WISDOM in Depth: #15
2008年 2月 12日 火曜日 筆者: 赤野 一郎辞書の凝縮された記述の裏には,膨大な知見が隠れています。紙幅の関係で辞書には収めきれなかった情報を,WISDOM in Depth と題して,『ウィズダム英和辞典』の編者・編集委員の先生方にお書きいただきます。第15回は編者の赤野一郎先生,2回目のご登場です。
コーパスが英和辞典を変える(2)
コーパスを用いた語義区分の実際
語の意義(語義)をいくつ認めるかはやっかいな問題である。その証拠に特定の単語の語義を複数の辞書で比べてみると,辞書によって語義の数が異なることがあり,また一方の辞書では独立した語義として扱っているのに,他の辞書では別の語義の一部として扱っていることがある。語義区分に客観的基準がなく,編集者の主観に左右されがちだからである。コーパスとコンコーダンスを辞書編纂に活用すると,この語義区分というやっかいな問題を解決できる。
コーパスを辞書編纂に利用する理論的根拠を与えたイギリスの言語学者,ジョン・シンクレア (1933-2007) は,語の振る舞いに関して次のように述べている。
- (1) 語は一定の語と優先的に結びつき,典型的な反復傾向すなわちパターンを示す。
- (2) 語は複数の異なるパターンを持つ傾向がある。
- (3) 語の意義の各々の違いはそれが生じるパターンの違いになって現れる。
(3)の主張を,語義区分の観点から見れば,パターンの違いを手掛かりに語義の識別が可能になるということである。目に見える形(form)から目に見えない意義(sense)に接近するのである。
『ウィズダム英和辞典』では語義区分にこの手法が用いられている。名詞gapを例に,コーパスに基づく語義識別のプロセスを示すことにする。gapを検索しコーパスから以下のコンコーダンスが得られたとしよう。

コンコーダンスに現れるgapの語彙的コロケーションあるいは統語上のパターンの違いに着目すると,1,4行目のbetween . . . teeth,9,11行目のin . . . fenceから ‘physical space’の語義「〈物の〉すき間,切れ目」を取り出すことができる。同様に,7,8,15,16行目のyear(s),month(s)から‘interval of time’の語義「(時間的な)空白,とぎれ」が,10,12,13,14行目のplug,fill,in . . . history [knowledge / budgets]から‘deficiency’の語義「抜けて[欠落して]いる部分」が,2,3,5,6,17, 18のbetween,bridge,fill,reduce,close,generation [trade] gapから‘discrepancy’の語義「隔たり,不一致; 不均衡」が識別できる。

用例にもコーパスデータから得られたコロケーション情報が洩らさず盛り込まれていることに注目していただきたい。
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【筆者プロフィール】
赤野 一郎 (あかの・いちろう)
京都外国語大学教授。
専門は語用論,コーパス言語学,辞書学。
編著書には『英語コーパス言語学』(研究社出版)など多数。
WISDOM in Depth: #14
2008年 2月 5日 火曜日 筆者: 井上 永幸辞書の凝縮された記述の裏には,膨大な知見が隠れています。紙幅の関係で辞書には収めきれなかった情報を,WISDOM in Depth と題して,『ウィズダム英和辞典』の編者・編集委員の先生方にお書きいただきます。第14回は編者の井上永幸先生,4回目のご登場です。
Corpus-BasedからCorpus-Drivenへ (4)
−語法記述編: 類義表現−
状況・様子・結果などについて漠然と質問をする際,日本語では「どう」「どんな」「何」が用いられるが,英語では how や what が用いられることが多い。ただ,どういった場合に how を使い,どういった場合に what を使えばいいかは迷うことが多い。「どうすればいいかわからなかった」は I didn’t know what to do. で表現できるし,「あなたの名前は何と読みますか」は How do you say [pronounce] your name? で表現できるように,必ずしも「どう」と how,「何」と what が対応するとは限らないからである。
一般的には,how は形容詞・副詞について尋ねる疑問文に,what は名詞について尋ねる疑問文に対応する。“How does it taste?”(それはどんな味がしますか)は “taste C” のように形容詞補語が続くことを想定した疑問文で,例えば “It tastes salty.”(塩辛いです)のような返答を期待している。一方,“What does it taste like?”(それは何の味がしますか)は,“taste like A” のように,前置詞 like の後に名詞が続くことを想定した疑問文で,例えば “It tastes like chicken.”(鶏(とり)の味がします)のような返答を期待している。
