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勉強工学 - Web時代の学習法 第7回

2008年 1月 29日 火曜日 筆者: 増井 俊之

第7回 iPodで勉強

様々なコンテンツがPodcastとしてWeb上で公開されています。ブログやニュース番組は従来から沢山配信されていますが、最近は大学の授業のような質の高いものもWeb上で沢山公開されています。MITの「熱血教授」の授業が最近話題になっていたのでいくつか見てみたのですが、これまで見たどんな物理の授業よりも面白いエンターテインメントになっており、流石にMITは違うなと感心させられました。

授業に限らず、Steve JobsのStanford大学でのスピーチのような感慨深い動画も沢山ネット上で公開されているので、すきま時間にこのような良質なコンテンツを試聴することを習慣づければ、楽しみながら様々な勉強をすることができるでしょう。

物理の勉強はちょっとしんどいという場合は、ドラマなどを見てみるのも良いかもしれません。天才数学者がFBIに協力して様々な問題を解決するというNumb3rsというドラマが米国で放映されているのですが、これは1エピソード2ドルほどで売られており、これを購入すればドラマを楽しみながら様々な数学のトピックと英語を同時に勉強することができます。
ちなみに米国のクレジットカードを持っていなくても、米国のスーパーで販売しているプリペイドカードを利用すれば米国のiTunes Music Storeから音楽やテレビ番組を購入することが可能です。

動画の場合は「ながら勉強」することは難しいかもしれませんが、音声Podcastの場合はそれを聞きながら別の仕事をすることもできるので、非常に効率的に勉強することができます。特に、つまらない仕事や肉体トレーニングをする場合、Podcastで勉強しながら作業をするようにすれば、辛さを忘れつつ知識を増やすことができます。
たとえば、科学関連の英語のPodcastを聞きながら掃除をする場合、英語の勉強と科学の勉強と掃除を同時に行なうことができるうえに、掃除が面倒で嫌だという意識が軽減されることになるので、三重に得だということができます。歩きながら動画を見たり本を読みながら英語を勉強したりするのは難しいかもしれませんが、身体や脳の中で同時に利用可能な領域をなるべく並列に使うようにするコツは確かに存在します。脳や身体の効率的なスケジューリングを可能にするツールとしてiPodのような携帯システムを利用すると良いでしょう。


■筆者プロフィール

増井俊之

東京大学大学院修了,工学博士。
ユビキタスコンピューティング時代のユーザインタフェースに興味を持つ。
ソニーコンピュータサイエンス研究所,産業技術総合研究所を経て,
現在,米Apple Inc. 勤務。
著書に『Perl書法』『インターフェイスの街角』などがある。
ウェブサイトはpitecan.com

◆編集部より:POBoxやQuickML, 本棚.orgなど数々のシステムやサービスを作り,最近ではiPod touchの日本語入力システムを手がけたことで知られる,増井俊之さんの「勉強工学 — Web時代の学習法」を連載します。第6回は1月15日の掲載でした。まもなく最終回を迎えます。お見逃しなく!

2008年 1月 29日