人名用漢字の新字旧字:「㐂」と「喜」

2018年 1月 11日 木曜日 筆者: 安岡 孝一

第149回 「㐂」と「喜」

149yorokobu-new.png旧字の「喜」は常用漢字なので、子供の名づけに使えます。新字の「㐂」は、常用漢字でも人名用漢字でもないので、子供の名づけに使えません。「喜」は出生届に書いてOKですが、「㐂」はダメ。どうしてこんなことになったのでしょう。

昭和17年6月17日、国語審議会は標準漢字表を、文部大臣に答申しました。標準漢字表は、各官庁および一般社会で使用する漢字の標準を示したもので、口部に旧字の「喜」が収録されていました。その一方、新字の「㐂」は標準漢字表には含まれていませんでした。昭和17年12月4日、文部省は標準漢字表を発表しましたが、そこでも旧字の「喜」だけが含まれていて、新字の「㐂」は含まれていませんでした。

昭和21年4月27日、国語審議会に提出された常用漢字表1295字には、口部に旧字の「喜」が含まれていて、新字の「㐂」は含まれていませんでした。国語審議会が11月5日に答申した当用漢字表でも、旧字の「喜」だけが含まれていました。翌週11月16日に当用漢字表は内閣告示され、旧字の「喜」は当用漢字になりました。昭和23年1月1日に戸籍法が改正され、子供の名づけに使える漢字が、この時点での当用漢字表1850字に制限されました。当用漢字表には旧字の「喜」が収録されていたので、「喜」は子供の名づけに使ってよい漢字になりました。新字の「㐂」は、子供の名づけに使えなくなってしまいました。

昭和56年3月23日、国語審議会が答申した常用漢字表1945字には、旧字の「喜」が収録されていました。昭和56年10月1日に常用漢字表は内閣告示され、旧字の「喜」は常用漢字になりました。その一方で新字の「㐂」は、常用漢字にも人名用漢字にもなれなかったのです。

平成16年3月26日に法制審議会のもとで発足した人名用漢字部会は、常用漢字や人名用漢字の異体字であっても、「常用平易」な漢字であれば人名用漢字として追加する、という方針を打ち出しました。この方針にしたがって人名用漢字部会は、当時最新の漢字コード規格JIS X 0213(平成16年2月20日改正版)、平成12年3月に文化庁が書籍385誌に対しておこなった漢字出現頻度数調査、全国の出生届窓口で平成2年以降に不受理とされた漢字、の3つをもとに審議をおこないました。新字の「㐂」は、全国50法務局のうち1つの管区で出生届を拒否されていて、JIS第3水準漢字で、漢字出現頻度数調査の結果が0回でした。この結果、新字の「㐂」は「常用平易」とはみなされず、人名用漢字に追加されませんでした。

平成23年12月26日、法務省は入国管理局正字13287字を告示しました。入国管理局正字は、日本に住む外国人が住民票や在留カード等の氏名に使える漢字で、JIS第1~4水準漢字を全て含んでいました。この結果、日本で生まれた外国人の子供の出生届には、旧字の「喜」に加えて、新字の「㐂」も書けるようになりました。でも、日本人の子供の出生届には、旧字の「喜」はOKですが、新字の「㐂」はダメなのです。

【筆者プロフィール】

安岡孝一(やすおか・こういち)

京都大学人文科学研究所附属東アジア人文情報学研究センター教授。京都大学博士(工学)。文字コード研究のかたわら、電信技術や文字処理技術の歴史に興味を持ち、世界各地の図書館や博物館を渡り歩いて調査を続けている。著書に『新しい常用漢字と人名用漢字』(三省堂)『キーボード配列QWERTYの謎』(NTT出版)『文字符号の歴史―欧米と日本編―』(共立出版)などがある。

http://srad.jp/~yasuoka/journalで、断続的に「日記」を更新中。


人名用漢字の新字旧字:「験」と「驗」

2017年 12月 28日 木曜日 筆者: 安岡 孝一

第148回 「験」と「驗」

大日本帝国陸軍が昭和15年2月29日に通牒した兵器名称用制限漢字表は、兵器の名に使える漢字を1235字に制限したものでした。陸軍では、おおむね尋常小学校4年生までに習う漢字959字を一級漢字とし、これに兵器用の二級漢字276字を加えて、合計1235字を兵器の名に使える漢字として定めたのです。この二級漢字の中に、旧字の「驗」が含まれていました。

昭和17年6月17日、国語審議会は標準漢字表を、文部大臣に答申しました。標準漢字表は、各官庁および一般社会で使用する漢字の標準を示したもので、部首画数順に2528字が収録されており、馬部に旧字の「驗」が含まれていました。