『ウィズダム英和辞典』(第2版)では,効率的に学習ができるよう,コーパスで how 及び what と相性のよい動詞を調査し主なものを,通例 how を用いるもの(look, sound, explain, rate, taste, spell, define, put it, pronounce),通例whatを用いるもの(look like, call, smell, taste like, consider),how と what のいずれも可能だが意味用法が異なるもの(think, feel, like, find, see, mean, say)の3種類に分類した上で示しておいた。
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【筆者プロフィール】
井上 永幸 (いのうえ・ながゆき)
徳島大学総合科学部教授。
専門は英語学(現代英語の文法と語法),コーパス言語学,辞書学。
編纂に携わった辞書は『ジーニアス英和辞典初版』(大修館書店),『英語基本形容詞・副詞辞典』(研究社出版),『ニューセンチュリー和英辞典2版』(三省堂),『ジーニアス英和大辞典』(大修館書店)など多数。
WISDOM in Depth: #13
2008年 1月 25日 金曜日 筆者: 中山 仁辞書の凝縮された記述の裏には,膨大な知見が隠れています。紙幅の関係で辞書には収めきれなかった情報を,WISDOM in Depth と題して,『ウィズダム英和辞典』の編者・編集委員の先生方にお書きいただきます。第13回は編集委員の中山仁先生,4回目のご登場です。
気になる語法―主節から独立したWhich節
教科書や学習参考書では扱われていないにもかかわらず,実際にはしばしば見かける(あるいは,以前より多く見かけるようになったと思われる)気になる表現というべきものがいくつかある。これについて適切な情報をより多く提供するのも英和辞典の役目であろう。関係詞節が先行節から独立してできた文はそういった気になる表現のひとつであるが,これについて『ウィズダム英和辞典』ではこれまでにない踏み込んだ記述を行なっている。以下では関係詞whichの語法コラム「先行詞から独立して用いられるwhich…」に関して解説を加えたい。
問題となっているwhichは非制限的関係詞で,先行文の内容全体,またはその一部を受ける。この表現は意外にも幅広い場で使用されていて,((話))でも((書))でも用いられる。特に((話))では,先行文を述べた話し手が引き続いて独立したWhich節を発話する場合だけでなく,先行する相手の話を受けてWhich節を発話する(つまり,先行文の話し手とWhich節の話し手が異なる)場合もある点が興味深い(語法コラム内の用例がそれに当たる)。また,((書))では文学作品から新聞,雑誌まで様々な場面で使用されており,文体上くだけた表現に限ったものではないことも分かる。
この表現で特に注目すべきは,Which節に用いられる動詞に関して,通常の(=独立していない)which節にはない特徴が見られるということである。三省堂コーパスによれば,独立したWhich節ではmeans,brings (me [us] to),leads (me [us] to),reminds (me)などが高頻度で生じる。特に,meansについては,独立文に生じるのはwhich means… 全体の1割程度ではあるものの,その数は他のどの動詞の場合よりも多い。また,brings,leads,remindsについては,いずれも独立文の方が通常の場合より多く用いられている。
これらの動詞の共通点は何であろうか。まず気がつくのは,いずれも現在形であるという点である。これは,Which節の内容が先行文を受けて発話する時点での事柄を表していることを意味する。では,どんな事柄を表しているのだろうか。実際にそれぞれの動詞を用いた具体例を並べてみよう。
- “The dog’s lungs were clear.” “Which means that the dog was dead before the fire started?”(語法コラム内の用例)
- Which brings me to my next question about…(三省堂コーパスから;先行文は省略)
- Which leads me to the conclusion that…(同上)
- “Which reminds me,” she added. “I need to go shopping tomorrow. …”(同上)
上記の例をながめると,いずれの場合もWhich節は先行文の発話をきっかけに,それまで話し手(または聞き手)の意識になかった考え(結論や疑問など)を新たに(あるいは再度)引き出す場合に用いられていると言えるだろう。これはWhich節のすべてに当てはまるわけではないが,語法コラムに記述された高頻度のWhich節に共通しているという点で興味深い。
このことから,主節から独立したwhich節には,単なる文体上の問題で片付けることのできない,特異な性質があることが分かる。
