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地域語の経済と社会 第61回

2009年 8月 15日 土曜日 筆者: 田中 宣廣

地域語の経済と社会―方言みやげ・グッズとその周辺―
第61回「みちのくの夏」

(画像はクリックで拡大します)
「馬こ」(上)と「さんさ」(下) 盛岡弁うちわ
左:【写真1】「馬こ」(上)と「さんさ」(下)
右:【写真2】盛岡弁うちわ
宮古駅の「氷柱」 宮古弁大漁旗
左:【写真3】宮古駅の「氷柱」
右:【写真4】宮古弁大漁旗

 歓迎の方言メッセージには,季節ごとのバージョンもあります。第41回の岩手県JR盛岡駅の「よぐおでんした」は,ちゃぐちゃぐ馬こ(6月),さんさ踊り(8月)でディスプレーを変えます【写真1】。

 そのなかで今回は,夏だけに出す方言メッセージを紹介します。

 盛岡駅では,駅ビル「フェザン」2階入り口のうちわ【写真2】です。メッセージは「よぐおでんした」で,朝顔そして風鈴とともに出され,夏らしさを演出しています。

 もう一つは,岩手県JR宮古駅待合室の,夏の名物,夏の花(日替わり)入り「氷柱」【写真3】です。下の方に「みやこにようおでんした」(宮古によくいらっしゃいました)と方言メッセージがあります。

 なお,JR宮古駅には,一年中出されていますが,見る人には「海」→「夏」を思わせる歓迎メッセージがあります。大漁旗【写真4】です。もちろん,このメッセージのために特別に作ったものです。駅の各所に掲げられ,デザインやメッセージは皆異なり,見る人を飽きさせません。

 皆さんのお住まいの地方にも,季節ごとのメッセージがありましたら,どうぞ,私たちに教えてください。

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【筆者プロフィール】

言語経済学研究会 The Society for Econolinguistics
 井上史雄大橋敦夫田中宣廣日高貢一郎山下暁美(五十音順)の5名。日本各地また世界各国における言語の商業的利用や拡張活用について調査分析し,言語経済学の構築と理論発展を進めている。
(言語経済学や当研究会については,このシリーズの第1回後半部をご参照ください)

『付属語アクセントからみた日本語アクセントの構造』田中宣廣(たなか・のぶひろ)
 岩手県立大学 宮古短期大学部 准教授。博士(文学)。日本語の,アクセント構造の研究を中心に,自然言語の実態を捉え,その構造や使用者の意識,また,諸方言の形成過程について考察している。東京都立大学大学院人文科学研究科修士課程修了。東北大学大学院文学研究科博士課程修了。著書『付属語アクセントからみた日本語アクセントの構造』(おうふう),『近代日本方言資料[郡誌編]』全8巻(共編著,港の人)など。2006年,『付属語アクセントからみた日本語アクセントの構造』により,第34回金田一京助博士記念賞受賞

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【編集部から】
皆さんもどこかで見たことがあるであろう、方言の書かれた湯のみ茶碗やのれんや手ぬぐい……。方言もあまり聞かれなくなってきた(と多くの方が思っている)昨今、それらは味のあるもの、懐かしいにおいがするものとして受け取られているのではないでしょうか。
方言みやげやグッズから見えてくる、「地域語の経済と社会」とは。方言研究の第一線でご活躍中の先生方によるリレー連載。

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2009年 8月 15日