昭和21年4月27日、国語審議会に提出された常用漢字表1295字でも、馬部に旧字の「驗」が含まれていて、新字の「験」は含まれていませんでした。国語審議会が11月5日に答申した当用漢字表でも、旧字の「驗」だけが含まれていました。翌週11月16日に当用漢字表は内閣告示され、旧字の「驗」は当用漢字になりました。ただし、当用漢字表のまえがきには「字体と音訓の整理については、調査中である」と書かれていました。当用漢字表の字体は、まだ変更される可能性があったのです。

字体の整理をおこなうべく、文部省教科書局国語課は昭和22年7月15日、活字字体整理に関する協議会を発足させました。活字字体整理に関する協議会は、昭和22年10月10日に活字字体整理案を国語審議会に報告しました。この活字字体整理案では、「驗」を「験」へと整理することが提案されていました。報告を受けた国語審議会では、昭和22年12月から昭和23年5月にかけて、字体整理に関する主査委員会を組織しました。この間、昭和23年1月1日に戸籍法が改正され、子供の名づけに使える漢字が、この時点での当用漢字表1850字に制限されました。当用漢字表には、旧字の「驗」が収録されていたので、「驗」は子供の名づけに使ってよい漢字になりました。新字の「験」は、子供の名づけに使えなくなりました。

昭和24年4月28日に内閣告示された当用漢字字体表では、新字の「験」が収録されていました。活字字体整理案に従った結果、新字の「験」が当用漢字となり、旧字の「驗」は当用漢字ではなくなってしまったのです。当用漢字表にある旧字の「驗」と、当用漢字字体表にある新字の「験」と、どちらが子供の名づけに使えるのかが問題になりましたが、この問題に対し法務府民事局は、旧字の「驗」も新字の「験」もどちらも子供の名づけに使ってよい、と回答しました(昭和24年6月29日)。つまり、昭和24年の時点で、旧字の「驗」も新字の「験」も、どちらも出生届に書いてOKとなったのです。

昭和56年3月23日、国語審議会が答申した常用漢字表では、「験(驗)」となっていました。これに対し、民事行政審議会は、常用漢字表のカッコ書きの旧字を子供の名づけに認めるかどうか、審議を続けていました。昭和56年4月22日の総会で、民事行政審議会は妥協案を選択します。常用漢字表のカッコ書きの旧字355組357字のうち、当用漢字表に収録されていた旧字195字だけを子供の名づけに認める、という妥協案です。昭和56年10月1日に常用漢字表は内閣告示され、「験」は常用漢字になりました。同時に「驗」は人名用漢字になりました。それが現在も続いていて、旧字の「驗」も新字の「験」も、どちらも子供の名づけに使えるのです。

【筆者プロフィール】

安岡孝一(やすおか・こういち)

京都大学人文科学研究所附属東アジア人文情報学研究センター教授。京都大学博士(工学)。文字コード研究のかたわら、電信技術や文字処理技術の歴史に興味を持ち、世界各地の図書館や博物館を渡り歩いて調査を続けている。著書に『新しい常用漢字と人名用漢字』(三省堂)『キーボード配列QWERTYの謎』(NTT出版)『文字符号の歴史―欧米と日本編―』(共立出版)などがある。

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人名用漢字の新字旧字:「声」と「聲」

2017年 12月 14日 木曜日 筆者: 安岡 孝一

第147回 「声」と「聲」

新字の「声」は常用漢字なので、子供の名づけに使えます。旧字の「聲」は、常用漢字でも人名用漢字でもないので、子供の名づけに使えません。どうしてこんなことになってしまったのでしょう。

昭和17年6月17日、国語審議会は標準漢字表を、文部大臣に答申しました。標準漢字表は、各官庁および一般社会で使用する漢字の標準を示したもので、部首画数順に2528字が収録されていました。標準漢字表の耳部には「聲」が含まれていて、その直後に、カッコ書きで「声」が添えられていました。「聲(声)」となっていたわけです。簡易字体の「声」は、「聲」の代わりに使っても差し支えない字、ということになっていました。

昭和21年11月5日、国語審議会が答申した当用漢字表では、耳部に「声」が含まれていて、その直後に、カッコ書きで「聲」が添えられていました。「声(聲)」となっていたのです。翌週11月16日に当用漢字表は内閣告示され、新字の「声」は当用漢字になりました。昭和23年1月1日に戸籍法が改正され、子供の名づけに使える漢字が、この時点での当用漢字表1850字に制限されました。当用漢字表には、新字の「声」が収録されていたので、「声」は子供の名づけに使ってよい漢字になりました。旧字の「聲」は、子供の名づけに使えなくなりました。

