身体を使って漢字で遊ぶ(補足)
2012年 2月 1日 水曜日 筆者: 鈴木 仁也身体を使って漢字で遊ぶ(補足)
「身体を使って漢字で遊ぶ」と題して3回にわたる原稿を掲載していただきました。
原稿の中で、なじみのない用語が出てきて、「これは何なんだろう?」とお感じになった方がいらっしゃるかと思います。ここで、補足説明が必要であると思われる用語について、紹介しておきます。
《解説一覧》
シアターゲーム
→ もともとはゲーム感覚で俳優としての技能を伸ばすプログラムのこと。俳優としての技能の中には、リラクゼーション、身体感覚などのほかに、他者認識力や想像力、集中力、協調性なども含まれる。このうち、他者認識力、想像力、協調性などを狙いとしたプログラムは、ウォーミングアップだけでなく、コミュニケーション能力の育成にもつながるものなので、俳優に限らず、児童生徒を対象に実施しても効果的である。
お題で示された言葉
→ 各グループに与えられる、漢字1字を創作して表してもらうための言葉。外来語の名詞が使いやすい。
例:レインコート、マラソン、ドーナツ、コイン、トラック、ロッカー、UFO 等
拍手回し
→ 受容と発信の両面で他者認識力を向上させるシアターゲームの一つ。他者認識力に加え、身体感覚やリズム感の向上にも効果がある。隣の人に拍手を渡す意識を持つように注意を促す。
【基本】
- 円陣になる
- 講師に指名された人が左隣の人に向かって拍手をする
- 拍手された人は、その拍手を受け止めて、左隣の人に向かって拍手をする
- 順番にリズムよく行うと、時計回りに拍手がリレーされていく
- 慣れてきたら速度を上げる
- さらに、拍手をするときに片足をあげるなどの動きを加えてもよい
【応用1】
- 逆回りを同様に行う
【応用2】
- 何か言葉とともに左隣の人に向かって拍手をする
- 拍手された人は、その拍手を受け止めて、左隣の人に向かって同じ言葉とともに拍手をする
- 順番にリズムよく行うと、時計回りに同じ言葉と拍手がリレーされていく
- 慣れてきたら速度を上げる
- さらに、拍手をするときに片足をあげるなどの動きを加えてもよい
【応用3】
- 逆回りを同様に行う
【応用4】
- 上記【応用2】と【応用3】を、初めにやる人をずらして同時に行う
〈私―あなた〉ゲーム
→ 受容と発信の両面で他者認識力を向上させるシアターゲームの一つ。他者認識力に加え、身体感覚の向上にも効果がある。誰に対して「あなた」と投げ掛けたのかはっきりさせることを意識させる。
【基本】
- 円陣になって椅子に座る
- 講師に指名された人が、自分を指さしながら「私(わたし)」と言う
- 同じ人が、誰かほかの人を指さしながら「あなた」と言って立ち上がる
- すり足で「あなた」と指さした人の方にゆっくり進む
- 「あなた」と指さされた人は、自分を指さしながら「私」と言う
- 「あなた」と指さされた人は、誰かほかの人を指さしながら「あなた」と言って立ち上がる
- すり足で「あなた」と指さした人の方にゆっくり進む
- 初めに立ち上がって進んでいた人は、「あなた」と言って立ち上がった人の席に座る
※「あなた」と指さされた人が「私」「あなた」と言って立ち上がる前に、「あなた」と指さした人が、席まで到達して両肩に手を掛けたら、ゲームオーバー。
ろばゲーム
→ 受容の面で他者認識力を向上させるとともに、注意深く聞く集中力を高めるシアターゲームの一つ。身体感覚の向上にも効果がある。言葉を投げ掛けられた人だけでなく、その両隣の人もよく聞いていないといけないことと、瞬間的に形を作るために他の人の多様な発想を尊重しないとうまくいかないことを意識させる。
【基本】
- 円陣になって椅子に座る
- 講師が中央に立つ
- 講師は、誰かに向かって「ろば」と言う
- 「ろば」と言われた人は立ち上がって、ろばのポーズをしてから座る
- 講師は、誰かに向かってときどき「ロボ」と言う
- 「ロボ」と言われた人は座ったまま何もしない
- 「ろば」と「ロボ」を混ぜながら繰り返していく
【応用1】
- 上記の【基本】の「ろば」「ロボ」と言うほかに、「トイレ」と言うことを混ぜる
- 「トイレ」と言われた人は立ち上がり、両隣の二人で便器とレバーの形を作る
- 立ち上がった人が、レバーを操作する動きをしてから3人着席する
- 「ろば」「ロボ」「トイレ」を混ぜながら繰り返していく
【応用2】
- 上記の【応用1】の「ろば」「ロボ」「トイレ」と言うほかに、任意の言葉を言うことを混ぜる
- 任意の言葉を言われた人と両隣の二人が立ち上がり、言われた言葉を表す形を3人で協力して作ってから座る
- 「ろば」「ロボ」「トイレ」「任意の言葉」を混ぜながら繰り返していく
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◆ほかの回をお読みになる方は⇒「身体を使って漢字で遊ぶ」目次へ
【筆者プロフィール】
鈴木 仁也(すずき・まさなり)
文化庁文化部国語課国語調査官
文部科学省初等中等教育局コミュニケーション教育推進会議オブザーバー
1964年東京生まれ。筑波大学大学院博士課程中退。東京学芸大学附属高等学校教諭(国語科、演劇部顧問)を経て現職。
国語調査官として、文化審議会国語分科会の審議に関わるほか、「「言葉」について考える体験事業」、「国語に関する世論調査」など国語施策普及のための様々な取り組みに関わる。2010年からは、教育現場とワークショップ講師を含めた創作活動、さらには行政という三方面からの知見を持つことから、文部科学省コミュニケーション教育推進会議立ち上げと同時にオブザーバーとして会議に加わる。
主な著述に、『まんがで学ぶ敬語』(国土社2010)、『用字用語新表記辞典』(第一法規2011・編集協力)のほか、教員時代に携わった高等学校教科書(三省堂)や、国語教育、情報教育、古典教育等について多数のものがある。
【編集部から】
価値観が多様化し、また、急速に社会が変化していくなかで、どのような相手とも、どのような状況でも、協働して問題解決をはかっていけるような力が求められています。これに対し、教育現場では多様な取り組みが始まっています。
その実践を、多くの現場をご覧になり、自らもワークショップを行う鈴木仁也さんにご執筆いただくコラムです。
漢字辞典の使用につながる演劇ワークショップの授業のもようを3回に分けてご紹介いただきました。今回はそのなかで出てくる用語などについて、解説していただきました。今後もいろいろな実践について、ご報告いただく予定です。


















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2007年









