アラビア語の世界 歴史と現在

定価
11,000円
(本体 10,000円+税10%)
判型
A5判
ページ数
616ページ
ISBN
978-4-385-36466-7

イスラム理解に必携の書!

ケース・フェルステーヘ 著/長渡陽一 訳

世界の大言語にして最重要言語のひとつであるアラビア語。

その歴史と現在を、はじめて総合的に解明した画期的名著の完訳。

言語学のみならず、歴史、宗教、文学、社会、政治など、多分野のイスラム理解に必携。

特長

さらに詳しい内容をご紹介

序文(第2版)

大学を退職する直前、これからの仕事として何かおもしろいことはないかと探していたちょうどその矢先に、エジンバラ大学出版局からこの本を全体にわたって改訂して出版してはどうかというオファーをいただいた。全面的に見直して、最新の情報を入れる機会を提案してくださったおかげで、古くなっていた本書がもう一度息を吹き返すことになった。この改訂版ではさまざまな変更をおこなった。まず、章を増やした。アラビア語の文法構造に関する章を2つに分け、1つはアラビア語を現代言語学の視点から(第6章)、もう1 つはアラブ伝統文法学の視点から(第7 章)概観するものとした。また、アラブ世界の社会言語学的な側面についての章も2 つに分け、1つは言語二層状態(ダイグロシア)について(第13章)、もう1つはフランスの植民地であった国々の言語状況について(第14章)扱った。新たな章として、アラビア語のピジン語・クレオール語の章を加えた。初版以降、ピジン語・クレオール語については非常にたくさんの研究が現れた。Fida Bizri による「奥様ピジン語」という新ピジン語の記述は、ピジン=アラビア語と対外国人話体の研究を切り開いたものである。もう1つ、アラビア語などの転写方法についてじゅうぶんな説明をつけ加えた。初版ではこれを省略したが、いくつかの書評でご批判をいただいていた。ここにはアラブ関連の諸研究で慣習的に使っている転写と、IPA(国際音声字母)による転写についての説明を加えた。

文献一覧を改訂することも、第2版の重要な役割であった。1997年から2013年までの間には、膨大な数の研究が出版された。5 巻からなる『アラビア語とアラビア語学百科事典(Encyclopedia of Arabic Language and Linguistics)』には、アラビア語の歴史や文法のテーマについて500を超える記事が載っており、しかもそれはあらゆる方言にわたっている。方言地理の分野では、さまざまな方言地図帳が出たことを忘れてはならないであろう。Peter Behnstedt とManfred Woidich による大規模な『アラビア語方言の単語地図帳(Wortatlas derarabischen Dialekte)』は第2巻まで刊行され、ほかにも完成したもの、まだ作成途上のものなど、さまざまな方言地図帳がある。

本書の文献リストに載せた研究は数多い。これらの多くは JSTOR といったインターネット=サイトで得ることができるが、残念ながら大学に所属している研究者しかそのようなサイトに登録ができない。www.academia.edu から無料で入手できる、アラビア語やアラビア語学に関する研究はますます増えており(現時点で1,000点以上)、登録すればそのデータベースから論文のPDFファイルをダウンロードすることができる。

最新の知見によって私が考えを変更した部分もある。まず、Michael Macdonald によってイスラム以前のアラビア半島の新しい言語地図が出され、他にもすべては追い切れないほどの新しい情報が出ており、それによってこの分野での方向性は修正を迫られている。イスラム以前の時代のアラブ人について、Jan Retsö が出した本には、アラブ人の歴史的位置に対するまったく新しい視点が入っている。アラビア語史に対する Jonathan Owens の見方は私の見方とは根本的に違っているが、彼の本はどれも刺激的で、とくにそのアラビア語史に関する本によって私は考えを改めることになった。アラブ世界以外でイスラム教教育に、アラビア語ではなく現地の通俗語がつかわれていることを書いたTravis Zadeh の本は、小さなことかも知れないが、私にとってはアラビア語とイスラム教の拡大に対する新しい視点であった。Enam Al Wer は方言内でのさまざまな違いについて書いており、威信方言の影響に気づかせてくれた。古典アラビア語の影響のおよぶ範囲については同意しないものの、古典語とは別の、威信ある模範の影響を過小評価してはならないことを学んだ。また、正真正銘の方言が文字で書かれているということにまだ完全には納得していないものの、一部、Jan Hoogland とGabriel Rosenbaum による情報を通して、その可能性について認識するようになった。

