さらに詳しい内容をご紹介

はじめに

韓国語を学び始めると,あることに気づきます.それは,たとえば英語やフランス語などに比べると,何だか日本語に似ているということです.

もちろん,韓国語は日本人にとっては英語やフランス語と同じく外国語であるわけですから,日本語にはないむずかしい発音や一から覚えなければならない文法の約束事がたくさんあります.しかし,韓国語と日本語には,以下のような共通点・類似点があります.

①語順がほぼ同じであること.

②助詞があること

③文末で意味内容が決定されること.

つまり,韓国語は日本語と同じく,用言（動詞や形容詞）がさまざまに活用することによって文を組み立てていく言語なのです.したがって,動詞や形容詞の活用のパターンを覚えることが非常に重要です.

本書は,できるだけ効率よく韓国語の用言の活用変化をマスターできるように作成しました.韓国語能力試験の4級レベルによく出題される重要動詞150と重要形容詞50を見出しとして,日本語の代表的な活用形に相当する韓国語の活用形が一目で分かるようにしました.活用形ばかりではなく,助詞や補助動詞との結びつき方も示してあります.その活用形が使われる日常的な例文が示してあるので,より理解を深めることができます.

また,韓国語にはカナ発音が付いていますので,発音の参考にしてください.このカナ発音は,一部,2001年の韓国におけるローマ字表記改正の趣旨に添った表記が充てられています.（例：釜山 pusan → busan「ブサン」）.

巻末には,韓国国立国語院が選んだ学習語彙から最重要の約700語が「覚えておきたい単語」として掲載されています.この中には,名詞・代名詞・依存名詞・固有名詞・副詞・数詞・冠形詞が含まれています.また,よく使われる助詞については例文つきでまとめてありますので,日本語と似ている助詞・似ていない助詞を区別して覚えてください.

付録CDでは,主な活用パターン別に,用例まで含めてネイティブ音声が聴けるようになっています（本文1～34頁）.音声CDと併用していただくと,さらに学習効果がアップするはずです.

本書は,龍谷大学准教授　泉文明先生と作新学院大学非常勤講師　宋美妍先生に全体の監修をお願いいたしました.

辞書にはいちいち挙げることのできない活用形の用例を集中して学べる本書は,大学や高校などのテキストとしても,また,独学自習の参考書としてもお使いいただけることと思います.

2008年2月

三省堂編修所