昭和56年3月23日、国語審議会が答申した常用漢字表では、やはり「声(聲)」となっていました。これに対し、民事行政審議会は、常用漢字表のカッコ書きの旧字を子供の名づけに認めるかどうか、審議を続けていました。昭和56年4月22日の総会で、民事行政審議会は妥協案を選択します。常用漢字表のカッコ書きの旧字355組357字のうち、当用漢字表に収録されていた旧字195字だけを子供の名づけに認める、という妥協案です。昭和56年10月1日に常用漢字表は内閣告示され、新字の「声」は常用漢字になりました。しかし、旧字の「聲」は人名用漢字になれませんでした。旧字の「聲」は、常用漢字表のカッコ書きに入ってるけど当用漢字表に収録されてなかったからダメ、となったのです。

平成16年3月26日に法制審議会のもとで発足した人名用漢字部会は、常用漢字や人名用漢字の異体字であっても、「常用平易」な漢字であれば人名用漢字として追加する、という方針を打ち出しました。この方針にしたがって人名用漢字部会は、当時最新の漢字コード規格JIS X 0213(平成16年2月20日改正版)、平成12年3月に文化庁が書籍385誌に対しておこなった漢字出現頻度数調査、全国の出生届窓口で平成2年以降に不受理とされた漢字、の3つをもとに審議をおこないました。旧字の「聲」は、全国50法務局のうち1つの管区で出生届を拒否されていて、JIS第2水準漢字で、漢字出現頻度数調査の結果が63回でした。この結果、旧字の「聲」は「常用平易」とはみなされず、人名用漢字に追加されませんでした。

平成23年12月26日、法務省は入国管理局正字13287字を告示しました。入国管理局正字は、日本に住む外国人が住民票や在留カード等の氏名に使える漢字で、新字の「声」と旧字の「聲」を含んでいました。この結果、日本で生まれた外国人の子供の出生届には、新字の「声」に加え、旧字の「聲」も書けるようになりました。これに対し、日本人の子供の出生届には、新字の「声」はOKですが、旧字の「聲」はダメなのです。

【筆者プロフィール】

安岡孝一(やすおか・こういち)

京都大学人文科学研究所附属東アジア人文情報学研究センター教授。京都大学博士(工学)。文字コード研究のかたわら、電信技術や文字処理技術の歴史に興味を持ち、世界各地の図書館や博物館を渡り歩いて調査を続けている。著書に『新しい常用漢字と人名用漢字』(三省堂)『キーボード配列QWERTYの謎』(NTT出版)『文字符号の歴史―欧米と日本編―』(共立出版)などがある。

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人名用漢字の新字旧字:「予」と「豫」

2017年 11月 30日 木曜日 筆者: 安岡 孝一

第146回 「予」と「豫」

新字の「予」は常用漢字なので、子供の名づけに使えます。旧字の「豫」は、常用漢字でも人名用漢字でもないので、子供の名づけに使えません。「予」と「豫」は、元々は意味の異なる別字で、「予」が一人称、「豫」が「あらかじめ」だったのですが、なぜか今は新字旧字の関係になっています。

昭和17年6月17日、国語審議会は標準漢字表を、文部大臣に答申しました。標準漢字表は、各官庁および一般社会で使用する漢字の標準を示したもので、部首画数順に2528字が収録されており、豕部に旧字の「豫」が含まれていました。

昭和21年4月27日、国語審議会に提出された常用漢字表1295字でも、豕部に旧字の「豫」が含まれていて、新字の「予」は含まれていませんでした。この常用漢字表に対し、国語審議会は5月8日の総会で、さらなる検討を要する、と判断しました。それにともない、6月4日、常用漢字に関する主査委員会が発足しました。常用漢字に関する主査委員会は、8月27日の委員会で、常用漢字表の簡易字体について議論をおこないました。文部省教科書局国語課は、「豫」に対する簡易字体として「予」を提案しており、この日の委員会で、新字の「予」の採用が決定されました。国語審議会が11月5日に答申した当用漢字表では、豕部に「予」が含まれていて、その直後にカッコ書きで「豫」が添えられていました。「予(豫)」となっていたのです。翌週11月16日に当用漢字表は内閣告示され、新字の「予」は当用漢字になりました。

昭和23年1月1日に戸籍法が改正され、子供の名づけに使える漢字が、この時点での当用漢字表1850字に制限されました。当用漢字表には、新字の「予」が収録されていたので、「予」は子供の名づけに使ってよい漢字になりました。しかし、旧字の「豫」は、あくまで参考として当用漢字表に添えられたものなので、子供の名づけに使ってはいけない、ということになりました。

昭和56年3月23日、国語審議会が答申した常用漢字表では、やはり「予(豫)」となっていました。これに対し、民事行政審議会は、常用漢字表のカッコ書きの旧字を子供の名づけに認めるかどうか、審議を続けていました。昭和56年4月22日の総会で、民事行政審議会は妥協案を選択します。常用漢字表のカッコ書きの旧字355組357字のうち、当用漢字表に収録されていた旧字195字だけを子供の名づけに認める、という妥協案です。昭和56年10月1日に常用漢字表は内閣告示され、新字の「予」は常用漢字になりました。しかし、旧字の「豫」は人名用漢字になれませんでした。旧字の「豫」は、常用漢字表のカッコ書きに入ってるけど当用漢字表に収録されてなかったからダメ、となったのです。

