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勉強工学 - Web時代の学習法 第4回

2007年 12月 3日 月曜日 筆者: 増井 俊之

第4回 みんなで勉強

ひとりで勉強しているとなかなかモティベーションが上がらないものですが、他人と一緒に勉強すると勉強がはかどることがよくあります。

勉強そのものがつまらない場合でも、他人に勝つことに喜びを見出だせる人にとっては競争自体が楽しみになるので、人より頑張って勉強しようとするものです。それほど競争が好きでなくても、他人の勉強状況が目に見える場合、人が頑張っているんだから自分も頑張らなきゃという気になるものです。

下の写真は、このような人情を利用して勉強のモティベーションを上げるために慶應義塾大学安村研究室で開発されたEnlight-Penというシステムです。ペンの中のライトは友人の勉強の進み具合を示しており、自分よりも友人の方が進んでいる場合、勉強しなきゃ! と発奮できるようになっています。

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他人と競争などしたくない場合でも、誰かと一緒に勉強するといろいろ教えたり教わったりすることができますから、ひとりでやるよりも効果的に勉強することができます。

最近、ソーシャルネットワークサービス(SNS)を利用して友達とコミュニケーションしながら勉強しようというシステムがいろいろ出現してきました。

LiveMochaは外国語を勉強するためのSNSで、いろんな言語を勉強しようと思っている人たちがお互いに助けあうことができるようになっています。たとえば「スペイン語を勉強中の日本人」と「日本語を勉強中のスペイン人」がお互いに教えあったり間違いを訂正したりできますし、同じ言語を勉強中の人たち同士でリアルタイムに会話を楽しんだりできるようになっています。

英語を勉強する日本人のために教材やSNS機能を提供するiKnow!というサービスも人気を呼んでいます。iKnow!には市販教材に負けないすぐれた英語教材が沢山揃っており、単語やリスニングなど効率的に様々な勉強ができるようになっていることに加え、mixiなどと同様に友達関係を登録したり日記を書いたりすることができ、進捗状況やスキルレベルを比較できるようになっています。

勉強状況が比較されるので勉強に気合いが入りますし、関連する情報交換もやりやすくなっているので、Web時代の英語勉強法としてかなり有効そうです。

(クリックで拡大)
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自分の根性だけではなかなか勉強は長続きしないでしょう。ゲームやコミュニケーションの要素を勉強に活用する方法がこれからますます流行りそうです。


■筆者プロフィール

増井俊之

東京大学大学院修了,工学博士。
ユビキタスコンピューティング時代のユーザインタフェースに興味を持つ。
ソニーコンピュータサイエンス研究所,産業技術総合研究所を経て,
現在,米Apple Inc. 勤務。
著書に『Perl書法』『インターフェイスの街角』などがある。
ウェブサイトはpitecan.com

◆編集部より:POBoxやQuickML, 本棚.orgなど数々のシステムやサービスを作り,最近ではiPod touchの日本語入力システムを手がけたことで知られる,増井俊之さんの「勉強工学 — Web時代の学習法」を連載します。第3回以来,久々のご登場です。これからもまだまだ続きます。乞うご期待!

2007年 12月 3日