万葉仮名と平仮名その連続・不連続

定価
3,960円
(本体 3,600円+税10%)
判型
A5判
ページ数
240ページ
ISBN
978-4-385-36167-3

平仮名成立の謎に迫る。

内田賢德 乾善彦 編

平仮名はどのようにして万葉仮名から成立したのか。日本語史・書道史の研究者が新発見の資料に基づいて縦横に議論したシンポジウム(2017年8月、於・京都大学)をもとに生まれた論文集。万葉仮名をくずしていくうちにできたとする通説を徹底批判し、新たな知見からそのミッシング・リンクを見出そうとする気鋭の論文を収録。また、上代日本語の用字法・音節と新発見の資料について解説したコラムもあわせて収録。

特長

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編者・執筆者紹介

編者

内田賢德(うちだ・まさのり)

京都大学名誉教授

乾 善彦(いぬい・よしひこ)

関西大学文学部教授

執筆者

遠藤邦基(えんどう・くにもと)

奈良女子大学名誉教授

奥田俊博(おくだ・としひろ)

九州女子大学人間科学部教授

奥村悦三(おくむら・えつぞう)

奈良女子大学名誉教授

佐野 宏(さの・ひろし)

京都大学大学院人間・環境学研究科准教授

澤崎 文(さわざき・ふみ)

宇都宮大学大学院教育学研究科専任講師

中山陽介(なかやま・ようすけ)

國學院大學大学院文学研究科博士課程前期在学

長谷川千秋(はせがわ・ちあき)

山梨大学大学院教育学研究科教授

(肩書はいずれも本書刊行時のもの)

目次

はしがき

基調報告 平仮名成立まで  内田賢德

コラムⅠ 上代日本語の用字法

コラムⅡ 上代日本語の音節

第一部 文字環境としての漢字文献

漢字文献の仮名とその展開 ―訓字と仮名の揺らぎをめぐって―  奥田俊博

第一部の綜括  乾 善彦

第二部 平仮名の登場

平仮名成立の諸要件  中山陽介

「かな」と真仮名の連続と不連続を考えるために  長谷川千秋

思うままに書けるように ―「仮名」が「かな」になる過程を考える―  奥村悦三

第二部の綜括  乾 善彦

コラムⅢ 新発見の資料

 平安京右京三条一坊六町跡(藤原良相邸跡)出土仮名墨書土器

 山梨県甲州市ケカチ遺跡出土和歌刻書土器

第三部 万葉仮名と平仮名

漢字の表意性から見た「かな」の成立  澤崎 文

仮名の成立について ―万葉仮名から「仮名」へ―  佐野 宏

濁音専用仮名はなぜ萬葉仮名から継承されなかったか  遠藤邦基

第三部と全体の綜括  内田賢德

研究の展望  乾 善彦