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「日本語キーワードから引くカタカナ類語辞典」について

はしがき

グローバル・スタンダードの時代の到来が告げられるとともに,日本語表現の中でのカタカナ語の位置付けも大きく変わりました.外来語の氾濫を嘆くのではなく,いかにそれを使いこなすかが問題とされる時代となったのです.

コンピューターやITの分野をはじめ,バイオテクノロジーや健康・医療の分野を中心としてカタカナ語は今や欠くべからざる言葉となっています.けれども,一方でカタカナ語をいざ使おうとした場合,正しい本来の意味がわかり,細かなニュアンスを使い分けることができるかというと,はなはだ心もとないのが現状です.

本書は,カタカナ語の表現世界をより豊かなものにするために,カタカナ語の類語や関連語を広く集め,日本語キーワードからの発想によってカタカナ語に到達できるように工夫しました.基本的な類語には用例を付し,「使うため」の辞典としました.

さらに,その見出し項目全体を読み進めることによって,様々な情報や表現の広がりに触れることができるようになっています.個別のカタカナ見出し語についても,{ちょっと語源}{作品}{参考}などの発展情報を随所に記載し,新しい発見にあふれています.

巻末には,カタカナ語の同音異義語と多義語を付録としてまとめ,読者の便をはかりました.また,五十音順カタカナ総合索引を付して,全ての収録カタカナ語を検索できるようにしました.

本書が,幅広く活用されて,豊かで新しい日本語表現を創りあげる一助となることを願っています.

2002年 9月

三省堂編修所