大規模英文データ収集・管理術 第6回
2011年 8月 29日 月曜日 筆者: 富井 篤「トミイ方式」とは
今回から「トミイ方式」の持つ特性を3回にわたって詳しく述べていきます。
(1) 手作り辞書としての「トミイ方式」
この3回の主テーマは、一言でいうと、「トミイ方式」を通してさまざまな英文データを収集すると、自分の手元にある市販の辞書の足りないところを補うことができる、「自分の」、「自分による」、「自分のための」手作りの辞書を作ることができるということです。
ただし、ここで述べるのは、手作り辞書を作るための方法ではなく、その1つ手前の工程である、「何」を収集していくかという「対象」についてです。単語単位のデータがメインになります。いくつかの例を挙げながら具体的に述べていきます。実際の辞書の作り方については、後ほど詳しく説明します。
「手作り辞書」には、英和辞書と和英辞書があります。これら両者は表裏の関係にあり、1つの英単語について調べたら英和・和英の両方に使える情報が得られます。ここでの記述方法は以下のような形式とします。
a) まず「英単語」を示し、英語の例文を引用しながら辞書に載っていない「訳語」を解説する
b) 次にその「訳語」を手元の英和辞書の該当箇所に書き込む。これは「アクションEJ」として示す
c) a)で例に挙げた「英単語」を手元の和英辞書の該当箇所に書き込む。これは「アクションJE」として示す
本論に入る前に、辞書というものの構成について簡単に触れておきます。例えば、英和辞書の場合でいうならば、原単語(entry word)、発音記号、品詞、意味・訳語(definition)、例文などで構成されています。問題は「意味・訳語」です。「意味」とはその原単語が持つ、文字通り根本の「意味」であり、「訳語」とは、その「意味」の範囲内でそれぞれのシチュエーションごとに与えられる、これも文字通り「訳語」です。英文和訳した和文を見ると、直訳調で、自然な日本語になっていないことがよくあります。それは、辞書の「訳語」だけに頼って翻訳しているからであって、「意味」から逸脱しない範囲内でシチュエーションにあった「訳語」を当てはめればこのようなことは絶対に起きません。
ここでは、収集したデータを、どこに、どのように収納するかについては詳しくは触れませんが、大雑把に、次の3つの方法があります。
1) 辞書添記方法
2) カード使用方法
3) パソコン活用方法
ベストの方法ではありませんが、better than nothing という考え方に徹し、手軽に始められる方法として
1) 辞書添記方法
を推奨します。これは、辞書の中の上下・左右の空スペースに新しい訳語などを書き込んでいく方法で、すぐに行き詰まりを来たしてしまうものではありますが、元の書物や原稿に赤で傍線を引いておくだけよりははるかに良いので、暫定的な収集方法としてこのやり方を前提に説明を続けます。
それでは、across, figure [figure eight], include および porous の4つの英単語を例に挙げて説明していきます。
across(~を横切って、~の向こう側に、~の全体にわたってなど)+(前後、両端)
注:見出しは、entry word(辞書中の「意味・訳語」)+(新たな「訳語」)を表しています。
次の例文を見てください。
Pressure drop across the connector determines minimum size.
辞書の中の「訳語」を使って直訳した訳文は次のようになります。
コネクタを横切る圧力降下は最小寸法を決める
しかし、across を「~前後の」とし、さらに determines という言葉を若干意訳すると、訳文は次のようになります。
コネクタ前後の圧力降下によって最小寸法が決まってくる (新しい「訳語」は「~前後の」という形容詞形用法)
次の例文を見てみましょう。上で述べたように、across を「~前後で」として訳すと、訳文は次のようになります。
To obtain the flow measurement, the square root is extracted from the differential pressure monitored across the orifice.
オリフィス前後で測定した差圧から 「(新しい「訳語」は「~前後で」という副詞形用法)
すなわち、水やオイルや空気などのように「流体」の場合には「前後」という「訳語」が、辞書には出ていませんが、ぴったりすることが分かります。
次の例文も前置詞 across を使った例です。
However, a high field-discharge resistance results in a high induced voltage across the field winding.
これも、acrossの周辺だけを直訳すると
界磁巻線を横切る高い誘導電圧
となります。across を「~両端の」と訳すと
界磁巻線両端の高い誘導電圧 「(新しい「訳語」は「~両端の」という形容詞形用法)
となります。across を使った英文をもう1つ見てみましょう。
The collector current is 75 times this and the output voltage developed across RL is 3,300 x 75 x v/1,000.
負荷抵抗RLの両端に発生する出力電圧 「(新しい「訳語」は「~の両端に」という副詞形用法)
すなわち、電流や電圧などのように「電気」の場合には「~の両端の」とか「~の両端に」などいう言葉を使うのが自然であることが分かります。
アクションEJ:
手元の英和辞書の across の近くの空きスペースに鉛筆かボールペンで小さく「前後」と「両端」を添記する
アクションJE:
手元の和英辞書の「前後」や「両端」の近くの空きスペースに鉛筆かボールペンで小さく across を添記する
figure eight、figure-8-shaped(辞書になし)+(8の字、8の字型の)
技術文において、それほど頻出する言葉ではありませんが、この表現を知っておくと、8以外の言葉にも使えるので便利です。次のような使われ方をしています。
In early versions of the stellarator, the twist was accomplished by actually constructing the tube in the form of a figure eight.
It consists of a conventional core and support member, both of which are enclosed in a figure-8-shaped plastic sheath.
