3 主な変更点、追加点

5つの漢字の削除……あまり使われなくなった漢字が削除されました。

  • 勺(シャク)     錘(スイ・つむ)     銑(セン)     脹(チョウ)     匁(もんめ)
    (これらの字は「人名用漢字」に追加された)

「音訓」の追加・削除と変更……下線部は送り仮名です。

  • 《音の追加》
    滑(コツ)     旬(シュン)     中(ジュウ)    (ほかに、「十(ジッ)」は 「ジュッ」とも読める)
  • 《訓の追加》
    委(ゆだねる 育(はぐく 応(こたえる 関(かかわる
    館(やかた) 鑑(かんがみる)   混(こ)    私(わたし) 
    臭(にお 伸(のべる 振(ふれる 粋(いき)
    逝(い 拙(つたな 全(すべ 創(つく
    速(はやまる 他(ほか) 描(か 放(ほう
    務(つとまる 癒(いえる・いやす 要(かなめ) 絡(からめる
    類(たぐ      
  • 《音の削除》
    浦(ホ)
  • 《訓の削除》
    畝(せ)     疲(つからす
  • 《訓の変更》
    側(かわ→がわ。ただし、これまでどおり「かわ」とも読める)

「付表」の語の追加と変更……当て字や熟字訓に関するものです。

  • 《追加》
    海士(あま) 鍛冶(かじ) 固唾(かたず) 尻尾(しっぽ)
    老舗(しにせ) 真面目(まじめ) 弥生(やよい)  
           
  • 《変更》
    一言居士→居士(こじ)  
    五月晴れ→五月(さつき)  
    お母さん→母(かあ)さん
    お父さん→父(とう)さん  
    大和=大和絵、大和魂等→大和(やまと)

都道府県名への対応

改定前は固有名詞全般が対象外となっていましたが、新しい常用漢字表では、特に公共性の高い都道府県名に用いる漢字、それに準じる「韓」「畿」の字と読みには対応が図られました。

  • 《漢字の追加》
    茨 媛 岡 熊 埼 鹿 栃 奈 梨 阪 阜
  • 《備考欄での注記》
    愛(愛媛(えひめ))
    岐(岐阜(ぎふ))
    児(鹿児島(かごしま))
    滋(滋賀(しが))
    城(茨城(いばらき)、宮城(みやぎ))
    神(神奈川(かながわ))
    鳥(鳥取(とっとり))
    富(富山(とやま))
    分(大分(おおいた))
    良(奈良(なら))

「異字同訓」の語の増加

異字同訓の語とは、「温かい/暖かい」や「計る/測る/量る/図る/謀る/諮る」のようなものです。漢字および訓の追加(太字)によって、使い分けに注意を要する、同じ訓をもつ漢字が増えました。

  • あてる…当/充/
  • あと…後/跡/
  • あやしい…怪/
  • いく…行/
  • うた…歌/
  • おそれる…恐/
  • かく…書/
  • かける…掛/懸/架/
  • きる…切/
  • こう…請/
  • こたえる…答/
  • こむ…込/
  • つくる…作/造/
  • つとまる…勤/
  • とらえる…捕/
  • におう・におい…臭/
  • のべる…延/
  • はやまる…早/
  • はる…張/
  • ほか…外/
  • わく…沸/

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