平成23年12月26日、法務省は入国管理局正字13287字を告示しました。入国管理局正字は、日本に住む外国人が住民票や在留カード等の氏名に使える漢字で、「予」も「豫」も含まれていました。この結果、日本で生まれた外国人の子供の出生届には、新字の「予」に加え、旧字の「豫」が書けるようになりました。でも、日本人の子供の出生届には、新字の「予」はOKですが、旧字の「豫」はダメなのです。

【筆者プロフィール】

安岡孝一(やすおか・こういち)

京都大学人文科学研究所附属東アジア人文情報学研究センター教授。京都大学博士(工学)。文字コード研究のかたわら、電信技術や文字処理技術の歴史に興味を持ち、世界各地の図書館や博物館を渡り歩いて調査を続けている。著書に『新しい常用漢字と人名用漢字』(三省堂)『キーボード配列QWERTYの謎』(NTT出版)『文字符号の歴史―欧米と日本編―』(共立出版)などがある。

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人名用漢字の新字旧字:「温」と「溫」

2017年 11月 16日 木曜日 筆者: 安岡 孝一

第145回 「温」と「溫」

新字の「温」は常用漢字なので、子供の名づけに使えます。旧字の「溫」は人名用漢字なので、子供の名づけに使えます。つまり、新字の「温」も旧字の「溫」も、出生届に書いてOK。どうして、こんなことになったのでしょう。

昭和17年6月17日、国語審議会は標準漢字表を、文部大臣に答申しました。標準漢字表は、各官庁および一般社会で使用する漢字の標準を示したもので、部首画数順に2528字が収録されており、水部に新字の「温」が含まれていました。ところが昭和21年4月27日、国語審議会に提出された常用漢字表1295字には、水部に旧字の「溫」が含まれていて、新字の「温」は含まれていませんでした。国語審議会が11月5日に答申した当用漢字表でも、旧字の「溫」だけが含まれていました。翌週11月16日に当用漢字表は内閣告示され、旧字の「溫」は当用漢字になりました。ただし、当用漢字表のまえがきには「字体と音訓の整理については、調査中である」と書かれていました。当用漢字表の字体は、まだ変更される可能性があったのです。

字体の整理をおこなうべく、文部省教科書局国語課は昭和22年7月15日、活字字体整理に関する協議会を発足させました。活字字体整理に関する協議会は、昭和22年10月10日に活字字体整理案を国語審議会に報告しました。この活字字体整理案では、「溫」を「温」へと整理することが提案されていました。報告を受けた国語審議会では、昭和22年12月から昭和23年5月にかけて、字体整理に関する主査委員会を組織しました。この間、昭和23年1月1日に戸籍法が改正され、子供の名づけに使える漢字が、この時点での当用漢字表1850字に制限されました。当用漢字表には、旧字の「溫」が収録されていたので、「溫」は子供の名づけに使ってよい漢字になりました。新字の「温」は、子供の名づけに使えなくなりました。

昭和24年4月28日に内閣告示された当用漢字字体表では、新字の「温」が収録されていました。活字字体整理案に従った結果、新字の「温」が当用漢字となり、旧字の「溫」は当用漢字ではなくなってしまったのです。当用漢字表にある旧字の「溫」と、当用漢字字体表にある新字の「温」と、どちらが子供の名づけに使えるのかが問題になりましたが、この問題に対し法務府民事局は、旧字の「溫」も新字の「温」もどちらも子供の名づけに使ってよい、と回答しました(昭和24年6月29日)。つまり、昭和24年の時点で、旧字の「溫」も新字の「温」も、どちらも出生届に書いてOKとなったのです。

昭和56年3月23日、国語審議会が答申した常用漢字表では、「温(溫)」となっていました。これに対し、民事行政審議会は、常用漢字表のカッコ書きの旧字を子供の名づけに認めるかどうか、審議を続けていました。昭和56年4月22日の総会で、民事行政審議会は妥協案を選択します。常用漢字表のカッコ書きの旧字355組357字のうち、当用漢字表に収録されていた旧字195字だけを子供の名づけに認める、という妥協案です。昭和56年10月1日に常用漢字表は内閣告示され、「温」は常用漢字になりました。同時に「溫」は人名用漢字になりました。それが現在も続いていて、旧字の「溫」も新字の「温」も、どちらも子供の名づけに使えるのです。

【筆者プロフィール】

安岡孝一(やすおか・こういち)