アクションEJ:
英和辞書の figure の近くの空きスペースに小さく「8の字」あるいは「8の字型の」を添記するアクションJE:
和英辞書の「はちのじ」の場所に figure eight や figure-8-shaped などを添記する
include(含む、包含する、勘定に入れる)+(―― には~がある)
これは非常に頻繁に出てくる言葉ですが、「ある」という「訳語」を載せている辞書はほとんどありません。以下のような例文でよく使われます。
These accessories include fuel and lube-oil pumps, tachometer, and an electric starter generator.
アクションEJ:
英和辞書の include の近くの空きスペースに小さく「ある」を添記するアクションJE:
和英辞書に「ある」の場所に include を添記する
porous(多孔質の、小穴の多い、窓の多い)+(穴だらけの)
これは、この連載の第2回で、別の切り口で取り上げたものです。英和辞書には「穴だらけ」という意味を載せているものもありますが、ほとんどは載せていません。載せている辞書でも、「穴だらけの守備」というような比喩的用法まで考えているかどうか、ことによると、「穴だらけの紙」とか「穴だらけの靴下」などのような用法かもしれません。したがって、porous defense という言葉で取っておくと、応用範囲が広くなります。
アクションEJ:
英和辞書の porous の近くに小さく「穴だらけの」と添記するアクションJE:
和英辞書に「穴」の場所に「穴だらけ」という項目を作り、そこに porous と添記する
ここで取り上げたのは4点だけですが、英文を和訳する時、英字新聞や英文雑誌を読んでいる時、さらには原書を調べている時などに、精力的に収集していくと、非常に凝縮度の高いデータがたくさん収集できるはずです。つねに旺盛な意欲をもって収集作業を続けていくことが肝心です。
【筆者プロフィール】
富井篤(とみい・あつし)
技術翻訳者、技術翻訳指導者。株式会社 国際テクリンガ研究所代表取締役。会社経営の傍ら、英語教育および書籍執筆に専念。1934年横須賀生まれ。
主な著書に『技術英語 前置詞活用辞典』、『技術英語 数量表現辞典』、『技術英語 構文辞典』(以上三省堂)、『技術翻訳のテクニック』、『続 技術翻訳のテクニック』(以上丸善)、『科学技術和英大辞典』、『科学技術英和大辞典』、『科学技術英和表現辞典』(以上オーム社)など。
大規模英文データ収集・管理術 第5回
2011年 8月 15日 月曜日 筆者: 富井 篤「トミイ方式」の素晴らしさ(3)
今回は、「連載を始めるにあたって」の中の最後のセクションとして、3) 発表・制作機能という切り口から見たエピソードを、「前置詞」を例にとってお話しすることにします。
読者の中には、筆者が三省堂から技術英語に関する『前置詞活用辞典』を出版していることはご存じの方がいらっしゃると思います。この本の前身は、1987年に別の出版社から出版した『前置詞の研究』という本です。自慢めいた話をするわけではありませんが、「トミイ方式」を効果的に実践すると、読者の皆さんにとっても、本の出版は、必ずしも夢のように遠いものではなく、その気になりさえすれば、誰にでも実現できるものだということを強調しておきます。
もともとこの本は、1979年1月から12月まで、12回にわたって「工業英語」という月刊誌に連載したものが、翌1980年8月に書籍となって出版されたものです。私が脱サラして技術翻訳の世界に入ったのが1974年8月ですから、雑誌に連載を始めたのは脱サラして4年少々経ってからということになります。連載の準備期間も若干あったので、脱サラ後4年足らずで、「前置詞」の連載を始めたことになります。しかも、連載を始める前には、12か月分の目次もできあがっていましたので、連載をスタートした時点では、12か月先の例文もすべて収集されていたことになり、連載内容すべての章建ても終わっていたわけです。
脱サラしてからは、ほとんど、英文和訳の翻訳をしながら、ひたすら英文データを集めまくりました。しかし、この間、前置詞だけを集めていたわけではありません。大分類、中分類、小分類、細分類、細々分類まで合わせると、末端単位の項目数は何千、何万になりますが、ほとんどすべての末端単位の英文データを、満遍なく集めていたわけです。その中で、「品詞別」という大分類の中の1つに過ぎない「前置詞」という中分類のうちの1つに過ぎない英文データが、わずか数年のうちに連載ができるほどの量で、集まっていたわけです。これは、今考えてみると、奇跡としか思えません。
このように書いてきますと、何か自慢話をしているように聞こえるかもしれません。しかし、私が今ここで力説したいのは、自分の自慢ではなく、わずかこのような短期間の間でも、やる気になってやれば、1冊の本を書くだけの十分なデータが集められるということです。
読者の中には、「そんなこといったって、現代では、すでにあらゆる本が出回っているから、いくら十分な量のデータを集めたとしてしても、今さら自分の出番はない」と思っている方がいるかもしれません。しかし、本なんてものは、切り口を変えれば、同じテーマの本でも何冊でも書くことができます。仮に新しく本を書くことができなくても、ご自分の専門分野のデータを大量に収集していけば、ご自分の自前のデータ集を作ることができ、本にして発表する以上の素晴らしい結果を創り出すことができます。
この「トミイ方式」というのは、ただ継続あるのみです。継続さえしていけば、昨日よりは今日、今日よりは明日、という具合にどんどんデータは増えていきます。
そうはいっても、時には継続できないこともあります。しかし、決して焦ったり、諦めたりすることはありません。それは、スポーツでいう「累積記録」というものと同じで、決して減っていくものではないからです。野球でいうならば、打者の場合にはホームラン、ヒット、打点、盗塁、塁打など、また投手の場合には勝利数、奪三振数、セーブ数などのように、たとえある期間、試合に出られなくなったり、2軍に落とされたりしても、決してそれまでに残した数は減らないのと同じように、「トミイ方式」というのは、ある期間データ収集活動を休んだとしても、それまでに収集したデータの数は絶対に減っていきません。そのため、仕事などの関係で、一時、データ収集活動を中止してもあせることなく、再開できるときに再開すれば、またいつでもデータ収集を継続することができます。
ここで、「前置詞」に関連して、「トミイ方式」はどのようなことをもたらしてくれたかについてお伝えします。
「前置詞」とは、単に日本語の「てにをは」に相当するものではなく、それ以上に大事な品詞であることはご存じだと思います。しかし一方では、「前置詞」というのは、もともと、名詞、動詞、形容詞、副詞などのような content words とは異なり、冠詞、助動詞、接続詞などのような structure words ですので、あまり気にかけなくともよいようにも思われています。たしかに、「前置詞」をちょっと間違えたところで、情報の伝達に致命的な影響を及ぼすというものではありません。しかし、適切な「前置詞」を使うと、簡潔かつ適格な表現ができ、文章が引き締まり、かつ格調の高い、達意な文章が書けるようになります。
ここでは、「トミイ方式」を通して収集して初めて知った
(1) 動詞的に訳さなければいけない「前置詞」
(2) 手段・方法を表す意外な「前置詞」
(3) 前置詞以外の情報を持っている「前置詞」
などを、ごくごく簡単に披露します。
(1) 動詞的に訳さなければいけない「前置詞」
以下の英例文を見てください。
They harden chemically to a smooth, tile-like surface.
