2009年 3月 のアーカイブ

地域語の経済と社会 第38回

2009年 3月 7日 土曜日 筆者: 日高 貢一郎

地域語の経済と社会―方言みやげ・グッズとその周辺―
第38回 「福岡の「はやかけん」「SUGOCA」」

【写真1 「はやかけん」をPRするポスター】
【写真1 「はやかけん」をPRするポスター】
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【写真2 和田投手を起用した立看板】
【写真2 和田投手を起用した立看板】
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 福岡市を走る地下鉄で新しくスタートするカードについて、面白い掲示を見ました。

 3月7日から新しく便利なカードがお目見えするという、その名は「はやかけん」。

 駅構内にはポスター【写真1】や、地元ソフトバンクホークスの和田毅投手を起用した立看板【写真2】が、また、地下鉄の車内にも吊り広告があり、駅の事務室には「『はやかけん』はやわかりガイド」というパンフレットが置かれていて、会社(福岡市交通局)の力の入れようが伝わってきます。

 「はやか」はもちろん〔早い〕という意味の九州中北部の方言ですし、「けん」はチケットやカードを意味する〔券〕なのですが、実はもう一つの意味がかけてあります。

 「は・や・か」は「くて、しくて、適な」券(カード)の頭文字をつないだものでもあり、「けん」は〔~だから〕という理由を表すこの地域の方言です。

 つまり、このカードを利用すれば、〔早くて、利用者や環境に優しくて、快適な活用ができますから(ぜひご利用ください)〕というメッセージが込められたネーミングです。

 なお、「はやかけん」は取りようによっては「早駆けん」〔早く走ろう〕と読めないこともありません。

【写真3 「SUGOCA」の車内吊り広告】
【写真3 「SUGOCA」の車内吊り広告】
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  もうひとつ、これよりちょっとだけ早く、3月1日には「SUGOCA」というカードもスタートしました。同じく福岡県で利用可能で、こちらはJR九州が始めたものです【写真3】。

 そのホームページによると、「Smart Urban Going Card」の略称だということですが、もちろん〔すごい!〕という意味のこの地域の方言の形容詞「すごか」にかけてあります。「ICカード導入に対する機能的メリットや新サービス開始へのインパクトを、九州地方で使われる方言で表現しています。また、親しみやすさを抱いてもらうと同時に、街中を賢く、スムーズに行き来できるという意味も込めています」と説明されています。

 表記の「…OC…」のOの右側とCが白くなっているのは、「IC」を意味している由。

 またこれをPRする蛙と時計のキャラクターも登場し、「お客さまに新しいICカードサービスの親しみやすさ、軽快感をイメージしていただけるよう、人気デザイナーのロドニー・A・グリーンブラットがデザインした、「カエルと時計」のキャラクターを採用しました。あわせて、列車の乗車スタイルを「変える」、駅等の店舗でも「買える」、列車で「帰る」という機能や、鉄道の持つ「定時性」も表現しています」という説明文も……。

 こちらもすごい力の入れようであることがわかります。

 これらよりも導入が早かったのが「よかネットカード」で、西鉄電車(天神大牟田線)・西鉄バス・福岡市営地下鉄で共通に利用できるプリペイドカードです。

 「よか」はもちろん〔良い〕という意味の方言ですが、「よかネット」からは〔いいねぇ〕という響きも感じられます。

 こういったことば遊びの要素をもって名づけられた乗り物関係のカードは、目を広く他の地方にも転じると、関西では「らくやんカード」(阪神電鉄)、「スルッとKANSAI」(大阪市交通局・南海電鉄・阪急電鉄・阪神電鉄)などがありますし、公共交通機関の乗車ICカードとしては世界初のポストペイ(後払い)方式を採用したという、PiTaPa(ピタパ)は、その「スルッとKANSAI」協議会が導入したもので、「Postpay IC for “Touch and Pay”」の略で、「ピッとタッチしてパッと乗る」ことを示しています。

 JR西日本の「Icoca」(いこか)は「ICオペレーティングカード(IC Operating Card)」の略称ですが、「行こうか」という意味にもかけてあります。

 JR東日本ほかの「Suica」(スイカ)は 「Super Urban Intelligent Card」の略称で、「スイスイ行けるICカード」の意味合いも持たせてあり、また野菜の西瓜(すいか)と語呂合わせをして親しみやすくしています。

 北海道には「Kitaca」がありますが、名前の由来は「JR北(キタ)海道のICード」に基づくものですが、道外からの旅行者には「来たか」と歓迎されているような気分も味わえそうです。

