年中行事が家庭から離れはじめています。そうしたなかで、年中行事の保存と維持にもっとも熱心なのは、幼稚園や保育園なのかもしれません。園児のいるご家庭ではよくご存じのことと思いますが、全国のどの園においても、実に丁寧に年中行事を園行事に組み入れています。実際、空間や時間の認知がまだ十分にはできない幼児たちにとって、季節の行事(イベント)は、生活の節目として、大きな意味をもっているようです。

けれど、その行事の由来や歴史、行事で使う道具の名称などについて、大人の側に正確な知識があまりなく、子どもたちに問われても、答えに困る場合もあるのではないでしょうか。たとえば「なぜお月見をするの?」といった、子どもたちの素朴な疑問に、きちんと答えられるような本が作りたい。私たちは、そう考えて、この絵じてんを企画しました。

ぜひ、四季折々の節目において、あるいは、園生活のなかで体験する年中行事のたびに、この本を親子で開いてみてください。知識を増やすというより、日本人のからだの中に脈々と流れつづけている春夏秋冬のリズムについて、親子で話し合うきっかけが生まれれば、私たちにとっても、こんなに嬉しいことはありません。

本書の刊行が、季節の行事の意義を確かめ、子どもたちがゆたかな季節感を身につける契機となることを願っています。

三省堂編修所