三省堂 辞書ウェブ編集部による ことばの壺
英語語義語源辞典
語の全体像を理解する大項目式の英和辞典。
A Dictionary of English Word Meanings & Etymologies
- 語の全体像を理解する大項目式の英和辞典。項目総数49,000(慣用句も含む)。
- 主見出し語に関連する派生語・複合語を一つにまとめ、語義は記述式の新しいスタイル。
- 見出し語すべてに、【語源】欄を設け、単語理解と発見をもたらす。
- さらに【日英比較】【類義語】【用例】【語法】【参考】【関連語】で読ませる英和辞典。
特長
さらに詳しい内容をご紹介
まえがき
本書は『英語語義語源辞典』と称しているが、ある程度英語力のある人を対象に一般英和辞典と同じように使われることを目指したもので、「語義・語源を重視した英和辞典」と考えていただきたい。一般に英和辞典では語義が1、2、3・・・と番号付けにされ、一つの単語について幾つもの違った意味を覚えなくてはならないという印象が強い。もちろんそれらをよく吟味して関係づけていけば語の全体像が見えてくるのであるがそこまで達するのはかなり大変である。本書では語義を「一般義」(最も普通の意味)と「その他」の二つに分けるだけで番号付けはせず、語義全体の繋がりをできるだけ物語風に展開した。このようにすることによってある語の語義の全体像をかなり容易に見ることが可能になるのではないかと考えたからである。また、意味の理解がしやすいように、そして忙しいときに素早く意味がわかるようにその語の主な日本語訳に当たる語句を太字体で示した。
語源を扱っている辞書では、語源欄は普通は項目の冒頭か最後尾に置かれて本文の記事から遊離した形になっているが、本書ではこれを語義欄のすぐ次に置き、しかも語形の変遷よりも意味の変遷に重点を置いて、意味がどのように変化してきたか、現在の普通の意味はどのようにして出てきたかを一瞥してわかるように工夫した。また、一般に語源欄では記号や言語名の略形が使われるが、それを使うと簡潔ではあるが難しく感じられるので本書では一切それを使わなかった。
語義は必ずしも語源から直線的に派生するとは限らず、同時に複数の方向へ枝分かれすることもあり、また変化の途中が消えてしまったり、あるいは類推によって語源とはかけ離れた意味を持つようになる場合もある。そのような複雑な意味の変化をできるだけわかりやすく述べたつもりである。英語は印欧祖語から発展したゲルマン系の言語であるが、その発展の過程において、ギリシャ語、ラテン語、古ノルド語、フランス語をはじめ非常に多くの言語から度重なる借用を受けてきた。それらを印欧祖語に端を発して非常に詳しく述べていくと、語源専門書に見られるように語源を述べるだけで本書の大部分を費やさなくてはならなくなるであろう。そのようなことは本書の目指す目的に合致しない。したがって語源は特別な場合を除いて古英語もしくはギリシャ語、ラテン語などをもとに簡潔でわかりやすく述べることにした。なお「一般義」は語源の意味と直結するかしないかに関わらずその語の現代における最も普通の意味をあげてある。
以上のように語の意味を中心に説明を展開するために、本書ではある語とその派生語、複合語をすべて一か所に集めて記述する大項目方式(clustering; niching)を採用した。すなわち、例外的な場合を除いて、派生語とともに当該語を第一要素とする複合語はすべて一つの主見出し語のもとに置かれることになった。これは、派生語や複合語は原則として独立した主見出しとし、なるべく追い込み見出し(run-on)をなくすという小項目方式(listing)を採用している現在のほとんどの学習辞典や一般辞典の流れに逆行することになる。しかし大項目方式はある語とその派生語、複合語についての意味をまとめて知りたいときには非常に有効な方式である。ただしこの方式では、派生語の検索が困難になるのでしばしば空見出し(dummy entry)を設けることにした。この点の細かいル-ルについては「この辞書の使い方」を見ていただきたい。