 以上、いずれも「―か」のローマ字表記が「―ka」でなく「―ca」であるのは、「Card」の意味をかけてあるからです。

 今後も、こういったその地域らしさを活かして、地元の人たちに親しみをもって受け止められるような、方言を生かした愛称(ネーミング)はさらに増えていきそうです。

* * *

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【筆者プロフィール】

言語経済学研究会 The Society for Econolinguistics
 井上史雄大橋敦夫田中宣廣日高貢一郎山下暁美(五十音順)の5名。日本各地また世界各国における言語の商業的利用や拡張活用について調査分析し,言語経済学の構築と理論発展を進めている。
(言語経済学や当研究会については,このシリーズの第1回後半部をご参照ください)

日高貢一郎(ひだか・こういちろう)
 大分大学 教育福祉科学部 教授(国語学・方言学) 宮崎県出身。これまであまり他の研究者が取り上げなかったような分野やテーマを開拓したいと、“すき間産業のフロンティア”をめざす。「マスコミにおける方言の実態」(1986)、「宮崎県における方言グッズ」(1991)、「「~されてください」考」(1996)、「方言の有効活用」(1996)、「医療・福祉と方言学」(2002)、「方言によるネーミング」(2005)、「福祉社会と方言の役割」(2007)など。

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【編集部から】
皆さんもどこかで見たことがあるであろう、方言の書かれた湯のみ茶碗やのれんや手ぬぐい……。方言もあまり聞かれなくなってきた(と多くの方が思っている)昨今、それらは味のあるもの、懐かしいにおいがするものとして受け取られているのではないでしょうか。
方言みやげやグッズから見えてくる、「地域語の経済と社会」とは。方言研究の第一線でご活躍中の先生方によるリレー連載の始まりです。

* * *

この連載への質問、また「ここでこんな方言みやげ・グッズを見た」などの情報は、問い合わせフォーム( http://dictionary.sanseido-publ.co.jp/support/question.html )から、「地域語の経済と社会」への質問・情報である旨を記してご投稿ください。

写真×辞書のウェブギャラリー作品募集のご案内

2009年 3月 6日 金曜日 筆者: ogm

お気に入りの写真が辞書のことばとアートする!

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『新明解国語辞典編 しろ版』『新明解国語辞典編 くろ版』『四字熟語辞典編 一期一会』『年中行事辞典編 いちねん』4点同時刊行★

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子どもの写真はいっぱいたまっているけど、いまいち整理の方向が決められない…

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この笑顔はぜひ残しておきたい。そんな写真がたくさんあるでしょう。これに一枚貼ってみて。こちらは『コンサイスアルバムディクショナリー 年中行事辞典編 いちねん』。一年間の行事ごとに写真を貼っていったら、ステキなアルバムのできあがり。それで来年「去年はこんなひな祭りをしたねぇ」と、お子さんと見ながら心の中で思うのです、今年もこの子のためにひな寿司つくらにゃ……と。がんばれママ。

そしてステキなアルバムができましたら、私たちにも見せてください。

★コンサイスアルバムディクショナリー ウェブギャラリーへの出展作品を募集します★

間もなく募集が始まります。応募期間は2009年3月10日~2009年8月31日。
応募にあたって、注意していただきたい点がいくつかありますので、詳しくは下記をご覧ください。
募集要項詳細はこちら。
「コンサイスアルバムディクショナリー ウェブギャラリーへの出展作品募集のお知らせ」
作品例はこちら。
「コンサイスアルバムディクショナリー ウェブギャラリー 応募作品例」

……というわけで、コンサイスアルバムディクショナリーのご案内

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写真とことばを合わせて、そのマッチ/ミスマッチに笑いましょう。
結婚式にも、子どもの成長記録にも。自分たちだけの卒業アルバムにも。

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三省堂編修所 編 1,260(1,200)円 四六変型判 48頁
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〈うっとり〉〈きらきら〉〈情熱〉〈ロマン〉など美しいことば、夢のあることばを『新明解国語辞典』から22項目。ほかの項目はこちら⇒総目次 見本はこちら⇒見本+写真付きサンプル

『新明解国語辞典編 くろ版』
三省堂編修所 編 1,260(1,200)円 四六変型判 48頁
ISBN 978-4-385-36408-7
〈悪魔〉〈ぎらぎら〉〈疑惑〉〈ぐれる〉などブラックなことば、辛口な表現を『新明解国語辞典』から22項目。ほかの項目はこちら⇒総目次 見本はこちら⇒見本+写真付きサンプル

『四字熟語辞典辞典編 一期一会』
三省堂編修所 編 1,260(1,200)円 四六変型判 48頁
ISBN 978-4-385-36409-4
〈感慨無量〉〈完全無欠〉〈和気藹藹〉など、老若男女問わず愛される国民の文化的財産、四字熟語を22項目。ほかの項目はこちら⇒総目次 見本はこちら⇒見本+写真付きサンプル