また,上記ほど際立ったケースではないが,which(あるいはwhichを含む句)が文頭に現れる表現は他にもある。例えばIn which caseやWhich is to sayなどである。『ウィズダム英和辞典』ではこれらを成句としても取り上げている(前者はcase,後者はsayの欄で)。なお,Dual ウィズダム英和辞典[Web版]で成句検索をすればさらに他の例を見ることもできるので試していただきたい。
ちなみに,今回取り上げた語法コラムと同様の具体的で踏み込んだ解説を他の英英,英和辞典で見ることはまずない。『ウィズダム英和辞典』はこのような気になる語法への配慮もすることで,いち早く言葉の変化を捉え,英語の「いま」を映し出すのに少なからず貢献しているものと思われる。

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【筆者プロフィール】
中山 仁 (なかやま・ひとし)
福島県立医科大学准教授。
専門は英語学。『ウィズダム英和辞典』編集委員。
WISDOM in Depth: #12
2008年 1月 22日 火曜日 筆者: 井上 永幸辞書の凝縮された記述の裏には,膨大な知見が隠れています。紙幅の関係で辞書には収めきれなかった情報を,WISDOM in Depth と題して,『ウィズダム英和辞典』の編者・編集委員の先生方にお書きいただきます。第12回は編集委員の井上永幸先生,3回目のご登場です。
Corpus-BasedからCorpus-Drivenへ (3)
−語法記述編: 構文記述−
辞書は,先行研究に大きく依存する著作である。英和辞典の場合,それまでに出版されている英和辞典はもちろんのこと,英米で出版された英英辞典,発音,語源,類義語,文化などなどさまざまな分野の参考書,関係分野の論文など,多くの資料を参考にしながらつくられる。それだけ多くの資料を参照しても,日本人が英語を発信しようとする際に必要な情報が常に得られるとは限らない。過去のどの資料にも扱われていないことは,新たに資料を収集して分析・研究することが必要となるため,執筆期間に制限のある辞書編集では積み残しとなることが多いからである。しかし,コーパスをコーパス駆動的(corpus-driven)な立場で分析することにより〔→WISDOM in Depth: #1〕,母語話者による辞書や参考書でも扱っていなかった事項に関して,日本人英語学習者の立場に立った記述が可能になるのである。
ここでは,fallの主格補語を従える用法を取りあげてみよう。become,get,go,turn,growなど,他にも主格補語をとる動詞はあるが,どういうときにfallを使えばよいのだろうか。コーパスでfallの後に現れる形容詞,前置詞を含む句,名詞に注目してみよう。
まずは形容詞。fall asleep(寝付く),fall short(達しない,不足する),fall silent(黙り込む),fall ill(病気になる),fall pregnant(妊娠する),fall open((驚いて)〈口が〉あんぐりと開く),fall due(〈手形などが〉支払期限が来る),fall sick(病気になる),fall quiet(静かになる),fall vacant(〈職位などが〉空く),fall unconscious(意識を失う),fall dead(死ぬ),fall free(《…から》はずれる《from》),fall loose(〈結んだ物などが〉解(ほつ)れる),fall mad(気が狂う),fall relative(《…に応じて》相対的に変化する《to》),fall incomplete(〔アメフト〕〈パスが〉失敗する),fall shy((気が進まなくて)腰が引ける),fall white(〈顔などが〉《病気・感情などのため》青ざめる《with》),fall sad(〈顔・目が〉悲しそうになる)などが現れ,出来事の成立が主語の意思や一般的予想に反していることを暗示する語句や文脈で用いられていることがわかる。
次に前置詞を含む句に注目してみよう。inやintoを含むものでは,fall in love(《人に》恋をする《with》),fall in line(結束する,《人・事に》同調する《with》),fall into place(〈事が〉思い通りに進みだす;〈難問などが〉氷解する),fall into line(一列に並ぶ;結束する;《人・事に》同調する《with》),fall into disrepair(破損[荒廃]する),fall into step(《…のそばで/…と》歩調を合わせて歩く《beside/with》;《事と》歩調を合わせる《with》),fall into recession(不景気になる),fall into disuse(使われなくなる,廃れる),fall into the red(赤字になる),fall into a coma(昏睡状態に陥る)などが現れる。outを含むものでは,fall out of favour [favor](人気がなくなる),fall out of love(《…が》嫌いになる,《…に対する》愛情が無くなる《with》),fall out of fashion(人気がなくなる,流行らなくなる)などが現れる。in,into,out ofなどもその後に状態を表す名詞を従えて,意図せずしてそういった状況に至ることを表す場面で用いられていることがわかる。fall into lineやfall into stepは一見意思的に行われる行為のようにも思われるが,文脈を見るとその行為が状況の流れから意図せずしてそうなった経緯がうかがわれ,上で見た形容詞と同様な性質が読み取れる。
