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「日本考古学事典」の内容より

新しい『日本考古学事典』は、さまざまの質問に回答します。

編集代表・田中 琢

●質問:お祝いの赤飯は古代米の赤米に起源があると聞いたことがあります。赤米は原始古代からあったのですか。

回答:出土した最古の赤米は日本で稲作が始ってから千年以上後のものです。項目「米」や「イネ」をお読みください。巻末の索引「この事典を読むために」の「稲作」に関連情報のあるページを集めてますので参考に。

●質問:昔は米を蒸して食べたと聞きましたが。

回答:弥生人は、米を蒸すのではなく、もっぱら煮て食べていました。項目「蒸す」「煮炊き」と巻末「この事典を読むために」の「煮炊き」を参考に。

●質問:韓国旅行で石鍋料理を食べましたが、日本に石鍋がありましたか。

回答:平安時代から室町時代にかけて日本でも広く石鍋を使っています。項目「石鍋」と巻末「この事典を読むために」の「煮炊き」を参考に。

●質問:ワールドサッカーで韓国の犬肉料理が問題になっていますが、日本では犬肉を食べたことはなかったのですか。

回答:食べたことがありました。巻末「この事典を読むために」の「食べる」のなかの「犬肉食」を参考に。

●質問:米がなかった縄文人はなにをどれほど食べていたのですか。

回答:縄文人は地域によっておもに食べたものが違っていたようです。項目「炭素窒素同位体法」や「木の実」と巻末「この事典を読むために」の「食べる」を参考に。

●質問:日本人の好むタコを捕るタコ壺はいつごろからあるのですか。

回答:弥生時代の中ごろ、紀元前後のころからタコ壺漁が始ります。日本独自の漁法のようです。項目「タコ壺」を、巻末「この事典を読むために」の「漁撈具」を参考に。

●質問:いま死者の装束は左前(左衽)に着せますが、高松塚古墳の壁画の人物は左前です。死者の装束だったのですか。

回答:古墳時代の埴輪から高松塚のころまで左前が普通の衣服の着かたでした。その後、政府の命令で右前が正式になるのです。巻末「この事典を読むために」の「左衽」「右衽」を参考に。

●質問:「魏志倭人伝」で倭人の衣服は「貫頭衣」であると読んだのですが、どのようなもので、いつごろまであったのですか。

回答:8世紀ごろまで普段着は貫頭衣だったとする説があります。項目「貫頭衣」を、巻末「この事典を読むために」の「着る」を参考に。

●質問:『源氏物語絵巻』の貴婦人は髪を後に垂れる「おすべらかし」ですが、浮世絵の美人はさまざまの髪形に結っています。古くは結髪はなかったのですか。

回答:高松塚古墳のころまでは髪をさまざまに結っていたようです。項目「髪形」や巻末「この事典を読むために」の「髪形」を参考に。

●質問:復原した竪穴住居の屋根の上に土が被せてあったのですが、竪穴住居はこのような土小屋のようなものだったのですか。

回答:最近、屋根に土を被せた竪穴住居が見つかっています。竪穴住居の構造にも違いがあることが判明しています。項目「竪穴住居」や巻末「この事典を読むために」の「住居」を参考に。

●質問:『万葉集』に「玉藻刈り」「藻塩焼きつつ」と詠った歌があります。「藻塩焼く」製塩法は確認できていますか。

回答:「藻塩焼く」塩づくりがあったことは発掘調査の結果から明らかになっています。巻末「この事典を読むために」の「塩」を参考に。

●質問:縄文時代にも馬や牛を飼っていたのですか。

回答:旧説ではそうでした。しかし、事実は違っていました。項目「ウシ」や「ウマ」、巻末「この事典を読むために」の「飼う」を参考に。

●質問:人は花を愛でます。旧石器人や縄文人はどうだったのですか。古代の庭園にはどのような花樹を植えていたのですか。

回答:死者への献花や庭園の植栽などについて、巻末「この事典を読むために」の「花」を参考に。

●質問:いま日本は長寿社会です。昔はどうでしたか。飢饉や病気など厳しい環境だったのでなかったのではないでしょうか。

回答:巻末「この事典を読むために」の「ヒト」や「病気」を参考にしてページを繰ってください。多様な情報が入手できます。

●質問:北海道はもともとアイヌの人たちが生活していた土地ですが、その生活は本州以南とは違っていたのですか。

回答:今の北海道の歴史は本州・四国・九州とは大きく違っていました。南の沖縄や先島諸島も違った歴史の途をたどりました。巻末「この事典を読むために」の「アイヌ」や「沖縄先史時代」を参考に。

●質問:近年、女性史研究に歴史研究の一つの焦点がありますが、考古学では、女性の問題、男女の問題をどのように取りあげていますか。

回答:女性の問題、男女の性差の問題を日本考古学で論じ始めたのは最近といってよいでしょう。項目「男女」や巻末「この事典を読むために」の「男女」を参考に。

●質問:考古学は、なにをどのように解明するのですか。

回答:この『日本考古学事典』がそれに答えています。

(ホームページ用に執筆していただきました)