京都大学人文科学研究所附属東アジア人文情報学研究センター教授。京都大学博士(工学)。文字コード研究のかたわら、電信技術や文字処理技術の歴史に興味を持ち、世界各地の図書館や博物館を渡り歩いて調査を続けている。著書に『新しい常用漢字と人名用漢字』(三省堂)『キーボード配列QWERTYの謎』(NTT出版)『文字符号の歴史―欧米と日本編―』(共立出版)などがある。

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人名用漢字の新字旧字:「褐」と「褐」

2017年 11月 2日 木曜日 筆者: 安岡 孝一

第144回 「褐」と「褐」

新字の「褐」は常用漢字なので、子供の名づけに使えます。旧字の「褐」は、常用漢字でも人名用漢字でもないので、子供の名づけに使えません。「褐」は出生届に書いてOKですが、「褐」はダメ。どうして、こんなことになったのでしょう。

昭和17年6月17日、国語審議会は標準漢字表を、文部大臣に答申しました。標準漢字表は、各官庁および一般社会で使用する漢字の標準を示したもので、部首画数順に2528字が収録されていました。標準漢字表の衣部には、旧字の「褐」が収録されていましたが、新字の「褐」は収録されていませんでした。昭和17年12月4日、文部省は標準漢字表を発表しましたが、そこでも旧字の「褐」だけが含まれていて、新字の「褐」は含まれていませんでした。

昭和21年11月5日、国語審議会は当用漢字表1850字を、文部大臣に答申しました。この当用漢字表で、国語審議会は、旧字の「褐」を削除してしまいました。当用漢字表は、翌週11月16日に内閣告示されましたが、やはり「褐」も「褐」も収録されていませんでした。昭和23年1月1日、戸籍法が改正され、子供の名づけは当用漢字1850字に制限されました。この時点で、新字の「褐」も旧字の「褐」も、子供の名づけに使えなくなってしまったのです。

昭和52年1月21日、国語審議会は新漢字表試案を発表しました。新漢字表試案は、当用漢字に83字を追加し33字を削除する案で、1900字を収録していました。この追加案83字の中に、新字の「褐」が含まれており、さらに「褐」の康熙字典体として、旧字の「褐」がカッコ書きで添えられていました。つまり、「褐(褐)」となっていたわけです。昭和56年3月23日、国語審議会は常用漢字表1945字を答申しました。この常用漢字表にも、「褐(褐)」が含まれていました。

これに対し、民事行政審議会は、常用漢字表のカッコ書きの旧字を子供の名づけに認めるかどうか、審議を続けていました。昭和56年4月22日の総会で、民事行政審議会は妥協案を選択します。常用漢字表のカッコ書きの旧字355組357字のうち、当用漢字表に収録されていた旧字195字だけを子供の名づけに認める、という妥協案です。昭和56年10月1日に常用漢字表は内閣告示され、新字の「褐」は常用漢字になりました。この時点で、新字の「褐」は、子供の名づけに使えるようになりました。しかし、旧字の「褐」は人名用漢字になれませんでした。旧字の「褐」は、常用漢字表のカッコ書きに入ってるけど当用漢字表に収録されてなかったからダメ、となったのです。

30年後の平成23年12月26日、法務省は入国管理局正字を告示しました。入国管理局正字は、日本に住む外国人が住民票や在留カード等の氏名に使える漢字で、13287字を収録していました。この13287字の中に、新字の「褐」と旧字の「褐」が、両方とも含まれていました。この結果、日本で生まれた外国人の子供の出生届には、新字の「褐」に加えて、旧字の「褐」も書けるようになりました。でも、日本人の子供の出生届には、新字の「褐」はOKですが、旧字の「褐」はダメなのです。

【筆者プロフィール】

安岡孝一(やすおか・こういち)

京都大学人文科学研究所附属東アジア人文情報学研究センター教授。京都大学博士(工学)。文字コード研究のかたわら、電信技術や文字処理技術の歴史に興味を持ち、世界各地の図書館や博物館を渡り歩いて調査を続けている。著書に『新しい常用漢字と人名用漢字』(三省堂)『キーボード配列QWERTYの謎』(NTT出版)『文字符号の歴史―欧米と日本編―』(共立出版)などがある。

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人名用漢字の新字旧字:「亰」と「京」

2017年 10月 19日 木曜日 筆者: 安岡 孝一

第143回 「亰」と「京」

旧字の「京」は常用漢字なので、子供の名づけに使えます。新字の「亰」は、人名用漢字でも常用漢字でもないので、子供の名づけに使えません。「京」は出生届に書いてOKですが、「亰」はダメ。なお、「亰」と「京」の新旧には議論があるのですが、ここでは「亰」を新字、「京」を旧字としておきましょう。