さらに,名詞を従える注目すべき表現は,fall victim(《…の》犠牲になる《to》)とfall prey(《…の》餌食[犠牲]になる《to》)である。これらの表現は一般的な社会通念でいえば主語の意思にかかわらず起こる出来事について用いられ,上で観察したfallの特性と何ら矛盾するところはない。
このような分析の過程を経て,『ウィズダム英和辞典』(第2版)では,主格補語の種類別に頻度の高い用例fall in love with A,fall asleep,fall victim [prey] to Aなどを挙げた後,表現コラムでしばしばいっしょに用いられる語句を挙げ〔特に高頻度のものは太字〕,「主語の意志に関わらないことを暗示する語句や文脈で用いられることが多い」といった注記を与えている。

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【筆者プロフィール】
井上 永幸 (いのうえ・ながゆき)
徳島大学総合科学部教授。
専門は英語学(現代英語の文法と語法),コーパス言語学,辞書学。
編纂に携わった辞書は『ジーニアス英和辞典初版』(大修館書店),『英語基本形容詞・副詞辞典』(研究社出版),『ニューセンチュリー和英辞典2版』(三省堂),『ジーニアス英和大辞典』(大修館書店)など多数。
WISDOM in Depth: #11
2008年 1月 11日 金曜日 筆者: 中山 仁辞書の凝縮された記述の裏には,膨大な知見が隠れています。紙幅の関係で辞書には収めきれなかった情報を,WISDOM in Depth と題して,『ウィズダム英和辞典』の編者・編集委員の先生方にお書きいただきます。第11回は編集委員の中山仁先生,3回目のご登場です。
類語コラムの記述―bakeの場合
『ウィズダム英和辞典』第2版の類義コラムは,他のコラムと同様,コーパスの分析結果を積極的に取り込むなどの工夫によって充実が図られ,さらに具体的で分かりやすい記述へと改善されている。ここではbake欄に記載されている類義コラム「bakeとroast, broil, grillなど」を取り上げ,初版と比べてどのように改められたのかを見てみたい。初版の類義コラムは以下の通りであった:
【類義】「焼く」の意の類語
bakeはパンやケーキをオーブンで焼く.roastは肉やじゃがいもをオーブンで焼く.toastはパンをトースターでぱりっと茶色に焼く.grillは焼き網やグリルで焼く.
この記述は簡潔ではあるが,その分いくつかの疑問や誤解の生じる余地を与えている。例えば,bakeとroastの違いが「パンやケーキ」と「肉やじゃがいも」といった食材の違いのみによって示されているが,果たしてそれで明確に区別されるのか,toastはトースターでパンを焼くことに限定した説明でよいのか,grillの場合の食材は何か(何でもよいのか)などの疑問が挙げられるだろう。また,「焼く」の意味を持つその他の語broil, barbecueなどとはどのような関係にあるのかといった疑問も湧いてくるだろう。
上記の問題は,それぞれの語と食材を単純に対応させたように見えることが原因で生じると考えてよい。したがって,同じ食材が,異なる調理法(焼き方)によってどんな料理になるかという点も考慮した上でまとめ直した方がより適切な理解につながると思われる。
この場合,コーパスを用いてそれぞれの動詞が実際にどのような食材を目的語として取るのかを調べると,興味深い結果が得られる。例えばbakeは,bread,cakes,cookiesを目的語に取るというのは事実だが,これらの他にpotatoesもしばしば目的語として取ることが分かる。ならば「じゃがいもをオーブンで焼く場合にはbakeでもroastでも同じこと」と考えていいだろうか。もちろん,そう考えるのは誤りで,bakeの場合は皮付のまま丸ごと焼き,roastの場合は皮をむいて分割したものを焼くので,出来上がりは全く別の料理を指すことになる。ちなみに,roast potatoes はイギリスではローストビーフなどの付け合せとしてお馴染みのものである(ただし,この場合のroastは形容詞)。また,ベークドポテト 1人前は普通1個で十分なので,注文をする際はa baked potatoと単数になるケースが多く,一方ローストポテトはroast potatoesと複数になるのが普通である。こうして,bakeがオーブンを使って調理することを意味するのに間違いはないが,オーブンで調理される食材は様々であるから,当然のことながら目的語もパンやケーキ類とは限らないということが分かってくる(その他,baked beansも頻度の高い例であることを付け加えておく)。このように,コーパス分析の結果を利用した記述は日常的に頻度の高い例を具体的に示すのに役立つ。また,食材が単数形で現れるか複数形で現れるかについての情報が得られることでイメージが湧きやすいという点でも,ここでの具体例の提示は効果的であると言える。
