5つの漢字の削除……あまり使われなくなった漢字が削除されました。
- 勺(シャク) 錘(スイ・つむ) 銑(セン) 脹(チョウ) 匁(もんめ)
(これらの字は「人名用漢字」に追加された)
「音訓」の追加・削除と変更……下線部は送り仮名です。
- 《音の追加》
滑(コツ) 旬(シュン) 中(ジュウ) (ほかに、「十(ジッ)」は 「ジュッ」とも読める) - 《訓の追加》
委(ゆだねる) 育(はぐくむ) 応(こたえる) 関(かかわる) 館(やかた) 鑑(かんがみる) 混(こむ) 私(わたし) 臭(におう) 伸(のべる) 振(ふれる) 粋(いき) 逝(いく) 拙(つたない) 全(すべて) 創(つくる) 速(はやまる) 他(ほか) 描(かく) 放(ほうる) 務(つとまる) 癒(いえる・いやす) 要(かなめ) 絡(からめる) 類(たぐい) - 《音の削除》
浦(ホ) - 《訓の削除》
畝(せ) 疲(つからす) - 《訓の変更》
側(かわ→がわ。ただし、これまでどおり「かわ」とも読める)
「付表」の語の追加と変更……当て字や熟字訓に関するものです。
- 《追加》
海士(あま) 鍛冶(かじ) 固唾(かたず) 尻尾(しっぽ) 老舗(しにせ) 真面目(まじめ) 弥生(やよい) - 《変更》
一言居士→居士(こじ)
五月晴れ→五月(さつき)
お母さん→母(かあ)さん
お父さん→父(とう)さん
大和=大和絵、大和魂等→大和(やまと)
都道府県名への対応
改定前は固有名詞全般が対象外となっていましたが、新しい常用漢字表では、特に公共性の高い都道府県名に用いる漢字、それに準じる「韓」「畿」の字と読みには対応が図られました。
- 《漢字の追加》
茨 媛 岡 熊 埼 鹿 栃 奈 梨 阪 阜 - 《備考欄での注記》
愛(愛媛(えひめ))
岐(岐阜(ぎふ))
児(鹿児島(かごしま))
滋(滋賀(しが))
城(茨城(いばらき)、宮城(みやぎ))
神(神奈川(かながわ))
鳥(鳥取(とっとり))
富(富山(とやま))
分(大分(おおいた))
良(奈良(なら))
「異字同訓」の語の増加
異字同訓の語とは、「温かい/暖かい」や「計る/測る/量る/図る/謀る/諮る」のようなものです。漢字および訓の追加(太字)によって、使い分けに注意を要する、同じ訓をもつ漢字が増えました。
- あてる…当/充/宛
- あと…後/跡/痕
- あやしい…怪/妖
- いく…行/逝
- うた…歌/唄
- おそれる…恐/畏
- かく…書/描
- かける…掛/懸/架/賭
- きる…切/斬
- こう…請/乞
- こたえる…答/応
- こむ…込/混
- つくる…作/造/創
- つとまる…勤/務
- とらえる…捕/捉
- におう・におい…臭/匂
- のべる…延/伸
- はやまる…早/速
- はる…張/貼
- ほか…外/他
- わく…沸/湧