文字サイズ変更
「コンサイス日本地名事典」について

第4版の刊行にあたって

 本書の初版が公刊されてより早くも23年が、第3版刊行からでもすでに9年が経過している。この間、各方面に好評をもって迎えられ、また種々の御助言をいただいたことは、監修者にとって感謝にたえないところである。

 第3版が世に出て間もなく、いわゆるバブル経済が崩壊し、人々の関心は、開発よりも保全、調和のとれた街づくりへと向かうようになってきた。今や地方復権、地方の時代が到来したともいわれている。こうした社会経済情勢に合わせるように、わが町、わが村の誇りとなる自然景観や文化財などをできるだけ多く残しておこうとする傾向が強まってきた。このため、第4版においては、レジャーの場となり、自然保全にもつながる公園などの記載にも意を用いた。行政地名の変遷はもとより、人口その他の数値的データの地名情報を更改したことは言うまでもない。

 本書の特色の一つとして交通関係の記載があげられる。この点に関しては青木栄一氏に御協力をいただいた。そのほか御協力いただいた各位や関係省庁・市町村および諸機関に対し、厚くお礼を申し上げる次第である。

1998年 9月

谷岡武雄