さらに調べを進めると,roastは直火で肉などを丸焼きにしたり,豆などを炒ったりするのにも用いられることが分かる。この点で,bakeとroastの意味記述自体にも差が出てくることになる。
toastについてはどうだろう。この語は「こんがり焼く」ことに重点があり,食材はパン(食パン)に限らない。実際,コーパスから用例を探ると,目的語にはbreadだけでなくnutsも含まれることが分かる。加えて,パンについては,ホットサンドのようにサンドイッチごと焼く場合がある(toasted cheese sandwichesなど)ということも分かる。
さらに,上記で疑問になったbroilとbarbecueについては,grillと関連させて記述することが可能である。broilはgrillとほぼ同義であるが,コーパスの分析結果から,broilは((主に米)),grillは((主に英))という使用域の差が明らかである。また,barbecueは「戸外で焼き網で[直火で](ソースをつけて)焼く」という意味だが,((主に米))ではgrillを用いることもあるようである。
以上の分析やその他の調査の結果,第2版のbakeに関連する類義コラムは,共起する語の情報や文化的情報が具体化され,質量ともに充実したものに改められたと言ってよいだろう。
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(第2版のbake類義コラム;クリックで拡大)
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【筆者プロフィール】
中山 仁 (なかやま・ひとし)
福島県立医科大学准教授。
専門は英語学。『ウィズダム英和辞典』編集委員。
WISDOM in Depth: #10
2008年 1月 8日 火曜日 筆者: 井上 永幸辞書の凝縮された記述の裏には,膨大な知見が隠れています。紙幅の関係で辞書には収めきれなかった情報を,WISDOM in Depth と題して,『ウィズダム英和辞典』の編者・編集委員の先生方にお書きいただきます。第10回は編者の井上永幸先生,2回目のご登場です。
Corpus-BasedからCorpus-Drivenへ (2)
-語法記述編: (U)名詞とa(n)-
今ではほとんどの学習英和辞典に可算名詞を表す(C)と不可算名詞を表す(U)という記号が表示されるようになっている。もっとも,可算名詞〔以降,(C)名詞〕と不可算名詞〔以降,(U)名詞〕の区別は一筋縄ではいかない。すべての名詞が(C)名詞と(U)名詞のどちらか一方に分類されるわけではなく,むしろ両者の性質を合わせもつ場合が多い。名詞によって(C)の性質の強い名詞や(U)の性質の強い名詞があるわけである。(a) 典型的な(C)名詞であるbirdやkey,(b) 典型的な(U)名詞であるinformationやevidenceは一度覚えてしまえば問題は少ないが,その中間段階にある(C)名詞と(U)名詞の両性質をもつ名詞の場合は,その振る舞いをよく理解しておかないと適切に使いこなすことは難しい。中間段階にある用法の概略を示してみると,以下のとおりである。
- (c) 通常は(U)名詞であるが容器を意識すると(C)名詞扱いとなるcoffee, sugarなど。
- (d) 通常は(U)名詞で種類を表す場合は複数形になりうるfood, fruitなど。
- (e) 通常は(U)名詞で具体例では不定冠詞aを伴ったり複数形で用いられ,one, twoなどの数詞とは用いられないもののmanyとは共起するillness, kindnessなど。
- (f) 通常は(U)名詞であるが,具体例では不定冠詞 a を伴い,その際しばしば修飾語を伴って用いられるknowledge, educationなど。
これらを以下のように可算・不可算のスケール上に表示すると,その段階性を理解しやすくなる。
不可算 ←――――――――――――――→ 可算
(b) (f) (e) (d) (c) (a)
こういった(C)と(U)の性質を理解することは英語の名詞や冠詞を使いこなす上で不可欠となるので,『ウィズダム英和辞典』では,特に英語を発信する際に必要となる上位ランク語では,日本人英語学習者が誤りやすい項目で十二分に情報を示した。行数に限りのある下位ランク語で(C)と(U)の性質を合わせもつ名詞の場合,(C)の性質が強いものは(C)(U)という記号順で表示し,(U)の性質の方が強いものは(U)(C)という記号順で表示してある。また,不定冠詞aと(U)名詞との関係は,見出し語 a の語義7 (p. 2)に概略を説明してあるので,是非ご利用いただきたい。
WISDOM in Depth: #9
2007年 12月 21日 金曜日 筆者: 中山 仁辞書の凝縮された記述の裏には,膨大な知見が隠れています。紙幅の関係で辞書には収めきれなかった情報を,WISDOM in Depth と題して,『ウィズダム英和辞典』の編者・編集委員の先生方にお書きいただきます。第9回は編集委員の中山仁先生,2回目のご登場です。
クリスマスとrobin―英和辞典から得られる文化的背景知識