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三省堂編修所 編 1,260(1,200)円 四六変型判 48頁
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〈お正月〉〈ひな祭り〉〈運動会〉など一年間の思い出写真を撮り集め、親子で楽しむかわいい年中行事辞典編。実はうんちくもしっかり。項目一覧⇒総目次 見本はこちら⇒見本+写真付きサンプル

ちなみに……。一つの見本のカタチ

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写真 梅 佳代/文 新明解国語辞典
1,470(1,400)円 四六変型判 128頁
ISBN 978-4-385-36319-6
独特な観察眼に基づく写真とことばが、真面目で妙ちくりん、イミフメイでカワイイ、微笑ましくもどこか切ない……そんな〈人間とことば〉のセカイ。

漢字の現在:「ぼーっ」とするから「ぼう然」?

2009年 3月 5日 木曜日 筆者: 笹原 宏之

漢字の現在 第33回 「ぼーっ」とするから「ぼう然」?


【「ぼーっ」とするから「ぼう然」?】

 漢字を読み書きする力について、いろいろなことが世上で話題になっているが、それとは無関係に、ある学生が問う。

 「がぜん」って、どういう意味ですか?

 彼は「すごく」というような意味でふだんよく使っているのだが、ある時、本当の意味とは違っていると感じたのだという。「俄然」という漢字を知らない、あるいは知っていても「俄然」の「俄」の字に「にわか(に)」という意味や訓読みがあることまでは習得していない。そのために、使用される文脈と語の発音とが醸し出すイメージに基づいて生じた用法のようだ。「ガッと飛びつく」の「ガッと」というオノマトペのような副詞の働きをする語との関連も考えられる。

 「…然」という副詞、連体詞のたぐいの語は、何かと話題になる(注1)。ここでは、話題にのぼりにくいものも扱いながら、少し見ていこう。

 「きぜん」という語も、「キッ」とするという語のイメージと結びつきやすいようだ。学生たちに、単語を仮名で示し、漢字とその意味とを尋ねてみた。すると、「きぜん」とは「きっちりとした」「きっぱりとした」「ビシッキリッとした」という意味だとの意識を記す者がいた。漢字は、「毅」と書こうとして誤字体になるもの、同音字など全く別の字で書く者もいる。少なくとも別の字で書く人たちは、漢字の意味(字義)と漢語の意味(語義)とが、うまく結びつけられていなかったようだ。

 また、「あぜん」を「呆然」と書く学生もいた。「呆れて何もいえないこと」だという。そして、「ぼう然」に対しては「ボーッとしてしまうこと」という。惜しいことに一つズレてしまい、「ぼう」と「ボー」との音のつながりが生じていたようだ。この「あぜん」には、「啞然」のほか「阿然」などの異表記も現れ、「あっけにとられる様子」、「あきれること」と、ここにも、「ア」という発音との関係づけがうかがえた。「ア然」で「口をあんぐりあけて驚いている」という回答もまた同様であろうか。

 「呆然」と「茫然」を想定した「ぼうぜん」だったが、「棒然」で「棒のように立ちすくしている」(「立ちつくしている」の意であろう)という解釈もあり、また、「ぼうぜん」で「ボーッと立っているさま」、さらに「呆然」のほか「模然」で「ぼーっとする」ともいう。やはり発音から語義を理解しようとしている。

 「ぶぜん」に対しては、「むすっとする様子」という回答もあり、その前頃に行われた世論調査に関する報道による影響は薄いようだった(注2)。中には「仏然」と書いて「ブスっとした態度をとること」と、仏頂面と絡めたような解釈も記されている。また、「無然」で「ぶーたれる」という。なるほどやはり発音は漢字とも関連を持たされていそうだ。

 「がく然」は「がっくりする」、さらに「がっくし、しちゃうかんじ」という。「愕然」と書けた者でも、「足がガクッとなるくらい落ちこむこと」。なるほど、苦し紛れの回答なのかもしれないが、うまいと感心してしまう。

 先の「ぼうぜん」に関しては、かつては「茫乎」で「ぼんやり」と読ませるような表記も小説などに見られた。実は根に同じ部分をもつ現象なのであろうか。それにしても、「…然」という漢語は、和語と音・義がしばしば類似する。「悄然」という漢語も、和語「しょんぼり」となんとなく音も意味も近接している。