昭和17年6月17日、国語審議会は標準漢字表を、文部大臣に答申しました。標準漢字表は、各官庁および一般社会で使用する漢字の標準を示したもので、亠部に旧字の「京」が収録されていました。その一方、新字の「亰」は標準漢字表には含まれていませんでした。昭和17年12月4日、文部省は標準漢字表を発表しましたが、そこでも旧字の「京」だけが含まれていて、新字の「亰」は含まれていませんでした。

昭和21年4月27日、国語審議会に提出された常用漢字表1295字には、亠部に旧字の「京」が含まれていて、新字の「亰」は含まれていませんでした。国語審議会が11月5日に答申した当用漢字表でも、旧字の「京」だけが含まれていました。翌週11月16日に当用漢字表は内閣告示され、旧字の「京」は当用漢字になりました。昭和23年1月1日に戸籍法が改正され、子供の名づけに使える漢字が、この時点での当用漢字表1850字に制限されました。当用漢字表には旧字の「京」が収録されていたので、「京」は子供の名づけに使ってよい漢字になりました。新字の「亰」は、子供の名づけに使えなくなってしまいました。

昭和56年3月23日、国語審議会が答申した常用漢字表1945字には、旧字の「京」が収録されていましたが、新字の「亰」は含まれていませんでした。昭和56年10月1日に常用漢字表は内閣告示され、旧字の「京」は常用漢字になりました。その一方で新字の「亰」は、常用漢字にも人名用漢字にもなれなかったのです。

平成16年3月26日に法制審議会のもとで発足した人名用漢字部会は、「常用平易」な漢字であればどんな漢字でも人名用漢字として追加する、という方針を打ち出しました。この方針にしたがって人名用漢字部会は、当時最新の漢字コード規格JIS X 0213(平成16年2月20日改正版)、文化庁が表外漢字字体表のためにおこなった漢字出現頻度数調査(平成12年3月)、全国の出生届窓口で平成2年以降に不受理とされた漢字、の3つをもとに審議をおこないました。新字の「亰」は、全国50法務局のうち1つの管区で出生届を拒否されていて、JIS X 0213の第2水準漢字で、出現頻度数調査の結果が0回でした。この結果、新字の「亰」は「常用平易」とはみなされず、人名用漢字に追加されませんでした。

その一方で法務省は、平成23年12月26日、入国管理局正字13287字を告示しました。入国管理局正字は、日本に住む外国人が住民票や在留カード等の氏名に使える漢字で、JIS第1~4水準漢字を全て含んでいました。この結果、日本で生まれた外国人の子供の出生届には、旧字の「京」に加えて、新字の「亰」も書けるようになりました。でも、日本人の子供の出生届には、旧字の「京」はOKですが、新字の「亰」はダメなのです。

【筆者プロフィール】

安岡孝一(やすおか・こういち)

京都大学人文科学研究所附属東アジア人文情報学研究センター教授。京都大学博士(工学)。文字コード研究のかたわら、電信技術や文字処理技術の歴史に興味を持ち、世界各地の図書館や博物館を渡り歩いて調査を続けている。著書に『新しい常用漢字と人名用漢字』(三省堂)『キーボード配列QWERTYの謎』(NTT出版)『文字符号の歴史―欧米と日本編―』(共立出版)などがある。

http://srad.jp/~yasuoka/journalで、断続的に「日記」を更新中。


人名用漢字の新字旧字:「和」と「咊」

2017年 10月 5日 木曜日 筆者: 安岡 孝一

第142回 「和」と「咊」

142harmony-old.png新字の「和」は常用漢字なので、子供の名づけに使えます。旧字の「咊」は、常用漢字でも人名用漢字でもないので、子供の名づけに使えません。「和」は出生届に書いてOKですが、「咊」はダメ。どうしてこんなことになったのでしょう。

昭和17年6月17日、国語審議会は標準漢字表を、文部大臣に答申しました。標準漢字表は、各官庁および一般社会で使用する漢字の標準を示したもので、口部に新字の「和」が収録されていました。新字の「和」が収録されていたのは、禾部ではなく口部で、その一方、旧字の「咊」は標準漢字表には含まれていませんでした。昭和17年12月4日、文部省は標準漢字表を発表しましたが、そこでも新字の「和」だけが含まれていて、旧字の「咊」は含まれていませんでした。

昭和21年4月27日、国語審議会に提出された常用漢字表1295字には、口部に新字の「和」が含まれていて、旧字の「咊」は含まれていませんでした。国語審議会が11月5日に答申した当用漢字表でも、新字の「和」だけが含まれていました。翌週11月16日に当用漢字表は内閣告示され、新字の「和」は当用漢字になりました。昭和23年1月1日に戸籍法が改正され、子供の名づけに使える漢字が、この時点での当用漢字表1850字に制限されました。当用漢字表には新字の「和」が収録されていたので、「和」は子供の名づけに使ってよい漢字になりました。旧字の「咊」は、子供の名づけに使えなくなってしまいました。