また本書は英国 W&Rチェインバ-ズ社との契約によってCULD(Chambers Universal Learners' Dictionary)から引用した用例を大量に含んでいる。この豊富で正確な用例も本書の特色の一つである。英語の本質的な意味を知りたいと思っている人が、読書の際に本書を普通の英和辞典の代わりに使って下されば幸いだと思う。
本書の主な特色は以上のとおりであるが、その他の点も含めて本書の特色を箇条書きにして列記してみる。
(1) 本書はある程度英語力のある人を対象にして、英語の語義を語源と関係づけながら述べた英和辞典である。
(2) 本書では語源欄を語義欄に続いて置き、語義を1,2,3・・・などの番号で分けることをせず、語源欄と連携して意味の変遷をわかりやすくできるだけ物語風に述べた。
(3) 語義は通例「一般義」(最も普通の意味)と「その他」に分け、「一般義」は最も使用頻度が高い意味と思われるものとした。
(4) 語義は理解と検索の便を考えて日本語訳に相当するものの中で重要なものを太字体で表した。
(5) 語源は通例古英語、ギリシャ語、ラテン語、古ノルド語などから説き起こしたが、語形より意味の変遷に重点を置いた。また他の辞書の語源欄で使っているような種々の記号や言語名の略形を用いず、できるだけわかりやすく説明した。
(6) ある語とその派生語・複合語を一か所に集めて記述する大項目方式を採用した。これは派生語・複合語の意味をまとめて知りたいときに有効な記述法である。
(7) 本書の用例はW&Rチェインバ-ズ社との契約によりCULDの用例を大量に使わせていただいたので、用例についての語法的問題はなく、その点も一つの大きな特色になり得るものと信じる。
(8) 本書では類義語の意味の違いの記述にも力を入れ、また文化についての日英比較にも気を配った。
(9) 語法的な注を必要な箇所に入れ、関連語、対照語、反意語を入念に示した。
(10) 名詞には [C] [U] [CU](C が優勢な場合)[UC](U が優勢な場合)を示し、動詞には(自)(他)の区別を示した。
以上のように本書は一般英和辞典と同じ機能を保ちながら、なおかつ英語の語義・語源に重点を置いて作られた辞書であることをご理解願いたい。
本書を編纂するに当たっては20年の長い年月を費やした。はじめは小規模な語義辞典を作ることから始めたが、途中から折角作るのであれば単に「読むための辞典」に終わらず、英語を読む際常に座右に置いて「引くための辞典」として、一般の英和辞典と同じ規模のものにしようということになり幾多の変遷を経て今日に至った。その間三省堂におかれては非常に辛抱強く見守り励ましていただいたことを深く感謝申し上げる。本書を担当された野村良平氏をはじめ多くの編集部関係の諸氏に心から感謝申し上げる。また辞書全体のシステムについて大変なご苦労をいただいた上西靖子氏に心から感謝申し上げる。また印刷についても多くの方々にお世話になった。ここに記して感謝申し上げる。
本書は編者・編集委員・執筆者一同で精一杯の努力をしたつもりであるが、思わぬ不備な点があるかも知れない。使用者各位のご教示ご叱正を得られれば幸いである。
2004年 1月
編者
英語の語源
(#、\のついた文字は略記です)
本書の語源の記述について
本書では語源を語義理解の助けにするという立場から記述することにする。したがって、語形の変化よりも意味の変遷に重点を置き、語形については最低限必要と思われるもののみを示した。また語源の記述を親しみやすく読みやすいものにするために、語源辞典をはじめ多くの一般辞書の語源欄のように記号を使わず、できるだけ物語風に書くように努めたつもりである。たとえば、一般に語源は(<)の記号を使って現代のものから次第に溯って記述するのが普通となっているが、本書では古い方から書き始めて現代に至るようになっている。したがって<の記号は使っていない。また現代のロ-マンアルファベット以外の文字、たとえば古英語のソ-ン(#P)やエズ(#dh)は用いずにすべて th で表した。ただし、アッシュ(#<ae>だけは音声記号にもあり理解されやすいと考えて使うことにした。また、ギリシャ文字をはじめその他の言語の文字もすべてロ-マ字化して示してある。さらに、アクセント符号やマクロン(macron; 文字の上に横棒を付ける長音符号)などの分音符号も古英語、フランス語と一部のギリシャ語の場合を除きなるべく省略した。そういう点で多少の不正確さはあるが、本書の読みやすさ、親しみやすさという目的から考えてご了解願いたい。 </ae>
