時候のあいさつ

かん ちゅう 【寒中】

2008年1月8日

どういう意味?

『大辞林 第三版』には「〔古くは「かんぢゅう」とも〕小寒の初めから大寒の終わるまでの間。また、寒さが厳しい期間。寒の内。「 ─ 水泳」」とあります。

もう少し詳しく…

「向寒」(バックナンバー12/11)にも書きましたが、「小寒」を「寒の入り」といい、「小寒」から「節分」までの間のことを「寒中」といいます。

いつごろに適したことば?

「小寒」は2008年1月6日でした。「節分」は2月3日ですので、それまでの間です。

使用例は?

「寒中の候」「寒中の折」「寒中の砌(みぎり)」など
手紙文ならば結びのことばとして「寒中の折 くれぐれもご自愛くださいませ」のように使うこともできます。

ちなみに…

寒中見舞い

寒冷地に住む方への安否を見舞うあいさつ状が「寒中見舞い」です。
年賀状の返礼が遅くなってしまった場合や、喪中に年賀状をいただいた場合にも、この時期に手紙などを出して寒中見舞いとすることもあります。

寒中に

「寒中」と頭に付く語はそれほど多くありませんが、「寒」と付いて寒中におこなう行事や、寒中に見られるものをあらわす語はたくさんあります。「寒稽古」や「寒垢離(かんごり)」(寒中、冷水を浴びながら神仏に祈願すること。また、修験者などが寒中に白装束で町を回り、家々に用意された桶の水を浴びて歩く行やその行者をいう。寒行。[季語]冬。「 ─ をとる」)、「寒梅」や「寒鰤」など。
「三省堂デュアル・ディクショナリー」のWeb版『大辞林 第三版』で検索文字を「寒/かん」として検索すると(*)「寒」と付いて「かん…」と読む語が表示されます。それを見ることで、寒中の行事や風景が浮かんできます。
(*)「三省堂デュアル・ディクショナリー」のWeb版を使用するには対象辞書(ここでは『大辞林 第三版』)を御購入の上、登録手続きが必要です。

筆者プロフィール

三省堂編修所

編集部から

「時候のあいさつ」では、手紙やビジネス文書でよく使う季節のことばを取り上げ、その語の意味や、どんな時期に適したことばかを解説します。