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耳の文化と目の文化(23)―熟語の1語書きと造語(3)―

2010年 11月 1日 月曜日 筆者: 新田 春夫

クラウン独和辞典―編集こぼれ話―(97)

前回の形容詞の場合と同様に、名詞・形容詞・副詞と現在分詞・過去分詞からなる語も動詞句を背景にもつだけに造語による語というよりは句を1語書きにしたものと解釈される場合が多い。

fleischfressend「肉食の(動物)」はFleisch fressendと分かち書きをしてもよい。

freudestrahlend「喜びに輝く」は句の形ではvor Freude strahlendだが、前者を分かち書きにすることはない。angsterfüllt「不安に満ちた」も句の形ではvon Angst erfülltだがやはり前者を分かち書きにすることはない。

bahnbrechend「画期的な」はすっかり形容詞化しているからこれをBahn brechendのように分かち書きすることはない。

kriegsgefangen「戦争捕虜の」もすっかり形容詞化しており、しかもこの場合、接合辞sがあるから1語化してしまっていて、分かち書きされることもない。

schwerverletzt「重傷の」はschwer verletztと分かち書きしてもよい。これを名詞化するときもder Schwerverletzte「重傷者(男性)」とder schwer Verletzte「ひどく負傷をした人(男性)」のふたつの形がある。

schwerwiegend「重大な」、weitverbreitet「広く浸透した」もschwer wiegend, weit verbreitetのように分かち書きすることもある。また、比較変化した場合、1語書きのものを語尾変化させてschwerwiegender, schwerwiegendst, weitverbreiteter, weitverbreitetestとしてもいいし、2語書きしたものの副詞用法の形容詞を変化させてschwerer wiegend, am schwersten wiegend, weiter verbreitet, am weitesten verbreitetとしてもいい。また、alleinerziehend「(シングルマザーなどが)ひとり子育ての」も allein erziehendと分かち書きすることもある。


【筆者プロフィール】
新田 春夫(にった・はるお)
武蔵大学教授
専門は言語学、ドイツ語学
『クラウン独和辞典第4版』編修委員


【編集部から】
2008年2月に『クラウン独和辞典』(第4版)が刊行されました。日本初、「新正書法」を本格的に取り入れた独和辞典です。編修委員の先生方に、ドイツ語学習やこの辞典に関するさまざまなエピソードを綴っていただきます。

2010年 11月 1日