 これらには、漢語本来の意味の覚え方として利用できるものがありそうだ。また、言語の意味変化の一因を見た思いがする。しかし、漢語と和語とで、なぜここまで類似してしまうのだろう。偶然にしてはやや奇妙である。もしかしたらオノマトペのような性質を少しでも有する語においては、音の選択に際して日中で一致する感覚がごく一部には古くからあった、などといえるのだろうか。また、語源説としてはあまり認められてはいないが、漢語を元に生じた和語というものも、上記の中に絶無ではないのかもしれない。

 上記の「俄」だけでなく「毅」「啞(唖)」「憮」「呆」「茫」「愕」は、いずれも使用頻度や使用範囲などの諸条件から「常用漢字」になっていないため、国語の授業で字種や字体、字音、字義をきちんと学んでいない。しっかりと身に付いていない状況は無理もないことであろう。「憮然」と書けた者には、「憮でるのに」変だ、と「憮」と「撫」とを混淆した解釈による感想を記す者があった。

 やはり「撫」もまた表外字なのである。自分が感覚的に何となく、ことばや文字を使っているな、と気付けるように心掛け、もしそうだな思ったら自分で辞書を引くなどして確認する習慣を身に付けること。それも、ことばや文字との付き合いの中では必要なことなのであろう。


1 「全然」については、いかなる場合でも肯定文に用いることは教養のなさを露呈する、という評価がよく聞かれる。日本語学が明らかにしてきた語誌の成果は一部には浸透してきたが、本当の歴史はなかなか一般の耳にはなじみにくいようだ。
2 昨年の文化庁による「国語に関する世論調査」では、「憮然(ぶぜん)」の意味が本来の意味とされる下記の(ア)からずれて、(イ)と理解されている、という結果が新聞などで注目を集めた。

憮然 例文:憮然として立ち去った。 平成19年度 平成15年度
(ア)失望してぼんやりとしている様子…… 17.1% 16.1%
(イ)腹を立てている様子…… 70.8% 69.4%

 これは、「ことばの乱れ」が進んでいると巷間でいわれている若年層のほうが、高年齢層よりもかえって本来の意味で回答していた。教育の効果も影響があったのかもしれないが、若年層はふだんそれほど使わない語であるため、語義の認識が曖昧になっており、それが回答にも反映したのではなかろうか。

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【筆者プロフィール】

『国字の位相と展開』笹原宏之(ささはら・ひろゆき)
 早稲田大学 社会科学総合学術院 教授。博士(文学)。日本のことばと文字について、様々な方面から調査・考察を行う。早稲田大学 第一文学部(中国文学専修)を卒業、同大学院文学研究科を修了し、文化女子大学 専任講師、国立国語研究所 主任研究官などを務めた。経済産業省の「JIS漢字」、法務省の「人名用漢字」、文部科学省の「常用漢字」などの制定・改正に携わる。著書に、『日本の漢字』(岩波新書)、『国字の位相と展開』(三省堂)『訓読みのはなし 漢字文化圏の中の日本語』(光文社新書)などがある。2007年度 金田一京助博士記念賞を受賞

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【編集部から】
漢字、特に国字についての体系的な研究をおこなっている笹原宏之先生から、身のまわりの「漢字」をめぐるあんなことやこんなことを「漢字の現在」と題してご紹介いただいております。前回は「中国での「成績」、そして漢字圏全体の比較」でした。

この連載への質問、また「ここでこんな字が使われていた」などの情報は、問い合わせフォーム( http://dictionary.sanseido-publ.co.jp/support/question.html )から、「漢字の現在」への質問・情報である旨を記してご投稿ください。

『三省堂国語辞典』のすすめ その57

2009年 3月 4日 水曜日 筆者: 飯間 浩明

伝統的な誤り、ミゾユー。

【味噌汁とお湯】
【みそと湯でミソーユー】

 麻生首相が、漢字を多く読み間違えることで批判されています。「未曾有(みぞう)」もその漢字のひとつで、「ミゾユー」「ミゾーユー」などと読んだと報道されています。私が録音で確かめたところでは、「ミゾーユ」と発音していました(2008.11.12、学習院大学でのあいさつ)。たしかに、あまり聞かない読み方ではあります。

 でも、これは、首相だけの独特な読み方というわけではありません。『三省堂国語辞典 第六版』の「未曾有」の項を見ると、次のように注記があります。

 〈「ミゾー」「ミゾーウ」とも発音する。「ミゾユー」は あやまり〉

【週刊誌の記事】
【ごうごうたる非難】

 『三国』の主幹だった見坊豪紀(けんぼう・ひでとし)は、「未曾有」のさまざまな語形を採集しています。テレビでは、「有」を「ウ」とはっきり発音する「ミゾウ」も、また、「曾有」の部分を「ゾー」と長音化する「ミゾー」も聞かれることが分かります。

