三省堂 中国故事成語辞典 ワイド版

定価
4,290円
(本体 3,900円+税10%)
判型
A5変型判
ページ数
832ページ
ISBN
978-4-385-14097-1
寸法
19.5×13.5cm
  • 改訂履歴
    1991年5月1日
    発行
    2010年7月20日
    ワイド版 発行

中国の古典に典拠のある故事成語3,000項目を収録!

味わい深いことばの宝庫

金岡照光 編

  • 中国の古典に典拠のある故事・成語約3,000項目を収録。
  • すべての項目に出典書名を示し、典拠となった原文を掲げ、読み下し分と現代語訳をつけた。
  • 分かりやすい現代語訳と原文の省略部分の要約もつけた。故事の背景を深く理解し、登場人物の具体像を通して、物語としての楽しさも味わうことができる。
  • 読みやすい大きさの活字。読みやすい紙面。
  • 人生の変わらぬ真理を鋭く突き、人生諸般の機微に触れる故事・成語・成句―今日なお生き続けるこれらの言語遺産の本体を示す。

特長

さらに詳しい内容をご紹介

編者・編修協力者

編者

金岡照光〈かなおかしょうこう〉

1930〈昭和5〉年~1991〈平成3〉年3月。元東洋大学教授。1953〈昭和28〉年、東京大学文学部中国文学科卒業。

◎主著―『敦煌の文学』(大蔵出版)

『敦煌の民衆』(評論社)

『仏教漢文の読み方』(春秋社)

『中国名言辞典』(東京堂出版)

編集協力者

柿市里子〈かきいち さとこ〉…明海大学講師

渋谷誉一郎〈しぶや よういちろう〉…慶應義塾大学教授

長谷川潤治〈はせがわ じゅんじ〉…鄭州大学西亜斯国際学院 外教

遊佐 昇〈ゆさ のぼる〉…明海大学教授

まえがき(ワイド版)

刊行以来ほぼ二十年となりますが、このたび文字を大きくしたワイド版を世に出すこととなりました。

本書の意図したところが多くの読者に受け入れられ、且つ若いかたがたに漢文の奥深い世界を提供できる機会が得られたことを嬉しく思います。

みなさまの、更なるご鞭撻・ご批正を念願いたします。

2010年6月

編集協力者代表 柿市里子

まえがき(初版)

漢文は現代の日本語の中に深く根を下ろし、日本語の中で大きな比重を占めている。中でもとりわけ、故事・成語の類は日常の生活の中に融け込み、挨拶・講話の類にも利用されることが多く、入学試験や入社試験などにもしばしば出題されている。これら故事成語は漢文特有の簡潔で直截な文体をもち、人生の変わらぬ真理を鋭く突き、人生諸般の機微に触れている。

本書は、高校生から一般社会人を対象に、中国の古典に典拠のある故事・成語・成句を採り上げ、その意味、原文、読み下し文と現代語訳とを掲げ、今日なお生き続けるこれらの言語遺産の本体を示そうとしたものである。類似の書物は多く刊行されているが、本書は断章的な引用をできるだけ避け、引用が長文にわたる場合には前後の内容を要約し、全体の意味の展開の中で原義を明確にするように努めた。[訳文]を[原文]に先んじて示したのはそのような理由によるものである。

 本書の原稿作成にあたっては、荒木ラン子 柿市里子 小林徹行 渋谷誉一郎 中村聡 長谷川潤治 曵田宏一 村山郁子 山田利明 遊佐昇の各氏にご協力いただいた。特に、初期の段階からこの仕事の中心となってご尽力いただいた、柿市里子 渋谷誉一郎 遊佐昇の三氏には、最終的な校閲・点検を含めて多くの援助をいただいた。また、校の進行途上において筆者の健康上の障害のため、原田種成先生 関正郎先生はじめ、大島晃先生 鶴島俊一郎先生 濱口富士雄先生に一部をご校閲願い、懇篤なるご意見ご指摘を頂戴した。ここに明記して心より感謝の意を表する次第である。更に、校正の佐藤守氏、常に援助と鞭撻を惜しまれなかった三省堂の塩野谷嘉子氏はじめ編集部のかたがたに心からのお礼を申し上げる。

本書が広く多くのかたがたに迎えられ、あわせて忌憚ない御批正をいただけることを念願するものである。

1991年2月

金岡照光

凡例

一 中国の古典に典拠のある故事・盛叩およそ3000項目を収録し、そのすべてに出典を示した。

二 見出し語句は、今日、日本で一般に通用している語形を掲げた。

三 中学・高校の教科書に採られ、また、広く人口に膾炙する語句50項目は、見出し語句と原文を特に大きな字で示し原文には返り点を施した。

四 見出し語句の下に、出典書名と編名を、詩・文には作者名と題名を示した。

五 解説の構成は次のようにした。

 イ=[意味]には、今日、日本で使われる一般的な意味をまず記述し、次いで原義・転義、字義の説明にんだ。

 ロ=[訳文]には、引用した原文の平明でわかりやすい口語訳を掲げた。引用部分の理解を深めるため原文の前後を( )の中に要約して示した。原文の省略部分も( )で訳出した。

 ハ=[原文]には引用した原文の読み下し文を掲げ、( )の中に原文を白文で掲げた。…… は省略部分を示す。

 ニ=[類句]には、見出し語句に関連する類義の句を掲げた。◆は本文中に見出し語句として掲載されているもの。(…▼で送った項目も含む。)◇は本文中に見出し語句として掲載のないもの。

 ホ=必要に応じて[解説][参考]を設けた。

六 見出し語句および解説の表記は、現代仮名遣いを主とし、漢字は常用の新字体を用いた。それ以外の漢字は原典の文字を用いることを原則とした。

七 見出し語句の解説が、その類句・関連語句と重複する場合は出典と解説を省略し、…▼で、一方を他方に参照させた。

八 見出し語句が他の見出し語句と出典を同じくし、引用部分の訳文・原文が相互に重複する場合は、出典と[意味]のみを掲げ、他方に[訳文][原文]…▼ の形で参照させた。