英和辞典は百科事典的情報が豊富で,高校生の頃,さほど本好きでなかった筆者にとっては一般的知識・常識を補う上でも重要な情報源であり,その重要性は現在でも変わっていない。上記で示した robin とクリスマスの関係はイギリスでは常識だが,日本ではあまり知られていないと思われる。筆者も大分前から「robin=ヨーロッパコマドリ」と覚えてはいたが,それ以上の知識を得たのは比較的最近になってからのことである。比較的低いランクの語であっても,このような常識の空白を埋める作業によって,その語,ひいては英和辞典の価値をさらに高めることになると言える。
robin の解説はほんの4行ではあるが,限られたスペースでできるだけ情報が正確に伝わるようにいくつかの配慮をしたつもりである。例えば,「最も典型的な鳥」とか「国鳥」というよりも「最も親しまれている鳥」とした。なぜなら,典型性は個人の経験や文脈によって変わる可能性があるし(Christmas dinner で「鳥」と言えばイギリスでも turkey を一番に連想するだろう),また,国鳥は日本のキジのように普段めったに見かけない鳥である場合もあるので,あまり親しみのない国鳥もいるからである。しかも,robin は文字通り「身近な」鳥で,庭仕事をしていると,掘り返された土の中にいる虫にありつこうと人のすぐ近くまで寄って来るし,公園で食事をしていれば,おこぼれにあずかろうとテーブルの上にまで乗って来る。

(筆者撮影)
そして,この親しみに基づく重要な情報がクリスマスとの関係である。実際の記述ではスペースの都合上クリスマスカードの図案に使われると述べただけだが,この機会に補足しておきたい。胸が黄赤色である robin がクリスマスカードに使われるようになったのは,クリスマスカードを送る習慣が始まった18世紀中ごろ,郵便配達員の上着が赤色だったことと関係しているらしい。以来 robin はクリスマスカードを運ぶ(あるいはクリスマスを連想させる)鳥としての意味づけがなされて今日に至っている(BBCの Amazing Animals 参照)。
古くから親しまれてきたからであろう。robin にまつわる伝説や童謡も多く残っている。例えば,robin の胸が赤いのは,処刑されたキリストがつけていたイバラの冠を外そうとした際にこの鳥が自らその棘(とげ)で胸に傷を負ったため(あるいは,棘を抜いたときにキリストの血を浴びたため)とか,煉獄(死者が火によって罪の浄化を受ける場所)で,炎の中を死者のために水を運んだためとか,さらには,人類のために天から地上に火をもたらした際に胸を焦がしたため,という言い伝えまである。また,マザーグース(nursery rhyme)では “Who killed Cock Robin?”の中に,バラッドでは “The Babes in the Wood” に登場する(一方で,“Who killed Cock Robin?”はRobin Hoodと関係するという説もあるようだ)。
このように,robin は「親しみ」をキーワードに解説すると理解が深まると思われる。今回はクリスマスにちなんだ例を取り上げたが,もちろん,『ウィズダム英和辞典』ではそのほか数多くの「事情」コラムや語義解説によって英米の日常生活に関する背景知識の充実が図られている。これを機に,『ウィズダム英和辞典』をじっくり読んで,語数だけでなく語の内容の点でも豊かになっていただければと思う。

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【筆者プロフィール】
中山 仁 (なかやま・ひとし)
福島県立医科大学准教授。
専門は英語学。『ウィズダム英和辞典』編集委員。
WISDOM in Depth: #8
2007年 12月 4日 火曜日 筆者: 吉村 由佳辞書の凝縮された記述の裏には,膨大な知見が隠れています。紙幅の関係で辞書には収めきれなかった情報を,WISDOM in Depth と題して,『ウィズダム英和辞典』の編者・編集委員の先生方にお書きいただきます。第8回は編集委員の吉村由佳先生です。
「コーパスの窓」を開けると…
英和辞典には様々なコラムが存在する。それぞれ特色を持っているが,『ウィズダム英和辞典』第2版に登場した「コーパスの窓」はコーパスを利用することで得られた発見を中心にしたコラムである。今回はコーパスの活用が「コーパスの窓」にどう生かされているのか,前置詞のfromの用法に注目してみてゆくことにする。
前置詞 from の典型的用法の一つは,場所を示す名詞と共起するものである。
My sister just called from Tokyo this morning.
Something has been stolen from my room.
こうした出発点・起点を示すfromは場所を示す名詞と共に使われることが多く,日本人英語学習者にとっても「~から」という日本語と結び付けて理解しやすい。
ところが,この from が名詞ではなく副詞や前置詞と共起する場合がある。三省堂コーパスからは以下のような例が見つかった。
Remove the screws protruding up into the faucet from below.
Light was pouring into the shaft from above.
She jumped out from behind the sofa and screamed.