 1960年代の雑誌からは、以下のように、〈みぞおう〉の例が拾われています。『三国』で〈「ミゾーウ」とも発音する〉と説明しているのがこれです。

 〈「おもうつぼ」か、「おもおうつぼ」か。「古今みぞう」か、「古今みぞおう」かというふうなことがあります。〉〔片桐顕智・放送による話しことばの建設〕(『日本語』1966.3 p.4)

【見坊カード】
【「ミソーユー」の例】

 また、当時の深谷市長が「ミソーユー」と発音した例も採集されています。「未曾有」に関する政治家の発音の例としては、麻生首相よりも40年以上早いものです。

 〈台風26号で死者四人、損害三億円というミソーユー(未曽有)の被害でしょう。市民も、それが当然と思ってますよ〉(『週刊朝日』1966.10.14 p.29)

 問題の「ミゾユー」の例は、残念ながら、見坊カードの中には見当たりません。ただ、『三国』では、初版(1960年)から〈「みぞゆう」はあやまり〉と記しており、昔からある言い方だと分かります。実際、NHK放送文化研究所の塩田雄大さんによれば、戦前には、「未曾有」には「ミゾユー」「ミソーユー」など、少なくとも6つの読み方のあったことが確認されているそうです(『放送研究と調査』2009.2)。

 何をもってことばの正誤とするかはむずかしいものですが、「ミゾユー」が要注意の言い方であることは、『三国』が昔から指摘しています。麻生首相が『三国』を愛用してくださっていればよかったのに、と惜しまれてなりません。

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◆新連載「国語辞典入門」は⇒「国語辞典入門」アーカイブ

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◆飯間先生の記事はここにも⇒「三省堂WebDictionary」ことばパティオ第8回「「串刺し」に堪える語釈でなければならない」

筆者プロフィール

【飯間先生の新刊『非論理的な人のための 論理的な文章の書き方入門』】飯間浩明(いいま・ひろあき)
 早稲田大学非常勤講師。『三省堂国語辞典』編集委員。
 早稲田大学文学研究科博士課程単位取得。専門は日本語学。古代から現代に至る日本語の語彙について研究を行う。NHK教育テレビ「わかる国語 読み書きのツボ」では番組委員として構成に関わる。著書に『遊ぶ日本語 不思議な日本語』(岩波書店)、『NHKわかる国語 読み書きのツボ』(監修・本文執筆、MCプレス)、『非論理的な人のための 論理的な文章の書き方入門』(ディスカヴァー21)がある。
URL:ことばをめぐるひとりごと(http://www.asahi-net.or.jp/~QM4H-IIM/kotoba0.htm)

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【編集部から】
生活にぴったり寄りそう現代語辞典として定評のある『三省堂国語辞典 第六版』が発売され、「【サンコク】メディアでの紹介」の記事にある通り、各方面で取り上げていただいております。その魅力をもっとお伝えしたい、そういう思いから、編集委員の飯間先生に「『三省堂国語辞典』のすすめ」というテーマで書いていただいております。

報告:深谷先生の辞書引き学習体験会

2009年 3月 2日 月曜日 筆者: ogm

★2/28・3/1辞書引き学習体験会、大盛況のうちに終了★

三省堂書店成城店イベントの様子2月28日三省堂書店成城店3月1日丸善丸の内本店主催でおこなわれました「『三省堂 例解小学国語辞典 第四版』刊行記念 親子いっしょに、深谷先生の「辞書引き学習」を体験しよう!」。

立命館小学校校長の深谷圭助先生から直接に教えていただける機会とあって、お申し込みやお問い合わせが多く、すぐに満員御礼となったそうです(書店さんのお話)。

当日は、「もっと深谷先生に教えてもらいたい…」「もっと辞書を引いていたい…」という名残惜しさが伝わってくるほど、大盛況のうちに終了いたしました。

まだ辞書をひき慣れていない子どもたちが、どんどん付箋をつけながら辞書を開いてのぞき込むように読んでいる様子は、とてもうれしく心強く思えました。辞書の編集に携わっているからというのとは別の何か、きっと大人が見たら誰でもほほえましく思える光景。

丸善丸の内本店イベントの様子夢中になりだしたら止まらないのは子どもの特性かもしれませんが、夢中になって辞書を引いているお子さんの隣で、夢中になってメモをとっている親御さんたちの熱心な姿も印象的でした。

ご来場の皆さま、ありがとうございました。ぜひこれからも「辞書引き学習」進めていってくださいませ。

今回残念ながらいらっしゃることができなかった皆さま、今後も何か考えたいと思っております。その際はこちらでお知らせいたしますので、引き続きのご愛顧をよろしくお願い申し上げます。