The uranium239 in turn decays to neptunium239 and then to plutonium239.
いずれも to を前置詞のまま「~へ」と訳したのでは日本語にはなりません。「~になる」というように動詞的に訳さなければなりません。これ以外に、このような意味に使われる前置詞には in や into があります。
(2) 手段・方法を表す意外な「前置詞」
Before re-assembling, wash all disassembled parts in clean machine oil.
Clean the filter in a warm soapy solution.
これらの in はいずれも、日本語では「~で」という手段とか方法を表しています。普通この場合にはそのような物質を使って「洗浄する」わけですから with でよさそうなのですが、(i)「~で」(すなわち、~を使って)という情報と、(ii)「~の中で」という2つの情報のうち(ii)の情報だけで表現しているわけです。この種の前置詞の使い方は、集めてみると、against, between, from, on, over, through, under, within などいろいろな語に見られます。
(3) 前置詞以外の情報を持っている「前置詞」
Check the cylinder for leakage.
これは、「漏れがないかどうかシリンダをチェックしてください」という日本文の英訳です。この場合 for は、単なる前置詞ではなく、「(漏れが)ないかどうか」という意味を持っています。この用法を知らないと
Check the cylinder to ascertain whether or not there is any leakage.
などと書いてしまいます。決して間違いではありませんが、いかにも冗長な英語になります。
以下に挙げたのは、for の持つもう一つの用例です。
It is essential for best results that ample space be provided in the housings.
For optimum performance, safety valves must be serviced regularly and maintained.
この場合の for は、いずれも単なる「~のため」ではなく、もっと踏み込んで「最高の結果を得るためには」とか「最適な性能を発揮させるためには」などと訳さないと日本語にはなりません。
ちょっと長くなりましたが、これで「連載を始めるにあたって」を終え、次回からは本論に入っていきます。
【筆者プロフィール】
富井篤(とみい・あつし)
技術翻訳者、技術翻訳指導者。株式会社 国際テクリンガ研究所代表取締役。会社経営の傍ら、英語教育および書籍執筆に専念。1934年横須賀生まれ。
主な著書に『技術英語 前置詞活用辞典』、『技術英語 数量表現辞典』、『技術英語 構文辞典』(以上三省堂)、『技術翻訳のテクニック』、『続 技術翻訳のテクニック』(以上丸善)、『科学技術和英大辞典』、『科学技術英和大辞典』、『科学技術英和表現辞典』(以上オーム社)など。
大規模英文データ収集・管理術 第4回
2011年 8月 1日 月曜日 筆者: 富井 篤「トミイ方式」の素晴らしさ(続々)
今回は、残った下記の2つの大分類について説明します。
(6) 数量表現別
(7) その他
(6) 数量表現別から
この大分類では、技術文において決して避けて通ることのできない、「数」と「量」に関するさまざまな英文データを収集します。「以上・以下、超え・未満」、「数詞と単位」、「数と量の概念」など、大事なことがたくさんありますが、ここではmore than one ―― について述べます。
なお、以下の説明で「数」とか「量」などとあるのは、英語において、それぞれ「数」または「量」の概念でとらえられる名詞のことを意味しています。「数」でとらえられるならば「可算名詞」、「量」でとらえられるならば「不可算名詞」ということになります。
○ more than one ――
技術文によく出てくる表現としてmore than one ―― があります。この表現を正しく理解するためには、more thanは「以上」ではなく「超え」であること、そして「以上」とは、例えば「5以上」といった場合「5を含んでそれより大きい」ことであり、「超え」とは、例えば「5を超え」といった場合「5を含まないでそれより大きい」ことであること、この2つのことをしっかりと理解しなければなりません。そしてもう1つ大事なことは、―― に「量」ではなく「数」でとらえられる名詞が来た場合、たとえば「車」とか「コンピュータ」などが来た場合には、more than one carとかmore than one computerは、決して「1台以上の車」とか「1台以上のコンピュータ」ではなく、「2台以上の車」とか「2台以上のコンピュータ」とすることです。なぜならば、more than oneが「oneを含まないでそれより大きい数字」ということは、more than one即「2」となるからです。
ところが、―― に「量」でとらえられる名詞が来た場合、例えば、more than one poundという場合、「1ポンドを超えること」即「2ポンド以上」とはなりません。なぜならば、1ポンドと2ポンドの間には、無限の数があるからです。