なお一般に語源を述べるには印欧比較言語学に則って印欧祖語まで溯るのが普通であるが、本書では特別な場合以外はそれをせず、たいていの場合、古英語、ラテン語、ギリシャ語などから説き起こしてある。なお、印欧祖語とはヨ-ロッパおよびインド、イランなどの言語のもとになった再建言語で、紀元前三千年紀にヨ-ロッパあるいはアジアのどこかにあった言語と考えられている。
本書の語源欄で唯一使った記号はアステリスク(*)である。これは再建形、あるいは想定形を表す記号で、たとえば印欧祖語のように実際の文献による証拠が残っていない場合に想定された語形に対して使われる記号である。これは実際の形ではないものにはその旨を示す必要があると思い用いることにした。
次に語源欄に現れる各言語について述べる。
古英語(449―1100)
英語はゲルマン語族に属する言語でその成立はブリテン島において5世紀頃と思われる。ブリテン島にはそれ以前にはケルト人(Celts)が住んでおり、紀元前55―54から406―407年まではロ-マ軍が占領していた。その後449年からヨ-ロッパ大陸のドイツ北部やデンマ-クのユトランド半島付近からアングル人(Angles)、サクソン人(Saxons)、ジュ-ト人(Jutes)が移動してきてケルト人を追い払って住みついた。彼らはゲルマン系の言語を話しておりそれが後に英語と呼ばれるようになったのである。
成立から1100年頃までの英語を古英語(Old English )と呼ぶ。古英語には大きく分けて四つの方言があった。西サクソン方言(West Saxon)、アングリア方言(Anglian)、ケント方言(Kentish)、さらにアングリア方言はハンバ-川に遮られて北のノ-サンブリア方言(Northumbrian)と南のマ-シア方言(Mercian)とに分かれていた。これらの中で、文化の振興に熱心だったKing Alfred のおかげで、多くの文献が残っていて現在古英語の代表として扱われているのは西サクソン方言である。ただし現代英語はマ-シア方言から発しており、西サクソン方言とは直結しない。
侵入したゲルマン人たちはル-ン文字(runes)と呼ばれる碑文用の直線からなる文字を使っていた。ロ-マンアルファベットが普及するのは7世紀以後彼らがキリスト教に改宗してからである。古英語のスペリングではscは{\p sh}、cgは{\ddh}、c は/k/と/tsh/音を表し、g は{\p g}と{\p j}音を表した。したがって、scip, brycg, drenc, regn はそれぞれ現代英語の ship, bridge, drench, rain とほとんど同じ発音である。
古英語の時代に英語に大きな影響を与えた事件としてヴァイキング(Vikings)の侵入をあげなくてはならない。ヴァイキングはスカンジナビアの海賊であるが、当時はヨ-ロッパ一帯を荒らし回った国家的海賊といってもよい人々である。ブリテン島中部・東部にはデンマ-ク人、北部にはノルウェ-人がやってきた。彼らの言語については、本書の語源欄では古ノルド語(Old Norse)を代表として用いている。彼らはブリテン島には8世紀の後半から侵入を開始し、各地を荒らし回っただけでなく、一部の者は定住してブリテン島を植民地化した。当時ロンドンからチェスタ-に至る線の東部のすべてがデ-ンロ-(Danelaw)と呼ばれる彼らの植民地になった。彼らは西サクソンも征服しようとしたが、アルフレッド王がよく戦ってそれを防ぎ、遂に1014年に和解してデ-ン人の王クヌ-ト(Cnut)がイギリスの王となった。この事件は英語に大きな影響を与えたが、その影響の多くが現れるのは中英語になってからである。
