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古語辞典でみる和歌 第6回 「をりならで…」

2014年 11月 11日 火曜日 筆者: 古語辞典編集部

古語辞典でみる和歌 第6回

をりならで色づきにける紅葉葉(もみぢば)は時にあひてぞ色まさりける

出典

蜻蛉・上

季節はずれに色づいてしまった紅葉は、その時(=秋)が来てますます美しくなったよ。

(『三省堂 全訳読解古語辞典』「ときにあふ」)

◆参考情報

『蜻蛉日記』で、作者の夫・藤原兼家が、妻に「(色づいた紅葉のように)あなたも美しい盛りを迎え、ますます魅力的だよ」と詠んだ歌。

ここしばらく、ほかの女性に会うのに忙しくて、妻(藤原道綱母)の家を訪れることもしていなかった、兼家。しばらくぶりに会った妻が口もきいてくれないので、その気持ちを汲みとり、色づいた紅葉を彼女にたとえてこんな歌を詠み、ご機嫌を取ろうとしているのでした。なお、この兼家は、藤原道長の父にあたります。

『三省堂 全訳読解古語辞典』で「蜻蛉日記」を引くと、文学史や作品の背景、冒頭文などの情報が載っています。

蜻蛉日記
[書名]平安時代中期の日記文学。三巻。藤原道綱母(みちつなのはは)作。天延二(九七四)年以降の成立。藤原兼家(かねいえ)が十九歳の作者に求婚する記事から始まり、二人の結婚生活を中心として、二十一年間にわたる作者の半生を回想的に記したもの。一夫多妻の社会にあって、権門貴族の妾の立場にある不安や苦悶、またわが子道綱に対する愛情など、作者の内面が余すところなく記されており、自省性の強い作品で、『源氏物語』をはじめ、後続の平安女流文学に大きな影響を与えた。書名は上巻末の記述に基づく。
[冒頭文]かくありし時過ぎて、世の中にいとものはかなく、とにもかくにもつかで、世に経(ふ)る人ありけり。

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2014年 11月 11日