こうしたfromの使い方は日本人にとっては難しいものである。意味を理解する場合にはさほど問題がなくても,会話や作文といった英語による「発信」活動の際にはなかなか出てこない。「~から」という意味だから,場所を示す副詞や前置詞なら何でも使えそうだが,コーパスを見ればそうではないことがわかる。場所を示す副詞・前置詞のうち,典型的に用いられるのはbehind, below, above などで at, on, in はほとんど用いられない。こうした情報を盛り込んだものが以下の「コーパスの窓」である。

この説明と例文を読めば,どのような副詞・前置詞と一緒に使えばいいのか,またどういった句と用いるのが自然かといったことがわかり,非母語話者である日本人がこの用法の from を会話や作文に使う際の手助けとなる。ちなみにコーパスを見ると,この from は come, go, walk, run, move, jump などの動作を示す動詞とよく共起すること,特にbehindが後続する場合は come out, pop up, jump out, step out などの句動詞と共に典型的に用いられることが伺える。
英和辞典には意味を理解する「受信」活動だけではなく,意味を伝える「発信」活動にも役立つ情報がたくさん盛り込まれているが,コーパスを利用すれば「どう発信すればよいのか」の手がかりがつかめる。そうした情報を利用すれば,非母語話者の日本人でも,より自然な,英語らしい英語を発信することが可能となる。「コーパスの窓」にはこうした母語話者の英語使用を反映した多くの「発信」活動のための情報が盛り込まれている。ぜひ「コーパスの窓」を開けてご覧頂きたい。
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【筆者プロフィール】
吉村由佳 (よしむら・ゆか)
京都外国語大学大学院卒。専門はコーパス言語学・辞書学。
『ウィズダム英和辞典』編集委員。
WISDOM in Depth: #7
2007年 11月 30日 金曜日 筆者: 縄田 裕幸辞書の凝縮された記述の裏には,膨大な知見が隠れています。紙幅の関係で辞書には収めきれなかった情報を,WISDOM in Depth と題して,『ウィズダム英和辞典』の編者・編集委員の先生方にお書きいただきます。第7回は編集委員の縄田裕幸先生です。
コーパスから分かる構文情報
英語学習者にとって,ある動詞が取ることができる構文パターンは,英作文などで文の骨格を形作る際に重要な情報である。しかし同じ内容を複数の構文で表すことができる場合,それらの間にどのような違いがあるのか,非母語話者であるわれわれには分かりづらいことが多い。『ウィズダム英和辞典』では,コーパスを活用することにより,構文パターンの量的・質的な差異を記述に盛り込むことができた。筆者が担当した動詞decideを例として紹介する。
他動詞としてのdecideはその目的語として名詞句・不定詞節・that節・wh節[句]を取り,それぞれ「…を/…することを/…かを決める」という意味を表す。問題は不定詞節とthat節の場合で,どちらも訳語の上では「…することを」に対応する。そこで従来の英和辞典では,両者しばしばThey decided to leave. = They decided that they would leave.のような書き換え用例とともに,同一の項目として扱われることがあった。
しかし三省堂コーパスを調査すると,decide + to不定詞とdecide + that節が次のような違いを持つことが分かる。(i) 出現頻度の点ではdecide + to不定詞の方がdecide + that節よりも圧倒的に多い。(ii) 日常的な場面では decide + to不定詞が用いられるのに対し,decide + that節は主語の強い決意・決心を表す場合に好まれる。(i) は用例のヒット数から得られる量的な違いであり,(ii) は検索された個々の用例から分かる質的な差異である。
このような分析結果に基づき,decideの該当項目を以下のように記述した(下の画像はDual Dictionaryにおけるdecideの項からの抜粋)。

具体的な工夫として以下の3点を挙げることができる。第一に,decide + to不定詞とdecide + that節を語義番号1の下位区分 (a) (b) として独立させ,(a) のdecide + to不定詞が高頻度であることを示した(『ウィズダム英和辞典』では語義は全て頻度順で並んでいる)。第二に,decide + to不定詞にのみ「…することに決める」という日常的な訳語を与えた。第三に,それぞれの用例に関しても,両構文のニュアンスの違いが分かる英文例と日本語訳を与えた。
類似した構文が単なる書き換えではないことをコーパスが教えてくれる,よい例である。
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【筆者プロフィール】
縄田裕幸 (なわた・ひろゆき)
島根大学准教授。博士(文学)。
専門は英語学・言語学。著書に『英語学用語辞典』(1998, 三省堂; 共著)など。
『ウィズダム英和辞典』編集委員。
WISDOM in Depth: #6
2007年 11月 27日 火曜日 筆者: 中山 仁辞書の凝縮された記述の裏には,膨大な知見が隠れています。紙幅の関係で辞書には収めきれなかった情報を,WISDOM in Depth と題して,『ウィズダム英和辞典』の編者・編集委員の先生方にお書きいただきます。第6回は編集委員の中山仁先生です。
baggageとluggage―((米))・((英))で割り切れない類義語
center/centreのスペリングの違いやtakeout/takeaway(料理の「テイクアウト」)の語彙の選択について言えば,アメリカ英語(=((米)))とイギリス英語(=((英)))の違いははっきりしている。しかし,従来((米))・((英))の違いという点から区別されてきた語句の中には,必ずしもそのように割り切ることのできないものもある。baggageとluggageの違いがその1例である。