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【編集部からのお知らせ】

最新のイベント情報は右にあります「おすすめ記事」からご覧ください。今後のイベント情報、また、これまでの報告など関連情報は以下からもご覧いただけます。
 ⇒辞書引き学習についての情報

「辞書引き学習」基本のステップは五つ! 今すぐ始めたい方はこちらをご覧ください。
 ⇒「辞書引き学習」とは(監修:深谷圭助)
 「やってみよう!」 「辞書引き学習」への取り組み―先生方・保護者の方へ―

このウェブサイトにて、深谷先生のインタビューを掲載しています。以下をご覧ください。
 ⇒インタビュー「辞書引き学習」の深谷圭助先生《前編》
 ⇒インタビュー「辞書引き学習」の深谷圭助先生《後編》

編集部で立命館小へうかがいました。以下に訪問記を掲載しています。
 ⇒「辞書引き学習」の立命館小訪問記1
 ⇒「辞書引き学習」の立命館小訪問記2

★深谷先生から推薦をいただいております

例解小学国語辞典 第四版
編者:田近洵一
B6判 1,216ページ 1,995(本体1,900)円 ISBN 978-4-385-13821-3
[ワイド版] A5判 2,205(本体2,100)円 ISBN 978-4-385-13822-0

 

例解小学漢字辞典 第三版 新装版
編者:林 四郎(主幹)・大村はま
B6判 1,152ページ 1,995(本体1,900)円 ISBN 978-4-385-13817-6
[ワイド版] A5判 2,205(本体2,100)円 ISBN 978-4-385-13818-3

 

★立命館小学校で使われています

クラウン学習国語百科辞典
監修:金田一春彦 編者:三省堂編修所
A5判 1,200ページ 3,990(本体3,800)円
ISBN 978-4-385-15048-2

 

耳の文化と目の文化(12)-視覚的な特性(5)

2009年 3月 2日 月曜日 筆者: 新田 春夫

クラウン独和辞典―編集こぼれ話―(41)

合成語、派生語の場合、語源意識は人によってさまざまである。第6回で、従来のbehende [bəhɛndə]「手際のよい」、Stengel [ʃtɛŋəl]「茎」、verbleuen [vɛɐblɔyən]「ぶちのめす」といった語が新正書法ではHand「手」、Stange「竿」、blau「青い」との語源的関連を示すべくbehände、Stängel、verbläuenと表記されることに違和感を持つ人が多いことに触れた。他にも、Greuel [grɔʏəl]「残虐行為」をgrauen「恐ろしい」と関連とのでGräuelとし、überschwenglich [y:bɐʃvɛŋlɪç]「大げさな」をÜberschwang「感情の高揚」と関連づけて、überschwänglichと表記するのは語源学的には正しいかも知れないが、どれだけの人がそんな知識があるか疑わしい。また、schneuzen [ʃnɔʏtsən]「鼻をかむ」をSchnauzeとの関連づけてschnäuzenとしたが、Schnauzeは「動物の鼻づら」であり、人間に使うのは俗語で、その意味は「口、顔」であるから適切だとは言えない。また、新正書法ではaufwendig [aʊfvɛŋdɪç]「費用のかかる」を名詞Aufwand「費用」と関連づけてaufwändigとする表記を推奨しているが、動詞aufwendenと関連づけることもできるのである。

語源的関連を示すとは言っても見た目に美しくない場合は従来どおり発音にあわせて書く:Säle [zɛ:lə](Saal [za:l]「広間」の複数形)、Bötchen [bø:tçən](Boot [bo:t]「船」の縮小形。Bootchenという形もある)、Seen [ze:ən](See [ze:]「海」の複数形)。

ギリシア語やラテン語などからの外来語をウムラウトによって表記するものがあるが、これは語源の同一表記とは関係がない。Pädagoge [pɛdago:gə]「教育者」はギリシア語からラテン語に入ったpaedagogusが、Präsident [prɛzidɛnt]「大統領」はラテン語praesidensがドイツ語に入ったものであるが、これらの語中のaeがドイツ語ではウムラウトで表記されたものである。また、März [mɛrts]「3月」はローマの軍神Martiusから、Käse[kɛ:zə]「チーズ」はラテン語のcaseusに由来するが、これらの語のウムラウトはドイツ語に入ってから、aの後に来る母音iやeによって引き起こされたものである。また、Säbel [zɛ:bəl]はポーランド語からハンガリー語になったszablyaがドイツ語に入ったものだが、これもドイツ語になってからウムラウトを起こした。


