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「こども りょうりのことば絵じてん」の内容より

おうちのかたへ

 食べることは誰にとっても生活の基本ですが、幼い子どもたちにとっては心身の発育にとって何より重要な営みです。とりわけ、最近強調されているのが、情緒面、精神面の健全な発達に、「食」がいかに大切な役割を果たしているかという点です。実際、私たちの暮らしのなかでも、家族や友だちと一緒に食事をすることの楽しさは、格別のものです。その幸福を子どもたちと分かち合うことは、大人にとっての責務であると共に、大人にとっても掛けがえのない経験といえるでしょう。

 手間暇かけて作った料理を、誰かに「おいしい!」と笑顔で食べてもらえることの喜び。誰かが自分のために心をこめて作ってくれた料理を味わうことの喜び。そして、それに対して感謝の気持ちを抱くことの尊さ。このような幸せな円環のなかで、子どもたちの食習慣は健全なものとして身につき、情緒もまた健やかに育ってゆくと思われます。さらに、料理や食事の場面での親子の会話によって、子どもたちの語彙が豊かになれば、それは、子どもたちの「ことばの力」の根幹を支える基盤となるに違いありません。

 親子で楽しく料理をしながらおしゃべりして、親子でおしゃべりしながら楽しく食べる。そんな愉快な日常生活をさらに深めるために、この本が役に立てたら、私たちも嬉しく思います。

三省堂編修所