中英語(1100―1500)
1066年、フランス北部に定住したヴァイキング、すなわちノルマン人のブリテン島侵入をきっかけにイギリスの言語事情は大きく変わった。彼らの話していた言語はノルマン人のフランス語すなわちノルマンフランス語であった。しばらくの間は公用語にはラテン語およびフランス語が用いられ、上流階級ではフランス語が盛んで、英語は庶民の間のみで話された。しかしそういう状態も13世紀後半には終わりを告げた。およそ1100―1500年頃の英語を中英語(Middle English)という。中英語は大まかに言って北部方言、中西部方言、中東部方言、南部方言、ケント方言の五方言に分かれていたが、実際には全く統一を欠いていて地域ごとに異なる英語が使われていた。また古英語よりもかなり語形変化が簡略化され、現代英語に近い形になった。中英語は古英語から近代英語への過渡期と考えられ、音韻も語彙も文法も徐々に変化していたので古英語の時代よりもさらに各地の言語は流動的であった。
初期近代英語(1500―1700)
1500年頃を境に英語は初期近代英語(Early Modern English)へと発展した。初期近代英語とは1500年から1700年頃までの英語を言う。ほとんど現代英語に近いがまだ多少古い形を残していた。しかしこれらの古い形も18世紀以降は使われなくなり現代英語となったのである。中英語から初期近代英語への変化の過程において、15―17世紀頃には英語の長母音が大きく変わる大母音推移(the Great Vowel Shift)が起こった。これは、まず{\p i:}と{\p u:}音が二重母音{\p ei}と{\p ou}に変わり、その位置に{\p e:}と{\p o:}音が上がって{\p i:}と{\p u:}音になる。次にそれらの位置にさらにその下の音が繰り上がるというように英語の長母音の舌の位置が順番に繰り上がる変化である。またこの頃はイギリスにおけるルネッサンスの時代で、古典ギリシャ語、古典ラテン語の研究が盛んとなり、それらの言語をはじめ種々の言語からの借用語が流入した。
ケルト語
ゲルマン人たちが侵入したブリテン島にはケルト人が住んでいたが、ケルト語からの借用は地名などの固有名詞を除いてはほとんどない。これは侵入者とケルト人との日常的な交流がほとんどなかったことによると思われる。
ラテン語
英語の借用語にはラテン語を語源とする語が多い。それらは借用の時代によっていくつかのグル-プに分けられる。
(1) 大陸時代
ゲルマン人たちがブリテン島への侵入以前、まだ大陸にいた時代にすでにロ-マ人だちから100語を超える借用をしていた。ラテン語をL,古英語をOEで表すと、それらはstreet(L strata;OE {\a str<ae>=t}),-chester(L castra;OE ceaster), wine(L vinum;OE {\a wi=n}), cheese (L caseus;OE {\a ci=ese}), dish(L discus;OE disc)などである。 </ae>
(2) 古英語時代
イギリスにおけるキリスト教の布教活動は6世紀末から始まるが、それ以後キリスト教関係の語を中心に alms, creed, disciple, mass, monk, nun, pope, paradise などの語がラテン語から借用された。またこの時代には借用語に英語独自の接辞を付けて、たとえばCrist(キリスト)から cristnian(= to christen;洗礼を施す)のような混成の派生語が作られた。
(3) 中英語時代
中英語ではノルマン人を通して大量のフランス語が流入するが、フランス語はラテン語系の言語なので語源を辿ればラテン語に行き着く。さらにその先はギリシャ語に至るものが多いが、本書では通例「ラテン語が古フランス語を経て中英語に入った」というような書き方で表している。
(4) 初期近代英語時代
