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古語辞典でみる和歌 第23回 「見渡せば…」

2016年 4月 5日 火曜日 筆者: 古語辞典編集部

古語辞典でみる和歌 第23回

見渡せば柳桜をこきまぜて都ぞ春の錦(にしき)なりける

出典

古今・春上・五六・素性法師(そせいほふし)

はるかに見渡すと、緑の柳と薄紅の桜をまじり合わせて、ほかならぬこの都こそが、春の錦(の織物)だったのだ。

「都ぞ春の」の「ぞ」は、強調の係助詞。「都が」の意を強めている。「錦なりける」の「ける」は、気づきの助動詞の連体形。はじめて気づいたという驚きを表す。

参考

『古今和歌集』の詞書(ことばがき)によれば、都に近い山に行き、都の春景色を一望して詠んだ歌である。和歌の世界において「錦」といえば、秋山の紅葉をさすのがふつうである。作者は、その「秋の錦」に対して、「春の錦」があるとしたら、それは何なのだろうと考えていた。そして、都の春景色を一望して、自分の住むこの都こそが、さがし求めていた「春の錦」だったのだ、と気づき驚いているのである。

(『三省堂 全訳読解古語辞典〔第四版〕』「みわたせばやなぎさくらを…」)

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2016年 4月 5日