辞書引き学習・辞書指導

《番外編》 岐阜県立大垣西高等学校「『辞書引き学習』講演会」

2012年7月25日

6月14日、岐阜県大垣市の岐阜県立大垣西高等学校で開催された「出前授業」のひとつとして、「辞書引き学習」も交えた深谷圭助先生の最新教育方法学研究に関する講演会が開催されました。

「辞書引き学習」とはいえ、今回の受講者は高校3年生の生徒さん25名です。

小学生や未就学児で成果を挙げているという「辞書引き学習」法の紹介をうけ、はじめは戸惑いの色を見せていた高校生たちでしたが、「知っていることばを引く」という深谷先生の指導に従って実際に辞書を手にとって引き始めてみると、徐々に調子が上がってきます。45分という短い講演時間ではありましたが、20枚ほどの付箋を貼った生徒さんもいらっしゃいました。一見すると小学生に比べれば枚数が少ないようにも感じられるかもしれませんが、高校生ともなれば、解説にも目を通し、一つひとつのことばの面白さにも関心を寄せながら、ですから、なかなかのものです。その後、講評として深谷先生が付箋の内容を確認すると、大変興味深い傾向も見受けられました。高校生では個性も一層豊かになっており、たとえば様々な人間関係に関心のある生徒さんもいれば、食べ物に関心のある生徒さんもいるなど、一人ひとり関心のある分野がはっきりと浮かび上がってくるのです。「大学」「専門学校」「不安」などのことばを続けて引く生徒さんもいて、現役受験生の揺れ動く素直な胸のうちがうかがわれました。この学習法の思わぬ側面に、高校生たちも目を開かれる思いがしていたようです。

そのようなかたちで辞書に親しむ方法に触れることとなった生徒さんからは、辞書に対する見方が変わった、もっと辞書を引いてみようと思った、などの感想が口々に聞かれ、この「辞書引き学習」の幅広い可能性を感じさせる講演会となりました。

大垣西高校のホームページへ
※「photo news」→「2012年度」→「6月」のところに掲載されています。

「辞書引き学習」の主眼は、単に付箋を貼ることに終始することにあるのではなく、まずは辞書に親しむということにあるものと思います。小学生・未就学児に限定されない「辞書引き学習」の可能性について、引き続き御注目いただければ幸いです。