辞書引き学習・辞書指導

訪問記:千葉・水の江小

2009年7月31日

編集部では、立命館小学校に引き続き、「辞書引き学習」の現場を見ようと千葉県市原市立水の江小学校(鎌田正男校長、児童数838人)をおとずれました。⇒「立命館小訪問記」はこちら

水の江小では「自ら学び、豊かな心でたくましく生きる子」を教育目標に掲げ、ひとりひとりがすすんで学ぶ子に育つようにと、いろいろな活動がなされています。そのなかに「ことばとなかよし」という時間があります。毎週水曜日、登校から朝学活までの15分間、全学年で「辞書引き学習」をする時間として、昨年度から取り組まれているとのことです。(*)水の江小では、この時間帯を朝自習の時間に位置づけています。1年生も2学期から取り組みます。

訪問したのは7月のはじめ。写真のように、どの学年も真剣。つい先ほど元気に登校してきたばかりの子たちが、しっかり席について熱心に辞書を引いています。

 

教務主任の藤川雄先生から、昨年度の取り組みについて、児童からの声を集めた資料を紹介していただきました。

1・2年生では、辞書を引くのが好きになったと答える児童は約9割と多く、辞書を引いて「たくさんのことばがわかった」と実感している子も約9割。「ことばとなかよし」の時間以外にも、積極的に辞書を引く姿が見られるようになったそうです。また、辞書でわからないことばを引くだけでなく、自分の知っていることばを調べて喜んだり、自分が知っていたのと違う意味もあることを知って興味を深めたり……という様子が見られたとのことです。

3年生以上では、「辞書引き学習」を続けたほうがいいと思っている児童が8割以上と、その取り組みが役に立っていると感じている子が多いようです。その理由として「いろいろなことばを知ることができる」「自分のためになる」「達成感がある」「ほかにも、おもしろいことばが見つかる」「わからないことをそのままにすることはよくない」といった声があがっています。

このような児童の積極的な姿を見て、先生方からは「集中力がついてきた」「成就感・達成感を味わうことで意欲・自信がもてるようになった子がいる」との声が寄せられ、「辞書引き学習」は有意義だ、ぜひ続けるべきだという声が多くあがったそうです(なんと100%!)。そして今年度、さらに言語活動を重視した授業へつながるようにと展開していくとのことです。

取り組みを見学させてくださった水の江小学校の皆さま、ありがとうございました。

「辞書引き学習」はいろいろなところで広がりを見せています。編集部では今後もそういった取り組みをご紹介していきたいと考えております。