もう少しつっこんで考えてみましょう。――に「数」でとらえられる名詞が来た場合には、ニュアンスは若干違いますが、数値的に考えた場合、意味的にはmore than one ―― はtwo or more ――sと同じであることが分かりました。それならば両者は、全く同じなのか、どこか違うところはないのかということになります。筆者も、最初は両者の違いがわかりませんでした。ネイティブにも何人かに聞いてみました。しかし、違いを分かりやすく説明してくれるネイティブには、ついにお目にかかることはできませんでした。中には、「違いますよ。more than one ―― はmore than one ―― であり、two or more ――s はtwo or more ――sですよ」といって、決して筆者をばかにしているのではなく、真剣な顔でそのようにいうわけです。よく考えてみると、彼らにとってはそうとしか理解しようがないのです。それを、日本人は、意味がどちらも「2つ以上の ――」であるから、この両者を同じものと考えてしまうわけです。
この両者の違いに行きつくまでは、大分、時間がかかりました。ここでお決まりの「トミイ方式」が出てくるわけですが、この疑問が出てきてから
more than one ―― とtwo or more ――sの例
more than two ――s とthree or more ――sの例
more than three ――s とfour or more ――sの例
more than x ――s とx+1 or more ――sの例
を徹底的に集め、それぞれの英文を精査してみました。その結果、ついに発見しました。more than one ―― は、1を強く意識した上での「2つ以上」であり、two or more ――sは、普通の「2つ以上」であるということが分かりました。
次の例文は「トミイ方式」で集めたものです。
Often, they give more than one name to the same thing.
中・上級者の方は、ニュアンスから考えると次の文ではおかしいことが分かると思います。
Often, they give two or more names to the same thing.
英文を読んでいるとmore than one ―― という表現にはよく出合いますので、「トミイ方式」で片っ端から集めて吟味するとmore than one ―― とtwo or more ――sとはニュアンスが違うということが分かります。このことを理解するには、例文をたくさん集める以外方法はありません。
(7) その他から
この分類は、上記の6つの分類に属さないすべてのデータを入れていますが、ここではパンクチュエーションの中の1つ、「セミコロン」についてお話します。
「セミコロン」の用法には大きく分けて
句や節や文を分割する用法
接続詞としての用法
の2つがあります。ここでは後者の「接続詞としての用法」についてお話しします。
日本語にはセミコロンが無いため、英文和訳の際など、英語に使われているセミコロンを無視してしまったり、日本語にもセミコロンをそのまま使って澄ましてしまったりする人がいます。しかし、セミコロンにはちゃんとした意味があるわけですから、その意味に訳出しなければおけません。ただ、厄介なことに、筆者が今までに集めた範囲内だけでも、therefore(したがって)、however(しかし)、that is(すなわち)、because(なぜならば)、on the other hand(一方)、rather(むしろ)、for instance(たとえば)、補足説明、追加説明、but also(~もまた)、furthermore(さらに)、otherwise(さもないと)など11個の意味に使われます。中には、therefore(したがって)とhowever(しかし)のように、全く反対の意味に使われていることすらあります。
詳しくは、後日、当該セクションの中で例文を挙げて説明しますが、ぜひ「トミイ方式」を駆使してたくさんの例文を集め、ご自分でそれぞれのセミコロンに訳を与えてみてください。そうすれば、英文和訳の際には正しい、自然な日本語に訳すことができ、それよりも大きな収穫は、英文を書く時とか、和文英訳するときなど、セミコロンを上手に使うことができ、ストレスの抜けた格調のある英文を書くことができるようになります。ことによると、さらなる用法も発見できるかもしれません。
これで、この連載の第1回に述べたように、7つの大分類を、1) 学習機能および2) 活用機能から見たエピソードのご紹介を終えることにします。そして次回の第5回では、3) 発表・制作機能という切り口から見たエピソードを、「前置詞」を例にとってお話しすることにします。
【筆者プロフィール】
富井篤(とみい・あつし)
技術翻訳者、技術翻訳指導者。株式会社 国際テクリンガ研究所代表取締役。会社経営の傍ら、英語教育および書籍執筆に専念。1934年横須賀生まれ。
主な著書に『技術英語 前置詞活用辞典』、『技術英語 数量表現辞典』、『技術英語 構文辞典』(以上三省堂)、『技術翻訳のテクニック』、『続 技術翻訳のテクニック』(以上丸善)、『科学技術和英大辞典』、『科学技術英和大辞典』、『科学技術英和表現辞典』(以上オーム社)など。
大規模英文データ収集・管理術 第3回
2011年 7月 18日 月曜日 筆者: 富井 篤「トミイ方式」の素晴らしさ(続)
今回は、7つの大分類のうち、「(4) 品詞別」と「(5) 構文別」について説明し、次回、最後の「(6) 数量表現別」と「(7) その他」について触れます。
(4) 品詞別
(5) 構文別
(4) 品詞別から
日頃、原書を読んだり、英和翻訳していたりすると、ほとんどすべての品詞において、学校英語とか辞書英語では考えられない意味や用法に出合うことがあります。ここでは品詞の中の「副詞」と「前置詞」について述べてみます。これこそ、辞書や参考書で勉強しても学習できるものではなく、収集した英文からでなくては体得できない用法です。
副詞の位置と用法
まず、次の英文を見てください。
This calculation is best done by a computer.