15―16 世紀はイギリスのルネッサンスの時代であり古典ギギシャ語、古典ラテン語の研究が盛んでこれらの古典語からの借用語が流入した。ラテン語にはキケロ(Cicero)やヴァ-ジル(Vergil)などの使った文学・学術のための文語的な紀元前 1世紀から紀元後 2世紀頃の古典ラテン語、ラテン語の口語であり後にロマンス系のフランス語、イタリア語、スペイン語などのもとになった俗ラテン語(Vulgar Latin)があり、その他に時代によって2世紀後半から6世紀終わり頃までの後記ラテン語、600年頃から1500年頃までの中世ラテン語、さらにルネッサンス以後の新ラテン語などがある。初期近代英語に借用されたのはほとんどが古典ラテン語である。これらの借用語は当時はほとんどが日常レベルのものたは考えられない語であったから、学者が勝手に机で考え出した語ということで inkhornterms 「インク壺語」と皮肉って呼ばれたのであるが、後にそれらの内のかなりの語は定着して英語の語彙になっていった。これらの中には abolish, absolute, absurd, accidentなど今日ではごく普通の語が多く含まれている。
(5) 現代英語
現代英語においても学名などをギリシャ語、ラテン語の語幹、接辞などを用いて造ることが行われている。
ギリシャ語
英語におけるギリシャ語はほとんどがホメロスやプラトンの頃の古典ギリシャ語でラテン語、フランス語を経由して借用された。しかし、初期近代英語以降には直接古典ギリシャ語からの借用も出てきた。本書では単にラテン語が語源のように書いてある場合もギリシャ語がその元であることがしばしばある。
フランス語
1066年のノルマン人の英国征服によっておびただしい数のフランス語が英語に流入することになった。それらは政治、宗教、法律、軍事、料理、衣服、装飾、狩猟、医学、学問、芸術などの各分野にわたっている。これらの中にはノルマン人が持ち込んだノルマンフランス語(アングロフランス語、アングロノルマン語ともいう)の他に後になって入ってきたパリのフランス語(フランシャン語)やフランス東部の方言も含まれている。たとえば、guard, ward; regard, reward のような二重語において -w- の付く語はノルマンフランス語の特徴である。-w- の付く語は本来ゲルマン系の語で、ノルマン人たちがもとは北方から来たゲルマン人の子孫であることを示している。
古ノルド語
ブリテン島へのヴァイキングの侵入は古英語の時代であったが、彼らの言語からの借用は古英語の文献に現れるものが数えるほどしかなく、その多くは中英語になってから現れる。古英語の文献のほとんどがヴァイキングと接触しなかった西サクソン語であるためと、定住したヴァイキングと住民たちとの自然な交流が行われるようになってから借用語が定着したからであろう。古ノルド語は英語と同じゲルマン系であるため、類似形が多く古ノルド語起源と断定できないものもある。それらの借用語には anger,cake,die,guest,husband,leg,race,ill,skill,skin,skirt,sky,sly,steak,take,want などの日常的なものが多い。さらに they,their,themといった文法的な語まで借用している。古ノルド語からの借用語はかなりの数があり、しかも日常的に使用頻度の高いものが多いが、総数においてはフランス語やラテン語からの借用語の比ではない。
高地ドイツ語と低地ドイツ語
ゲルマン語の中で特有の子音推移を経た言語、すなわち英語と対比すると
英語 高地ドイツ語 例 p → f, pf ship, Schiff; pipe, Pfeife d → t cold, kalt; deep, tief v → b over, ober; knave, Knabe t → z, tz to, zu; ten, zehn
のような子音推移を経たドイツ南部の言語を高地ドイツ語(High German)、そのような子音推移を経ていないドイツ北部や北海沿岸の平地の言語でオランダ語を除いた方言を一般に低地ドイツ語(Low German)という。高地ドイツ語では、1100年頃までを粉高地ドイツ語、1550年頃までを中(期)高地ドイツ語という。それ以後は近・現代ドイツ語である。低地ドイツ語にはづるい文献派なく普通は中(期)低地ドイツ語から。