昭和56年3月23日、国語審議会が答申した常用漢字表1945字には、新字の「和」が収録されていましたが、旧字の「咊」はカッコ書きにすら入っていませんでした。昭和56年10月1日に常用漢字表は内閣告示され、新字の「和」は常用漢字になりました。その一方で旧字の「咊」は、常用漢字にも人名用漢字にもなれなかったのです。

平成16年4月1日、法務省民事局は『戸籍手続オンラインシステム構築のための標準仕様書』を通達、合わせて戸籍統一文字を発表しました。戸籍統一文字は、電算化戸籍に用いることのできる文字で、当初の時点では、漢字は55255字が準備されていました。この55255字の中に、「和」と「咊」が含まれていたのです。つまり、コンピュータ化された戸籍の氏名には、「和」も「咊」も使えるよう、システム上は設計されているのです。けれども法務省は、出生届には新字の「和」しか許しませんでした。

平成23年12月26日、法務省は入国管理局正字13287字を告示しました。入国管理局正字は、日本に住む外国人が住民票や在留カード等の氏名に使える漢字で、新字の「和」と旧字の「咊」を含んでいました。この結果、日本で生まれた外国人の子供の出生届には、新字の「和」に加えて、旧字の「咊」も書けるようになりました。でも、日本人の子供の出生届には、新字の「和」はOKですが、旧字の「咊」はダメなのです。

【筆者プロフィール】

安岡孝一(やすおか・こういち)

京都大学人文科学研究所附属東アジア人文情報学研究センター教授。京都大学博士(工学)。文字コード研究のかたわら、電信技術や文字処理技術の歴史に興味を持ち、世界各地の図書館や博物館を渡り歩いて調査を続けている。著書に『新しい常用漢字と人名用漢字』(三省堂)『キーボード配列QWERTYの謎』(NTT出版)『文字符号の歴史―欧米と日本編―』(共立出版)などがある。

http://srad.jp/~yasuoka/journalで、断続的に「日記」を更新中。


人名用漢字の新字旧字:「毘」と「毗」

2017年 9月 21日 木曜日 筆者: 安岡 孝一

第141回 「毘」と「毗」

新字の「毘」は人名用漢字なので、子供の名づけに使えます。旧字の「毗」は、常用漢字でも人名用漢字でもないので、子供の名づけに使えません。「毘」は出生届に書いてOKですが、「毗」はダメ。どうしてこんなことになったのでしょう。

昭和17年6月17日、国語審議会は標準漢字表を、文部大臣に答申しました。標準漢字表は、各官庁および一般社会で使用する漢字の標準を示したものでしたが、新字の「毘」も旧字の「毗」も含まれていませんでした。国語審議会は、昭和21年11月5日に当用漢字表を答申しましたが、やはり「毘」も「毗」も収録されていませんでした。当用漢字表は、翌週11月16日に内閣告示されましたが、やはり「毘」も「毗」も収録されていませんでした。昭和23年1月1日、戸籍法が改正され、子供の名づけは当用漢字1850字に制限されました。この時点で、新字の「毘」も旧字の「毗」も、子供の名づけに使えなくなってしまったのです。

半世紀後の平成12年12月8日、国語審議会は表外漢字字体表を答申しました。表外漢字字体表は、常用漢字(および当時の人名用漢字)以外の漢字に対して、印刷に用いる字体のよりどころを示したもので、1022字の印刷標準字体が収録されていました。この中に、新字の「毘」が含まれていました。印刷物には、旧字の「毗」ではなく、新字の「毘」を用いるべきだ、と、国語審議会は文部大臣に答申したのです。

平成16年3月26日に法制審議会のもとで発足した人名用漢字部会は、当時最新の漢字コード規格JIS X 0213(平成16年2月20日改正版)、文化庁が表外漢字字体表のためにおこなった漢字出現頻度数調査(平成12年3月)、全国の出生届窓口で平成2年以降に不受理とされた漢字、の3つをもとに審議をおこないました。新字の「毘」は、全国50法務局のうち1つの管区で出生届を拒否されていて、JIS第1水準漢字で、出現頻度数調査の結果が1302回だったので、人名用漢字の追加候補になりました。旧字の「毗」は、全国50法務局のうち出生届を拒否された管区は無く、JIS第3水準漢字で、出現頻度数調査の結果が26回でした。平成16年6月11日、人名用漢字部会は、新字の「毘」を含む578字の追加案を公開しました。旧字の「毗」は、人名用漢字の追加候補になりませんでした。

その一方で、翌週6月18日に名古屋家庭裁判所が、新字の「毘」を子供の名づけに認める審判を下しました[平成16年(家)第1118号]。出生届を拒否された親の訴えに対し、名古屋家庭裁判所は、新字の「毘」を「常用平易」だと認めたのです。この審判を受けて、平成16年7月12日、法務省は戸籍法施行規則を改正し、「毘」「瀧」「駕」の3字を人名用漢字に追加しました。法制審議会の答申が出ていないにもかかわらず、新字の「毘」を人名用漢字に追加したのです。