これを直訳すると
この計算は、コンピュータによってベストになされる
となります。しかしこのような日本語はありません。そこで
この計算は、コンピュータで行うのが一番良い
としてはじめて理解できるわけです。すなわち、best という副詞は形容詞(形容動詞)に変換しないと日本語にならないわけです。
まだこの技術翻訳の世界に入ったばかりのころ、この best という副詞に違和感を抱き、best はもちろんのこと、このように使われているその他の副詞、例えば favorably,presumably,safely,successfully などを徹底的に収集しました。そして、もう20数年前のことですが、やっとこの種の副詞の使い方を知りました。今では、この種の副詞の用法を駆使して英文が書けるようになりました。
前置詞 with の用法
次の例文を見ることから始めましょう。面白いのは with の用法です。
The new machine has been put on the market, with successful results.
この英文を、われわれ普通の日本人の感覚で訳すと、次のように1つの文になるでしょう。
この新しい機械は、よい結果を以ってして市場に出された
しかし実際にはそうではなく、彼らはこれを次のように2つの内容として書いているのです。
この新しい機械を市場に出したが、その結果は極めてよかった
これらの用法は、英文からでしか体得できない典型的な用法であり、この用法の with を使った英文をたくさん集め、この用法をマスターすると和文英訳の時に活用でき、ネイティブの発想にきわめて近い英文が書けるようになるはずです。ただし、例文を1つや2つ集めただけでは自分の血となり肉となるというわけにはいきません。やはり貪欲に集めることです。これが「トミイ方式」の真髄です。
(5) 構文別から
「モノ」や「ヒト」ではなく「コト」を主語に取る、日本語にはなく英語にだけ発達している「無生物主語構文」、文章の数ほど表現の数があるといわれる「比較構文」や「倍率構文」、ニュアンスを正しく伝えるための「強意構文」や「倒置構文」などたくさんある構文の中で、ここでは、ほとんどの日本人が間違える「否定倒置構文」と、「トミイ方式」のルーツとも言える「無生物主語構文」についてお話しし、いかに「トミイ方式」が素晴らしいものであるかについて理解していただきます。
「否定倒置構文」
まず、和英翻訳における「否定倒置構文」についてアプローチしてみましょう。
いかなる場合にも、この工具は使用してはいけません
という日本語を英語に訳す場合、ほとんどの日本人は
In any case, this tool should not be used.
In any case, do not use this tool.
などと訳します。しかし、簡単にいうと、ネイティブの書く英語は、まず do not の not を no に変換して any の場所に移します。そして、no を含む否定句が文頭にあるため、主節のほうは this tool と should を倒置させ
In no case should this tool be used.
と書きます。
このような発想ができるようになるには、学校英語とは完全に決別し、ネイティブの書く英語を片っ端から集め、いつでも使えるように分類・収納しておくことです。そしてその後にそれに馴れ、自分のものにしなければなりません。
「無生物主語構文」
その当時はそれが「無生物主語構文」だという感覚はありませんでしたが、私が最初に「無生物主語構文」らしきものに接したのは、まだ商社に勤めていた時です。ある日、アメリカのある会社から
Present schedule will bring me to Tokyo on February 27.
から始まる手紙がきました。意味は
現在の予定では、自分は2月27日に東京に行くつもりです
ということで別に難解な英語というわけではありません。ただ、その時全身に稲妻が走るほどのショックを受けたのは、その発想でした。日本人には決してできないその発想でした。この書き方がベストであるとか、ましてやこのように書かなければいけないなどとは決して思っていませんが、この発想の妙に驚かされたわけです。
これを境に、「これからは、参考書や辞書で英語を学習するのはやーめた。彼らの表現や発想を片っ端から収集し、使いやすように分類・収納しておくに限る」とあいなったわけです。まさに、日本人にとっては所詮「英作文は英借文に過ぎない」と達観し、35年前に「トミイ方式」の長い長い旅がスタートしたわけです。
「無生物主語構文」の収集を始めてから10年くらい経過したのち、すなわち今から25年ほど前、収集したすべての「無生物主語構文」を分類してみましたら、14の大きなパターンに分けられました。それをさらに分類すると約90個のパターンに分けられ、ある出版社から出版させていただいた本の中に取り込みました。
その後、三省堂から「技術英語構文辞典」を出版させていただいた時、もともと「無生物主語構文」というのは、因果関係の表現に使う構文でしたので、「無生物主語構文」と「因果構文」に分け、現在に至っています。
「無生物主語構文」については、該当するセクションでたっぷりとお話ししたいと思っています。
【筆者プロフィール】
富井篤(とみい・あつし)
技術翻訳者、技術翻訳指導者。株式会社 国際テクリンガ研究所代表取締役。会社経営の傍ら、英語教育および書籍執筆に専念。1934年横須賀生まれ。
主な著書に『技術英語 前置詞活用辞典』、『技術英語 数量表現辞典』、『技術英語 構文辞典』(以上三省堂)、『技術翻訳のテクニック』、『続 技術翻訳のテクニック』(以上丸善)、『科学技術和英大辞典』、『科学技術英和大辞典』、『科学技術英和表現辞典』(以上オーム社)など。
大規模英文データ収集・管理術 第2回
2011年 7月 4日 月曜日 筆者: 富井 篤「トミイ方式」の素晴らしさ
前回は、この連載に関する「トミイ方式」の概要を、エピソードも交えながらお伝えしました。今回から、7つの大分類のそれぞれについて、“これぞ「トミイ方式」”といえるようなテーマをそれぞれ1つないし2つ選んで説明していきます。まずは以下に示す3つですが、このうち「(3) 表現別」は、前回の「耐」のエピソードでお話ししましたので、ここでは省略し、先を急ぐことにします。
(1) アルファベット順
(2) 50音順
(3) 表現別
(1) アルファベット順から
何万とある英語の単語を、ある目的を持って収集するわけですが、ここでは、一例として available という単語を取り上げます。
この言葉は、元来、「何々が可能である」とか「何々が入手できる」などというように、肯定を表す幅広い意味を持つ言葉です。英文を読んでいて、または英文和訳の翻訳をしていて、非常に頻繁にお目にかかる言葉です。
集め方として、最初は単純なもの、ついで徐々に複雑な例文を集めて行くやり方もありますが、時間を有効に使うためには、最初から available を内包する英例文はすべて集めていったほうがよいでしょう。そうすることにより
―― is available.
