現代英語語法辞典

定価
15,400円
(本体 14,000円+税10%)
判型
A5判
ページ数
1,344ページ
ISBN
978-4-385-15165-6

最新の英語語法研究を集大成!

各種文献を参考に独自の考察を加え、近年大きな発展をとげた英語語法研究の成果を詳細に記述。

小西友七 編

  • 一般語、同義語、専門用語など項目数約2,000。
  • 微妙な意味・用法の違いがわかる豊富な現代的例文。
  • 「日本人の英語学習者に有益」との視点に立った、実際に役立つ内容。
  • どこを見れば何がわかるか、user-friendlyな索引を完備。

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編者・執筆者紹介

編者 小西 友七

1917年京都府生まれ。東京外国語学校(現 東京外国語大学)英語科卒、京都大学英文科卒。神戸市外国語大学教授、甲南女子大学教授を歴任、現在神戸市外国語大学名誉教授。専攻は英語学、特に語法・文法・辞書・黒人英語に関心をもつ。英語語法文法学会初代会長。語法研究を学問的レベルに上げた。近年の編著に『英語基本名詞辞典』(2001年、研究社)、『ジーニアス英和辞典 第3版』(2001年、大修館書店)、『グランドセンチュリー和英辞典 第2版』(2005年、三省堂)など。

編集協力者

八木 克正 関西学院大学教授
柏野 健次 大阪樟蔭女子大学教授
岸野 英治 甲南女子大学教授

執筆者

浅田 壽男/阿部 晃直/阿部 初子/磯野 市子/岩崎 康文/上田 俊治/内田 聖二/梅咲 敦子/柏野 健次/要 素子/賀谷 嘉子/川瀬 尚樹/神崎 高明/菊池 繁夫/岸野 英治/木谷 尚代/河野 守夫/小西 英二/小西 友七/菅山 謙正/関 茂樹/高増 名代/田中 廣明/田中 実/辻井 悦子/都築 郷実/中野 道雄/中村 真由美/西川 盛雄/萩原 裕子/濱嶋 聡/平尾 日出夫/巻下 吉夫/松尾 文子/松田 裕/丸井 晃二朗/南出 康世/森藤 庄平/八木 克正/和田 四郎

「まえがき」より抜粋

『英語慣用法辞典』の改訂第3版として、『現代英語語法辞典』を世に送る。この改訂が企画されてから13年、多くの執筆者の協力のもと、ようやく刊行の運びになった。『英語慣用法辞典』2版(以下、旧版)は、大塚高信・小西友七(共編)で1973年に刊行された。それ以後32年の間に、国内・国外合わせて、英語の語法研究は、質・量とも大きな発展を遂げてきた。その32年間は、言語理論の隆盛と、その反対に語法研究衰退の時期でもあった。しかし、今日はまた英語語法研究の復活・復権の時期でもある。英語語法研究は、その対象と領域を広げて、その目標も理論的な基礎も明確になってきた。一般的に使われる用語としても、「慣用法」より「語法」が確立してきた。Usageは「慣用法」「語法」いずれの訳も可能であるが、書名には確立した用語としての「語法」の名を冠することとした。

 1970年代から80年代は語法研究が学問としての地歩を固めるための産みの苦しみの時代であった。「文法(研究)」とどう違うのか、という問いに対して、分かっているようで、はっきりとした答えの出しにくい時代であった。私自身、漸くその答えらしきものを出せたのが、1989年(『英語青年』Vol.135.No.6)であった。

一方、文法(研究)を取り巻く言語研究の環境も変わってきた。

 その変化の第一は、科学的な研究方法の発達である。

 第二に、わが国独自の英語語法研究法の確立である。

 第三に、英語を外国語とするわれわれにとって、かえって母語話者にはわからない事実の発掘や分析成果の蓄積がある。

 このような変貌を遂げてきた語法研究の背景として、次のような事実を指摘することができる。

 新しい包括的文法書の出現
 大規模電子コーパスの発達と独自コーパス
 学習辞典の隆盛
 語法辞典の新刊・改訂
 わが国での実証的研究の進展
 理論言語学の発展深化と研究領域の拡大

 上記のような状況を踏まえ、旧版を改訂する上での基本方針を以下のように定めた。

(1)学問的・実証的な英語研究の成果をとりいれる。各種の文献を参考にしながら、言語事実について独自の洞察を加える。
(2)特に、英語の変化に対応した記述に改める。
(3)英語に関する新たな問題をとりあげる。
(4)日本語を母語とする人達の役に立つ内容にする。英語を母語とする人達には当たり前のことでも、日本語を母語とする人達にわかりにくい問題をとりあげる。特にシノニムは、統語的特徴の差異の説明に重点をおく。
(5)わが国の英語学習文法の内容を見直し、問題点を明らかにする。
(6)実際に英語を書いたり話したりするのに必要な情報を提示する。また、学習者の疑問に答える内容にする。

 上記の基本方針に基づいて、以下のような方針で項目選定を行った。

 旧版から、次のような項目は削除した。一般語句では、英和辞典をみれば分かるような項目('as many'、'aside'、'ay,aye'など)、日本語を母語とするわれわれには不要な同義語('clench,clinch'など)、容認度に揺れがあったが今は確立して普通に辞書で扱われている項目('column,columnist'など)、専門用語では、Bryant調査,Counter words,Frise調査,Johnsonese,Kucera調査,Leonard調査,Mittins調査,Popularized technicalitiesなど、今では古くなった項目。

 一般語句では、次のような新しい項目を選定した。

(i) わが国の英語学習者に必要な項目:'ability to do,of doing'、'come to,get to,grow to'など。
(ii) 新しい発見のある事項:'fail (in)'、'learned'、'less than,no less than'など。
(iii) 従来の認識を修正する項目:'be+to不定詞'、'yes,no'、'never fail to'など。
(iv) 学問の進歩による新しい項目:'I don,t know'、'I forget'など。

 また専門用語として、次のような新しい項目を加えた。 ?新しい研究分野・研究成果に関連する項目:Block  language、Computer corpus and usage、Deixis and usage、Contact verb、Racism and racist language、Sexism、Usage in dictionaries など。 ?伝統的な修辞学的用語、新しい研究成果の著しい項目:Ellipsis、Irony、Latinism、Usage level など。 ?英語の多様性に関する項目:Body language and usage、Business English and usage、Caribbean English、Computerese、Hong Kong English、Indian English、Scientific English and usage など。

 最後に、私も計画立案から終りまでの各段階で懸命に努力したが、不備な点も多いと思う。辞典の賞味期限も短くなった今日、次の改訂準備をすぐ始めるつもりであるが、利用者各位からのコメントやご助言を切にお願いする次第である。

 2005(平成17)年9月

小西 友七