【筆者プロフィール】
新田 春夫(にった・はるお)
武蔵大学教授
専門は言語学、ドイツ語学
『クラウン独和辞典第4版』編集委員


【編集部から】
「耳の文化と目の文化」をまとめて読むにはこちらです。

2008年2月に『クラウン独和辞典』(第4版)が刊行されました。日本初、「新正書法」を本格的に取り入れた独和辞典です。編修委員の先生方に、ドイツ語学習やこの辞典に関するさまざまなエピソードを綴っていただきます。

日本語社会 のぞきキャラくり 第28回 駅前旅館からシンポジウムのお誘い

2009年 3月 1日 日曜日 筆者: 定延 利之

駅前旅館からシンポジウムのお誘い

 『子供』キャラの物言いが「そもそも『子供』とはこれこれこのようなものだから『子供』キャラはこういうことばをしゃべるのだ」と説明でき、『大人』キャラの物言いが「そもそも『大人』とはこういうものだから『大人』キャラはこういうことばをしゃべるのだ」と説明できるなら、こんなに楽なことはない。だが、『子供』キャラや『大人』キャラのことばづかいには、そうした「常識言語学」でとらえきれない部分がある――前回述べたのはこのようなことである。「常識言語学」でとらえきれない、『大人』キャラの物言いをもう少し見てみよう。

 何かモノを発見して「あ、あった!」などと言うことがある。そのモノがいま現在、目の前に存在しているにもかかわらず、発見したというきもちのおかげで「た」が自然に感じられるので、この「た」は発見の「た」と呼ばれることもある。

 少しだけ専門的な話をさせていただく。発見の「た」については、「ひょっとしたらこのあたりにあるのではないか」といった事前の予期が必要か、それとも特に必要はないか、という争点がある。たとえば手帳を発見して「あ、手帳あった!」と「た」の文を発することができるのは、ただ発見したというきもちがあるだけではダメで、事前に「ひょっとしてこのあたりに手帳はあるのでは」と、うっすらとにせよ予期していたということが必要ではないか。まったく予期していなければ、いきなり手帳を発見した場合、「あ、手帳がある!」などとは言えても、「あ、手帳があった!」などとは言えないのではないか、いやどうだろうという問題である。この問題について諸家は「事前の予期は必要」「事前の予期は不要」の二説に分かれているが、ただ「必要」「不要」それぞれの記述が積み上げられるばかりで、二説間の論争は生じていない。

 この問題に対して寺村秀夫先生は、事前の予期は必要ないというお考えを述べていらっしゃる。その根拠として寺村先生が挙げられるのは、井伏鱒二の小説『駅前旅館』(1956-1957)の一節である。ここでは、生野という番頭が高沢という別の番頭の奇癖について次のように述べている。

 この男は、他にもまだ妙な癖がある。自分の持ってる銭を、人の知らない間に石崖の穴かどこかに隠しておいて、「おや、ここに銭があった。こいつで一ぱい飲もう」と云って人に御馳走する癖がある。
   [『井伏鱒二全集 第十八巻』筑摩書房。仮名遣いは現代風に改めた]

 生野の述懐によれば、高沢という男は「何の予期もなしに、なにげなく石崖をのぞき込んだら思いもかけず金を発見した」という芝居を打つのだから、高沢の「おや、ここに銭があった」という「た」発言には事前の予期はないと言うべきだろう。事前の予期がなくてもこのように「た」が自然になり得るわけだから、事前の予期は必要ない、というのが寺村先生のお考えのようである。

 ところが、寺村先生と同じような例を作ってみても、あまりうまくいかない。「あなたは友達と山の中にハイキングに行きました。ふと見ると目の前の崖に、まったく思いがけないことにサルがいます。あなたはサルを指さして、サルに気付かない友達に教えてやろうとします」と状況を設定した上で、「ほら見て、あんなところにサルがいたよ」という「た」の発言が自然かどうか大学生に判断させると、たいてい半数近くが「不自然」と答えてしまう。そのくせ、『駅前旅館』の「おや、ここに銭があった」は大学生にもよく受け入れられ、調査したかぎりほとんど全員が「自然」と判断する。

 寺村先生の記述は素っ気ないと思えるぐらいに短く、簡潔に終わっているが、当時の寺村先生の学生さん(いまはこの方が大学を退官されるお年である)に伺うと、寺村先生はこの実例探しに相当長い時間をかけていらっしゃったという。してみると『駅前旅館』は、ねらい澄まされた一撃と言うべきものだったのかもしれない。

 さて、なんで『駅前旅館』だけうまくいくの? 寺村先生、どう「ねらい澄まし」たのですか? と言ってみても、寺村先生はすでにこの世の人ではないから、何も答えては下さらない。自分で考えるしかないのである。

 では、『駅前旅館』のケースと山中ハイキングのケースで何が違っているのか?