というbe動詞の補語として使われている例文、以下のように、名詞を修飾する形容詞としての用法の例文
available ――
さらには、以下に示すように、後ろにさまざまな前置詞を伴った available の例文が、ごく短時間のうちにたくさん集まってきます。詳しくは後で取り上げますので、今はその訳までは触れませんが、前置詞によっていろいろな意味になることがわかります。
(a) ―― is available as …
(b) ―― is available at …
(c) ―― is available for …
(d) ―― is available from …
(e) ―― is available from … to [through] …
(f) ―― is available in …
(g) ―― is available on [upon] …
(h) ―― is available to …
(i) ―― is available with …
例えばavailable at … ならは「…という場所で入手可能」または「…という会社とか出先機関で入手可能」となり、available from … ならば「…から入手可能」となり、available to … ならば「…(だれだれ、またはどこそこ)にとって入手可能」となります。また、以下のように commercially という言葉と一緒になって、「――は市販されている」という意味として使われている例文もたくさん集まります。
____ is commercially available
____ is available commercially
これらの表現から、isを削除して
____ commercially available
____ available commercially
とすると、「市販されている____」という言葉を自分で作ることもできます。和英辞書で「市販されている」をひいても commercially available を載せている辞書はほとんどありません。これこそが「トミイ方式」の面目躍如というところです。
コレクションの数が増えれば増えるほど、「意味」ではなく「訳語」が千変万化するこの available という言葉を正確に確実に理解することができるようになり、さらに、もっと大事なことは、英文を書いたり、和文を英訳したりするときに、この available という言葉を使って、達意な英文が書けるようになるはずです。
(2) 50音順から
これは、「(1) アルファベット順」と同様、「分類」ではなく「順番」です。「分類」と「順番」の違いは、「分類」は同類のデータが数多く集まらなければ分類はできませんが、「順番」は、英語にしろ日本語にしろ、それぞれアルファベット順や50音順に手当たり次第に収納していけばよいことになります。この「50音順」では、英例文の中に含まれている該当単語をそのシチュエーションにフィットする訳を与え、和英辞書のように、その訳語の「順番」または「場所」に文章全体を収納するわけです。それにより、既存の和英辞典には収録されていない訳語に出くわすことがあり、和英辞書の力強い補助になります。
私の面白いエピソードを披露します。
どこの空港であったか記憶はありませんが、昔、全米翻訳者協会(ATA,American Translators Association)の年次総会に、毎年出席していましたが、ある年の総会の帰りの空港でのことです。空港のベンチに腰掛け、飛行機を待っていた時のこと、右隣に座っていたアメリカ人がスポーツ新聞を読んでいました。見るとはなしに横から覗いてみると、彼が読んでいた新聞の左上に
The Buffalo Bills began the instant rebuilding of their porous defense yesterday by selecting. . . .
という記事があり、その中の porous defense という言葉が目に飛び込んできました。よくいろいろなスポーツで「穴だらけの守備」などいいますが、英語でも「穴だらけの守備」ということがあり、そのことを porous defense というのだということを学びました。やがて、彼が立って搭乗口のほうへ行こうとしましたので、わけを話して、その新聞の左上を破ってもらい、いただきました。帰国早々、そのスクラップをカードに貼り、「50音順」という大分類の中の「穴だらけの」という位置に収納してあります。和英辞書の「穴」の個所を見ても「穴だらけの」という項目はありません。仮にあったとしても、porous という単語ではないことがあり、その場合には、英語での表現が1つ増えたことになります。
そのほかにも、この分類には、主にカタカナ語として日本語に入っている英語と本来の単語が一致しない場合、その言葉を収集しておくと、後で和文英訳の時などに、すごい力を発揮してくれるというメリットがあります。
例えば、家電用の「コンセント」という日本語ですが、カタカナになっているから「コンセント」が英語であろうと思い違いして consent と書いてしまったら大きな誤りです。英語では outlet とか wall outlet などと言います。ネジ回しの「ドライバー」もそうです。これを driver と書いたら大間違いで、screwdriver とワンワードで書かなければなりません。これらは、学生の「単語帳」のように単語単位で取っておいても構いませんが、やはり、センテンス単位で取っておいた方が、使い道は広いです。
【筆者プロフィール】
富井篤(とみい・あつし)
技術翻訳者、技術翻訳指導者。株式会社 国際テクリンガ研究所代表取締役。会社経営の傍ら、英語教育および書籍執筆に専念。1934年横須賀生まれ。
