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勉強工学 - Web時代の学習法 第3回

2007年 11月 2日 金曜日 筆者: 増井 俊之

第3回 Wikiで勉強

前回Web上の単語帳を編集して勉強に利用する方法を紹介しました。
この単語帳はWiki形式になっているのでブラウザ上で簡単に編集できるという特長を持っていますが、Wikiページ間の参照関係の視覚化を工夫することにより、勉強したい項目を関連づけながらさらに効果的に勉強を行なうことができるようになります。

たとえば社会科の勉強をするとき、

「静岡県はみかんの産地である」
「佐賀県は陶器の産地である」

のような断片的知識をバラバラに覚えるのは大変ですが、

「静岡県はみかんの産地である」
「みかんといえば、佐賀県や和歌山県もみかんの産地である」
「佐賀県といえば、佐賀県は陶器の産地である」
「陶器の産地といえば愛知県が有名である」

といった具合で様々な情報を関連づけることにより、より効果的な勉強を行なうことが可能になります。

佐賀県みかんに関するWikiページを作成し、佐賀県のページからみかんのページにリンクを貼っておけば、佐賀県みかんに関連があることはわかりますが、静岡県みかんに関連しているということはわからないのが普通です。
ページAからページXへのリンクが存在し、ページBからもページXへのリンクが存在するとき、ページA中のXへのリンクの場所にページBも関連リンクとして表示することにすれば、AからBを直接参照できるのでA, B, Xの関連性がわかりやすくなります。

図1(クリックで拡大)
sagaken.png

上図はこの方針で作成した佐賀県のページです。

このページの「佐賀県ベスト3」のところには下図のように[[みかん]]という記述があるだけなのですが、和歌山県などのページにもみかんのページへのリンクがあるので、和歌山県静岡県などのページもみかんに関係があることがはっきり見えるようになっています。

図2(クリックで拡大)
940870467144f5fd9f7823edeb9a7c29.png

Webで調べものをしながらこのようなWikiページを作っていくのは楽しいものです。
また、このような手法を使う場合、入力した情報量が少なくても関連情報が沢山表示されるのでページがにぎやかになり、もっと情報を増やしてページを充実させようという気持ちが高まります。

自己満足力や自慢力といったジマンパワーを勉強に活用すると効果的でしょう。


■筆者プロフィール

増井俊之

東京大学大学院修了,工学博士。
ユビキタスコンピューティング時代のユーザインタフェースに興味を持つ。
ソニーコンピュータサイエンス研究所,産業技術総合研究所を経て,
現在,米Apple Inc. 勤務。
著書に『Perl書法』『インターフェイスの街角』などがある。
ウェブサイトはpitecan.com

◆編集部より:POBoxやQuickML, 本棚.orgなど数々のシステムやサービスを作り,最近ではiPod touchの日本語入力システムを手がけたことで知られる,増井俊之さんの「勉強工学 — Web時代の学習法」を短期連載します。
乞うご期待!

2007年 11月 2日