 

 それは、話し手のキャラクタである。

 山中ハイキングの場合、「ほら見て、あんなところにサルがいたよ」という「た」の文の話し手は被調査者(大学生)自身である。だが、『駅前旅館』の場合、話し手は高沢番頭という、「金」のことを「銭」と言い、「こいつで一ぱい飲もう」と人を誘うような、古くさ~い『大人』である。

 つまり半数近くの大学生は、事前の予期なしの発見の「た」について、「自分は言わない。でも、古くさい『大人』の物言いとしたらOK」という判断を下している。このことは、山中ハイキングに『大人』を登場させてみるとよくわかる。たとえば「みんなで行きましょうよ」と、この山中ハイキングを決めたお節介なおばちゃんにしゃべらせてみると、発見の「た」は次のように、ぐっと容認されやすくなる。

 うわー、すっごい紅葉じゃないですかーやっぱり来てみてよかったでしょー、どうです田中さん。ねー。騒音もないし、空気も綺麗だし、あ、見て見て、ほら、あんなとこにサルもいましたよどうですこれー。

 このように、発見の「た」を事前の予期なしで発することができるかどうかは、話し手のキャラクタしだいの部分がある。

 自分のことを「オレ」と言うか「わし」と言うか「あたし」と言うかとか、同意する時「そうです」と言うか「そうっす」と言うか「そうでおじゃる」と言うかとか、文末に「そうだよぴょーん」と「ぴょーん」を付けるか付けないかとか、そんなところにばかりキャラクタは関わるわけではない。事前の予期なしの発見の「た」のような、もっと「文法的」なことばづかいにもキャラクタは関わっている。

 

 「ある特定の言葉づかい(語彙・語法・言い回し・イントネーション等)を聞くと特定の人物像(年齢、性別、職業、階層、時代、容姿・風貌、性格等)を思い浮かべることができるとき、あるいはある特定の人物像を提示されると、その人物像が使用しそうな言葉づかいを思い浮かべることができるとき、その言葉づかいを「役割語」と呼ぶ」とは、金水敏先生が『ヴァーチャル日本語 役割語の謎』(2003、岩波書店)の中で述べていらっしゃることである。

 ここで「人物像」と呼ばれているものが我々の「キャラクタ」と等しいと考えると、私がいま述べたのは、役割語の範囲が意外に広大であって、発見の「た」のような、誰でも使いそうなものにも実は役割語としての側面があるということである。

 間違っていたら後でいくらでも直すことにして、とりあえず「すべてのことばは役割語である」と考えてみた方がよさそうではないか。

 

 と、今回いつになく長く書いているのは、実は金水先生と合同で、3月28日(土)・29日(日)に神戸大でシンポジウム「役割語・キャラクター・言語」を開くので、案内をしたいのである。私は上のようなことを発表するだけだが、金水先生、呉智英先生をはじめ錚々たる方々やフレッシュな若手研究者がお話し下さるので皆様ぜひおいでいただきたい。参加は無料、サイトにある指示にしたがって、できるだけ3月10日までにメールでお申し込みください。
詳細は⇒http://www.let.osaka-u.ac.jp/~kinsui/char-sympo-2009.htmをご覧ください。

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◇この連載の中国語版と英語版
  中国語版⇒角色大世界――日本
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【筆者プロフィール】

最新刊『煩悩の文法』(ちくま新書)定延利之(さだのぶ・としゆき)
神戸大学大学院国際文化学研究科教授。博士(文学)。
専攻は言語学・コミュニケーション論。「人物像に応じた音声文法」の研究や「日本語・英語・中国語の対照に基づく、日本語の音声言語の教育に役立つ基礎資料の作成」などを行う。
著書に『認知言語論』(大修館書店、2000)、『ささやく恋人、りきむレポーター――口の中の文化』(岩波書店、2005)、『日本語不思議図鑑』(大修館書店、2006)、『煩悩の文法――体験を語りたがる人びとの欲望が日本語の文法システムをゆさぶる話』(ちくま新書、2008)などがある。
URL:http://ccs.cla.kobe-u.ac.jp/Gengo/staff/sadanobu/index.htm

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【編集部から】
「いつもより声高いし。なんかいちいち間とるし。おまえそんな話し方だった?」
「だって仕事とはキャラ使い分けてるもん」
キャラ。最近キーワードになりつつあります。
でもそもそもキャラって? しかも話し方でつくられるキャラって??
日本語社会にあらわれる様々な言語現象を分析し、先鋭的な研究をすすめている定延利之先生の「日本語社会 のぞきキャラくり」。毎週日曜日に掲載しております。

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