主な著書に『技術英語 前置詞活用辞典』、『技術英語 数量表現辞典』、『技術英語 構文辞典』(以上三省堂)、『技術翻訳のテクニック』、『続 技術翻訳のテクニック』(以上丸善)、『科学技術和英大辞典』、『科学技術英和大辞典』、『科学技術英和表現辞典』(以上オーム社)など。
大規模英文データ収集・管理術 第1回
2011年 6月 20日 月曜日 筆者: 富井 篤連載を始めるにあたって
はじめに
これから、私が35年以上前に創り出し、その後35年間以上にわたって実践してきた、今ではその収集データの数も350,000点以上に達する、「英文データの収集方式」について連載を始めます。私と同じ世界で生きている一部の人々には、いままでに私が著作してきた数々の書籍、各種国際会議での講演会や発表会、さらには私のホームページや私が主宰している富井翻訳塾などを通して「トミイ式英文データの収集、分類、収納方式」としてすでに知られていますので、大変おこがましいのですが、この連載の中では、簡略化して「トミイ方式」と呼ばせていただきます。
本来ならば、連載の最初には、まず「トミイ方式」とは何か、そしてその起源および変遷などについて触れて、ついでその機能・目的、さらにはその実践法などを順次述べていくべきなのでしょうが、この連載では、そのような日本語的な「起承転結」にとらわれず、「トミイ方式」には一体どのようなメリットや面白さがあるのかなどについて、エピソードなどを織り交ぜながら、最初の「連載を始めるにあたって」は5回にわたって述べていきます。
「トミイ方式」というのは、簡単にいうと
どのような目的に使うためには、どのようなものを収集し、それをどのように分類・収納しておけばよいか
ということに主眼を置いた方法論です。収集作業が進んでいけば、その結果として
どのようなものを収集し、それをどのように分類・収納しておくと、どのような目的に使うことができる
という効果も派生してきます。
「トミイ方式」がいかに素晴らしいものであるかを感じ取っていただき、この連載をお読みになった方のうち、一人でも多くの方が「これなら自分にもできる。始めてみようか」と思っていただくために、次回から4回にわたり、あえていきなりいくつかの具体例をご紹介することから始めることにします。
とはいっても、「トミイ方式」なるものがいかなるものか、まったく情報がなくては読み進められないでしょうから、ここでは「トミイ方式」においては、収集した英文データを次の7つに大分類するということだけを略述しておきます。
(1) アルファベット順
(2) 50音順
(3) 表現別
(4) 品詞別
(5) 構文別
(6) 数量表現別
(7) その他
この7つの大分類を、収集データ数が増えていくにしたがって、さらに各項目ごとに中分類、小分類、細分類、細々分類に刻んでいくと、この連載を最後までお読みいただくと分かると思いますが、最終末端単位の数としては40,000にも50,000にも達します。
それでは「トミイ方式」の素晴らしさを感じ取っていただける体験談を1つご紹介します。これは、上に挙げた7つの大分類の中の「(3) 表現別」の中にある「耐える」という表現についてのエピソードです。もう少し正確にいいますと、「(3) 表現別」のうち、中分類の1つに「耐」という言葉がありますが、この言葉は、さらに「――に耐える」という動詞形とか、「耐――性」という名詞形とか、「耐――性の」という形容詞形などという小分類に分けられており、その中の「――に耐える」という動詞形についてのものです。
もう25年以上前、すでに私のコレクションも50,000点以上になっていたときのことです。当時執筆していたある学習書の中で、どうしても「――に耐える」という場合の動詞の選択について書かなければならなかったことがありました。一般には、「――に耐える」という意味の動詞には resist,withstand,endure などがあります。しかし、当時、これら3つの動詞にはどのような違いがあり、それをどのように使い分けるかということがよくわかりませんでした。同義語辞典とか、類語辞典とか、Webster の Dictionary of Synonyms などをすべて精査してみましたが、resist は「能動的に耐える」、withstand は「受動的に耐える」というところまではわかりましたが、どうしても実感として理解できませんでした。
そこで私のコレクションの中から、「――に耐える」という動詞形の中に収納されている resist,withstand,endure などの英文をすべて引っ張り出してきて、対象として「物理量」、「現象」、および「物質」ごとに数えてみたわけです。20年以上前のことですからまだ35例文くらいしかありませんでしたが、各英単語の使用例が以下のようにはっきりとわかりました。
筆者注:「物理量」とは圧力、電圧、温度、速度などをいい、「現象」とは曲げ、振動、腐食などをいい、そして「物質」とは水、酸、アルカリ、油などをいいます。
| 物理量 | 現象 | 物質 | |
| resist | 1 | 13 | 1 |
| withstand | 15 | 2 | 1 |
| endure | 2 |
このくらいの例文の数では「葦の髄から天井覗く」きらいは否めませんが、それでも、この時以来、疑うことなく、自信を持って resist と withstand を使い分けることができるようになりました。そして、このような結果から考えると、日本語では resist も withstand と同じように「耐える」という訳語があてられていますが、本来ならば「耐える」というよりは、むしろ「抗する」という日本語を当てたほうがよい場合があるということもわかりました。これらは「トミイ方式」の価値ある産物といえます。
このように、「トミイ方式」というのは、もともと英作文する場合とか和文英訳するときの、和英辞書の補助となるような言葉や言い回しを収集したものと考えてください。同じ単語でも使用例を数多く集めると、上に述べたような類語辞典のような機能を果たすこともできます。