オランダ語
中英語の時代には英国とオランダは織物などの商業を通して密接な関係にあり、商業、技術、航海関係の用語がオランダ語もしくはその周辺の低地ドイツ語から英語に入った。
その他の言語
イギリスは世界に多くの植民地を持ち、国威が上がるにつれて英語が世界の多くの地域で母語として、あるいは第一外国語として使われるようになり、それまでのフランス語に代わって世界の外交語、共通語として使われるようになった。それと同時に英語の高い受容性から多くの言語からの借用が行われたのである。すなわちドイツ語、ロシア語、中国語、日本語をはじめ多くの言語からの借用が盛んになった。
また17世紀にアメリカの開拓が始まり、やがてアメリカ合衆国が成立してアメリカ英語がイギリス英語とともに発展することになった。アメリカ英語には先住民のインディアン語が流入し、またスペイン語、ドイツ語、オランダ語などからも借用が行われた。この結果、現代英語の語彙は多くの借用語を含み、語彙の豊富さを誇っている。
読者カードより
60代/男性/東京/3/31/朝日新聞を見て
○語源の知識により一層英単語の理解が深まる。これは一般の英和辞典では望めない。
70代/男性/奈良/3/31/「英語教育」を見て
○英語の研究に非常にhandyで助かります。いわゆる語源辞典は大冊で、わざわざ引くのがおっくうになります。その点、本辞典はすぐ引けて助かります。
70代/男性/千葉/4/5/実物を見て
○旧制中学で初めて購入した辞典が最新コンサイス英和辞典でした。その後、いくつかの英和辞典を使いました。もう欲しいと思われる辞典は出ないと諦めかけていたところ、この辞典を予想もしない書店で見つけました。老人には不要の物と思ったが、今まで大英和などをたよりにするしかなかった語源、どんな辞典にもない魅力あふれる語義の記述、これを買わずに何の己が英語人生かと、一日じっくり考えて、やむにやまれず書店に駆けつけた次第。
70代/男性/広島/4/7/朝日新聞を見て
○教養としての英語の勉強を毎日行っております。語義語源を調べることで記憶力の減退を少しでも少なくしたい。この語源には思いもしない発見があり、楽しい。
30代/男性/神奈川/4/8/実物を見て
○予備校で英語の教師をしています。講義での解説の傍証として歴史的な語義ついて話が及ぶことも多く、解説のしっかりした辞典を望んでいました。既存のものは読みにくく、また解説不足、省略の多さなどがあり、馴染めなかった。この辞典を見て「これだ!」というshockに似た感覚があり、値段がやや高価ですが今手元で活躍しています。
30代/女性/東京/4/8/人にすすめられて
○日常わからない単語を調べる目的で購入しました。使いやすさ、わかりやすさに驚きました。一つ一つの語義や語源が断片的ではなく、つながりとして入ってくることは読む側の吸収のしやすさに関わってきて、今まであちらこちらの辞典を引っぱりだし、自分で何とかつなげていた時との違いを感じました。これはある程度英語力のある人を対象として作られたようですが、初級者でも英語に苦手意識の人にも親しみを持たせるのでは?
20代/男性/東京/4/10
○特殊辞典としての類書は少なく、主に言語の変遷を考察するための基礎の辞典として購入しました。収録された語数は非常に多く一語一語の記述にも熱意を感じた。「まえがき」から類推すると「読むために」にもっと特化してもよかったのでは?
70代/男性/埼玉/4/12/実物を見て
○単語を効率的に理解するために1語から派生する単語の関連、特に語源がどう変遷してきたのか教えてくれる辞書を探していた。この辞書の構成が役立つと思い購入し、早速活用している。
50代/男性/愛媛県/4/16/書店で実物を見て
○本当に英語を自分のものにしようとすれば、語源をおさえておかなければならない。どうして「ショッピングカート」がtrolleyというのか理解できた。