平成23年12月26日、法務省は入国管理局正字13287字を告示しました。入国管理局正字は、日本に住む外国人が住民票や在留カード等の氏名に使える漢字で、JIS第1~4水準漢字を全て含んでいました。この結果、日本で生まれた外国人の子供の出生届には、新字の「毘」に加えて、旧字の「毗」も書けるようになりました。でも、日本人の子供の出生届には、新字の「毘」はOKですが、旧字の「毗」はダメなのです。

【筆者プロフィール】

安岡孝一(やすおか・こういち)

京都大学人文科学研究所附属東アジア人文情報学研究センター教授。京都大学博士(工学)。文字コード研究のかたわら、電信技術や文字処理技術の歴史に興味を持ち、世界各地の図書館や博物館を渡り歩いて調査を続けている。著書に『新しい常用漢字と人名用漢字』(三省堂)『キーボード配列QWERTYの謎』(NTT出版)『文字符号の歴史―欧米と日本編―』(共立出版)などがある。

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人名用漢字の新字旧字:「挟」と「挾」

2017年 9月 7日 木曜日 筆者: 安岡 孝一

第140回 「挟」と「挾」

新字の「挟」は常用漢字なので、子供の名づけに使えます。旧字の「挾」は、常用漢字でも人名用漢字でもないので、子供の名づけに使えません。「挟」は出生届に書いてOKですが、「挾」はダメ。「侠」と「俠」とは逆ですね。どうして、こんなことになったのでしょう。

昭和17年6月17日、国語審議会は標準漢字表を、文部大臣に答申しました。標準漢字表は、各官庁および一般社会で使用する漢字の標準を示したものでしたが、新字の「挟」も旧字の「挾」も含まれていませんでした。国語審議会は、昭和21年11月5日に当用漢字表を答申しましたが、やはり「挟」も「挾」も収録されていませんでした。当用漢字表は、翌週11月16日に内閣告示されましたが、やはり「挟」も「挾」も収録されていませんでした。昭和23年1月1日、戸籍法が改正され、子供の名づけは当用漢字1850字に制限されました。この時点で、新字の「挟」も旧字の「挾」も、子供の名づけに使えなくなってしまったのです。

昭和52年1月21日、国語審議会は新漢字表試案を発表しました。新漢字表試案は、当用漢字に83字を追加し33字を削除する案で、1900字を収録していました。この追加案83字の中に、新字の「挟」が含まれており、さらに「挟」の康熙字典体として、旧字の「挾」がカッコ書きで添えられていました。つまり、「挟(挾)」となっていたわけです。昭和56年3月23日、国語審議会は常用漢字表1945字を答申しました。この常用漢字表にも、「挟(挾)」が含まれていました。

これに対し、民事行政審議会は、常用漢字表のカッコ書きの旧字を子供の名づけに認めるかどうか、審議を続けていました。昭和56年4月22日の総会で、民事行政審議会は妥協案を選択します。常用漢字表のカッコ書きの旧字355組357字のうち、当用漢字表に収録されていた旧字195字だけを子供の名づけに認める、という妥協案です。昭和56年10月1日に常用漢字表は内閣告示され、新字の「挟」は常用漢字になりました。この時点で、新字の「挟」は、子供の名づけに使えるようになりました。しかし、旧字の「挾」は人名用漢字になれませんでした。旧字の「挾」は、常用漢字表のカッコ書きに入ってるけど当用漢字表に収録されてなかったからダメ、となったのです。

30年後の平成23年12月26日、法務省は入国管理局正字を告示しました。入国管理局正字は、日本に住む外国人が住民票や在留カード等の氏名に使える漢字で、13287字を収録していました。この13287字の中に、新字の「挟」と旧字の「挾」が、両方とも含まれていました。この結果、日本で生まれた外国人の子供の出生届には、新字の「挟」に加えて、旧字の「挾」も書けるようになりました。でも、日本人の子供の出生届には、新字の「挟」はOKですが、旧字の「挾」はダメなのです。

【筆者プロフィール】

安岡孝一(やすおか・こういち)

京都大学人文科学研究所附属東アジア人文情報学研究センター教授。京都大学博士(工学)。文字コード研究のかたわら、電信技術や文字処理技術の歴史に興味を持ち、世界各地の図書館や博物館を渡り歩いて調査を続けている。著書に『新しい常用漢字と人名用漢字』(三省堂)『キーボード配列QWERTYの謎』(NTT出版)『文字符号の歴史―欧米と日本編―』(共立出版)などがある。

http://srad.jp/~yasuoka/journalで、断続的に「日記」を更新中。


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