対談

『新解さん』と『新明国』
―鈴木マキコ(夏石鈴子)さんに聞く、新明解国語辞典の楽しみ方―


話し手:
鈴木マキコ(夏石鈴子)[作家・新解さん友の会会長]
山本康一[三省堂辞書出版部]

『新解さん』と『新明国』―鈴木マキコ(夏石鈴子)に聞く、新明解国語辞典の楽しみ方―
『新解さん』と『新明国』―鈴木マキコ(夏石鈴子)に聞く、新明解国語辞典の楽しみ方―

『新明解国語辞典』の略称は「新明国」。実際に三省堂社内では長くそのように呼び慣わしています。しかし、1996年に刊行されベストセラーとなった赤瀬川原平さんの『新解さんの謎』(文藝春秋刊)以来、世の中では「新解さん」という呼び名が大きく広まりました。その『新解さんの謎』に「SM君」として登場し、この本の誕生のきっかけとなったのが、鈴木マキコさん。鈴木さんは中学生の時に出会って以来、長く『新明解国語辞典』を引き続け、夏石鈴子として『新解さんの読み方』『新解さんリターンズ』を執筆、また「新解さん友の会」会長としての活動も続け、第八版が出た直後には早速「文春オンライン」に記事を書いてくださいました。読者と版元というそれぞれの立場から、これまでなかなかお話しする機会が持ちづらいことがありましたが、ぜひ一度お話しをうかがいたく、このたびお声掛けし、対談を引き受けていただきました。「新解さん」誕生のきっかけ、その読み方のコツ、楽しみ方、「新解さん友の会」とは何か、赤瀬川原平さんとの出会い等々、3回に分けて対談を掲載いたします。また、その後は、鈴木さん自身による「新解さん」の解説記事を予定しています。どうぞお楽しみください。

鈴木マキコ(すずき・まきこ)

作家・新解さん友の会会長

1963年東京生まれ。上智大学短期大学部英語学科卒業。97年、「夏石鈴子」のペンネームで『バイブを買いに』(角川文庫)を発表。エッセイ集に『新解さんの読み方』『新解さんリターンズ』(以上、角川文庫)『虹色ドロップ』(ポプラ社)、小説に『いらっしゃいませ』『愛情日誌』(以上、角川文庫)など。短編集『逆襲、にっぽんの明るい奥さま』(小学館文庫)は、盛岡さわや書店主催の「さわベス2017」文庫編1位に選ばれた。近著に小説『おめでたい女』(小学館)。

山本康一(やまもと・こういち)

三省堂辞書出版部部長。

1966年高知県生まれ。東京大学文学部卒業。国語辞典を中心に多くの辞事典の編集に携わる。担当した辞典は、『大辞林』『新明解国語辞典』『例解小学国語辞典』『新明解類語辞典』『必携用字用語辞典』『コンサイスカタカナ語辞典』など。NPO法人こども・ことば研究所講師。

朗読・カメラ:
荻野真友子[編集部]
『新解さん』と『新明国』―鈴木マキコ(夏石鈴子)に聞く、新明解国語辞典の楽しみ方―

目次

  • 対談『新解さん』と『新明国』その1
    • プロローグ: 迷惑ですか
    • なぜ「新解さん」と呼ぶことになったか
    • 受け取る人の自由
    • 新明解国語辞典との出会い
    • 「口答え魂」の芽生え
    • 作り手と読み手
    • 熱心さの爆発
    • 「ふーん」と「へー!」
  • 対談『新解さん』と『新明国』その2
    • どうやって新明解国語辞典を引いているか
    • 「新解さん友の会」について
    • 「友の会」の「友」とは
    • 人間とは「言い訳」をするものである
    • 自由について
    • なぜ、新解さんについて書くことになったか
    • 文春オンラインと困ったお隣さん
    • 本の仕掛けについて
    • ずっとやっていくこと
  • 対談『新解さん』と『新明国』その3
    • 赤瀬川さんとの出会い
    • 無人島に持って行きますか?
    • 八版について
    • 新解さんは小説を書くか?
    • 新明解国語辞典で期待していること
    • 新解さんの心の中のパラダイス
    • 新解さんとともに
    • 最後に