これまで,baggageは((主に米)),luggageは((主に英))と区別されることが多かった。そのため,((米))の文脈ではbaggageを,((英))の文脈ではluggageを当てはめればすべて事足りると判断されても不思議はない。その結果,米国のデパートでかばん売り場を探しても“baggage”は見当たらず,英国の空港で手荷物受け取りのためにバゲージ・クレームを探しても“luggage” claimは見当たらないことに疑問に思うことになる。
この場合,コーパスに基づく分析を行なうと両者の使い分けの実態がはっきりしてくる。三省堂コーパスによれば,baggageの((米))・((英))での使用の割合は約6:4で((米))での使用がやや多く,luggageに関してはほぼ同数である。これにより,両者の使い分けを((米))・((英))の観点から単純に説明できないことがまず予測される。さらに,baggageとluggageそれぞれの前後に生じる語について,頻度順や連語関係の統計処理をするとさらに興味深い結果が得られる。それによると,baggageの直前の語で目立つのが((米・英))excessや((米・英))extra,直後の語で目立つのが((米))claim/((英))reclaimや((米・英))checkである。つまり,baggageは全体の頻度では((米))が多いが,特に空港での手荷物の受け渡しに関しては ((米))・((英))を問わずbaggageが使用される割合が高いことが分かる(各用例の文脈からも空港での使用例であることが確認できる)。
一方,luggageの直前では((米・英))carry-on,((主に英))handなどが,直後では(少数ながらbaggageでは見られない)((米))tumbler(スーツケースの耐久テストに使用される大型の回転筒),((米))salesman,((英))space,((米))storeが目に付く。つまり,luggageは((米))でも使用され,特に商品としてのかばんを指す場合にはbaggageではなくluggageを用いるという傾向が見えてくる。
上記の結果が現場の使用状況と符合するかどうか検討してみよう。米国の航空会社3社のインターネット・サイトで手荷物扱いの案内について見てみると,United Airlinesではbaggageが,Northwest Airlinesではluggageが,American Airlinesではbaggage,luggageともに使用されている(Baggage Tips and Information / How Your Luggage Is Checkedといった具合)。また,英国の航空会社2社(British Airways,Virgin Atlantic Airways)では同様の文脈でbaggageが使用されている。
手荷物の扱いということであれば,鉄道の場合はどうかという疑問も湧くだろう。例えば米国のAmtrakや英国のVirgin Trainsのサイトでは手荷物の扱いに主にbaggageが使用されており,空港と同様の傾向が見られる。ただし,英国の鉄道には一貫してluggageを使用しているところもあり,英国では空港ほどはbaggageが使用されていないように思われる。
ところで,Amtrakの案内にbaggageとluggageを用いた次のような説明がある(太字は筆者):
Please be sure to pack your baggage using sturdy luggage or containers that are capable of withstanding expected handling.
つまり,((米))であっても収納の対象としてのかばんはbaggageではなくluggageで表されるということが分かる。先の,「商品としてのかばん」と合わせて考えれば,同じかばんでも,買って荷物を詰めるまではluggageであり,それを持って旅行に出かければbaggageということになる。
これにより,上記のコーパスの分析は現場の状況を正しく反映していると言ってよいであろう。実際,『ウィズダム英和辞典』luggage欄の類義コラム「baggageとluggage」は本辞典の他の記述部分と同様,コーパスの分析データを単純に取り入れたものではなく,それを基本にその他の関連する情報による検証作業を重ねて慎重に出された結論なのである。

さて,英国の空港でもbaggageが主流とはいえ,例外もいくつかある。例えば,「手荷物一時預かり所」を意味するleft luggage (office) については,代わりにleft baggageを用いる例は少ないようである(ちなみに,((米))ではbaggage room,checkroom)。『ウィズダム英和辞典』では((米))・((英))で用法の異なるその他の複合語の例については,分離複合語の欄や主見出しで個々に表記されている。
最後に,上記で触れなかった,baggageに特徴的な連語関係について付け加えたい。三省堂コーパスによれば,baggageの直前には既に示した語の他にemotional,cultural,ideologicalといった語も多く生じる。この場合のbaggageは「精神的な負担」,「固定観念」という意味でluggageによる言い換えはできない。『ウィズダム英和辞典』ではbaggage欄の第2義の用例にemotional baggageを挙げ,コーパスの分析結果を記述に反映させている。
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【筆者プロフィール】
中山 仁 (なかやま・ひとし)
福島県立医科大学准教授。
専門は英語学。『ウィズダム英和辞典』編集委員。







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