次回からは、上に述べた「トミイ方式」の7つの大分類の中から1つずつ選び、面白いエピソードを披露していきたいと思っています。次回から3回は、「トミイ方式」の大きな3つの機能、すなわち、1) 学習機能、2) 活用機能、および3) 発表・制作機能、のうち1) 学習機能および2) 活用機能から見たエピソードを、そしてその後の4回目は3) 発表・制作機能という切り口から見たエピソードを紹介していきます。
なおこれからこの連載をお読みいただく中で、「トミイ方式」についての最低限の知識として心に留めておいていただきたいことは、これは学生の「単語帳」とは違いますので、単語単位に収集するのではなく、その該当単語が使われているセンテンス単位で収納するということです。できれば、センテンス単位ではなく、そのセンテンスが含まれているパラグラフ単位で収集すると、効果は倍加します。これについては、これから徐々に説明していきます。
最後に1つ大事なお願いとお詫びがあります。この連載に引用している例文は、私が長年、技術翻訳の世界にいましたので、そのほとんどが技術分野からのものばかりです。「技術英語といえども、所詮、英語は英語」という割り切り方もありましょうが、技術分野ではない読者の方々には、ご理解をお願いすると同時にお詫びいたします。
【筆者プロフィール】
富井篤(とみい・あつし)
技術翻訳者、技術翻訳指導者。株式会社 国際テクリンガ研究所代表取締役。会社経営の傍ら、英語教育および書籍執筆に専念。1934年横須賀生まれ。
主な著書に『技術英語 前置詞活用辞典』、『技術英語 数量表現辞典』、『技術英語 構文辞典』(以上三省堂)、『技術翻訳のテクニック』、『続 技術翻訳のテクニック』(以上丸善)、『科学技術和英大辞典』、『科学技術英和大辞典』、『科学技術英和表現辞典』(以上オーム社)など。
iPhone/iPod touchでウィズダム英和/和英を
2008年 7月 13日 日曜日 筆者: 淳★iPhoneとiPod touchで『ウィズダム英和・和英辞典』が使えます★
7月11日にアップルの iPhone 3G が日本でも発売となり,テレビにも取り上げられるなど大きな話題になっていますが,同機で使用できる辞書アプリケーションとして,『ウィズダム英和・和英辞典』も同日に App Store にて発売となりました(販売元:(株)物書堂)。
※当初の不具合等を修正したバージョン1.0.1がリリースされました。⇒物書堂サポートページへ
『ウィズダム英和・和英辞典』は『ウィズダム英和辞典 第2版』と『ウィズダム和英辞典』をセットにした電子辞典。書籍でも好評をいただいている「ウィズダム」がiPhoneでもiPod touchでも使えるようになりました。物書堂のウェブサイトでも紹介されているように,レイアウトも美しく,動作も軽快,さらに発音も聞くことができる。辞書がより身近になります。
※タイトルにもありますように,このたび発売されたiPhoneだけでなく,iPod touchにも対応しています。
iPhone のサイトでも,おすすめアプリケーションとして紹介されています。
http://www.apple.com/jp/iphone/
製品の詳しい内容は,販売元の物書堂のウェブサイトをご覧ください。
http://www.monokakido.jp/iphone/wisdom.html

『ウィズダム英和辞典 第2版』『ウィズダム和英辞典』については以下をご覧ください。
http://wisdom.dual-d.net/index.html
【プレスリリース】Dualウィズダムに用例コーパス追加
2007年 4月 11日 水曜日 筆者: 辞書ウェブ 編集部プレスリリース
報道関係各位
株式会社 三省堂
「ウィズダム英和/和英辞典 用例コーパス」機能追加
~進化する英語学習ツール、手軽に使える英和/和英辞典初のコーパス機能~
「Dualウィズダム用例コーパス」 http://www.dual-d.net/corpus/
「三省堂デュアル・ディクショナリー」 http://www.dual-d.net/
三省堂デュアル・ディクショナリー(以下、デュアル・ディクショナリー)を運営する株式会社三省堂(以下、三省堂)は、4月中旬にリニューアルを行い、従来型の検索仕様に加えて、新たに「用例コーパス」機能を追加します。







![『新明解国語辞典 第七版[机上版]』7年ぶりに改訂『新明解国語辞典』の机上版。判型は並判より大きいA5判で、さらに文字が大きく見やすい。2色刷。紙面内容は並版と同一。 『新明解国語辞典 第七版[机上版]』](http://dictionary.sanseido-publ.co.jp/wp-images/smk_kijo.jpg)
![『新明解国語辞典 第七版[小型版]』7年ぶりに改訂『新明解国語辞典』の小型版。並判より一回り小さいA6変型判で、携帯にも便利。2色刷。紙面内容は並版と同一。 『新明解国語辞典 第七版[小型版]』](http://dictionary.sanseido-publ.co.jp/wp-images/smk_kogata.jpg)
![『新明解国語辞典 第七版[革装版]』7年ぶりに改訂『新明解国語辞典』の革装版。丈夫で使うほどに手になじむ。判型は並版・特装版と同じB6判。2色刷。紙面内容は並版と同一。 『新明解国語辞典 第七版[革装版]』](http://dictionary.sanseido-publ.co.jp/wp-images/smk_kawaso.jpg)












































































































































2007年