アラビア語の社会言語学的な研究では、Catherine Miller による都市化とそのアラビア語への影響についての研究、Gunvor Mejdell とReem Bassiouney による言語混合についての研究をはじめ、新しい研究がたくさん出ている。

中東や北アフリカにおける最近の出来事は政治状況を変えただけでなく、言語の様相をも変えている。これにはインターネット投稿交流媒体や国際的なニュース放送局の役割が大きい。イスラム教の説教師の中にも、現代風の説教師が方言を使うようになってきているなど、政治的、宗教的なさまざまな変化の中で、口語を使うことに対して、人々が新しい考え方をもつようになっていることがわかる。マグレブ諸国では21世紀初頭から、ベルベル語(アマズィグ語)や、社会のアラビア語化に対する政策が大きくかわってきている。

最後に、アラビア語学に携わる研究の世界も大きくかわりつつあることをつけ加えておく。言語学的な研究へのアラビア語の母語話者の参加は、本書の参考文献からもわかるように、この数十年で劇的に増えた。とくに一般言語学など、いくつかの分野では、大部分の研究者がアラビア語の母語話者である(研究のほとんどは英語で書かれている)。初版では、読者に、アラビア語を知らなくてはならない、あるいはアラビア語で文献を読まなくてはならないなどと思わせたくなかったために、意図的にアラビア語による文献は載せなかった。この方針を改訂版では変えることも考えたが、最終的には同じ方針のまま行くことにした。そのために、圧倒的大多数の参考文献は英語で、フランス語とドイツ語がそれに続いている。

毎度のことながら、Manfred Woidich 氏(在ネルトリンゲン市)は、アラビア語方言、とくにエジプト方言についての情報を提供し、執筆を支えてくださったが、とりわけJan Hoogland 氏(在ラバト市)がモロッコの言語状況についての情報を提供してくださったことにお礼を申し上げたい。本書の日本語訳に取り組んでいる長渡陽一氏は、初版におけるたくさんの間違いをリストにして送ってくださり、非常にありがたかった。このリストには、これまでの書評でも拾いあげられることのなかった間違いが拾いあげられていて、たいへんありがたいというほかない(中でも最悪の間違いは、スィーバワイヒの生誕地をハマダーンとしてしまっていたことである!)。Muhammad Sharkawi 氏には、本書のアラビア語訳を準備し、2003 年に『al-Luġa al-ʽArabiyya』という題名で出版していただいて感謝している。

エジンバラ大学出版局の編集者、とりわけMichelle Houston 氏とJennyPeebles 氏には、改訂版が完成するまで、その成功を信じて忍耐強く待っていただいたことを感謝する。


バーテンブルクにて、2013年7月

序文(初版)

「かつて、ある法学者が、『アラビア語を完全に使いこなすことができるのは、ただひとり預言者のみである』と語った。この言葉は真実をついている。それは、われわれの知る限り、この言語をまるごと記憶しているといえる者などいまだかつていなかったからである。」(イブン=ファーリス著 『言葉学に関するサーヒブの書』 p. 26)

本書の目的は、2億人を超える母語話者をもつアラビア語の歴史を概観することである。7世紀に初めて世界語としてその姿を現わして以来、2種類の異なるアラビア語が併存することがこの言語の特徴となっている。1つは標準語(a standard language)で、威信ある位置を占め、宗教語、文化語、教育語として崇敬の対象となっている。もう1つは通俗語(a vernacular language)で、ほとんどの人は、この通俗語の母語話者であり、社会における生得のコミュニケーション手段である。この併存する2つのアラビア語の間の関係が、本書の主要なテーマを成している。

本書は基本的に時系列にもとづいて構成されている。西欧におけるアラビア語研究について紹介した後、第2章でセム諸語の中でのアラビア語の位置を、第3章ではアラビア語が歴史的にどのように成立したかを扱う。次に、イスラム出現の直前の時期のアラビア半島の言語状況について検証する(第4章)。アラブ軍による征服の過程の中で、預言者ムハンマドの死後、アラブ人の宗教とともに、アラビア語は地中海世界や中東世界の大部分へと進出していった。続く2つの章では、アラビア語が文語の標準へと発展していく様子を分析する。第5 章では、文学語、行政語としてのアラビア語の役割を描く。第6章では時系列の枠からはずれ、アラビア語のしくみを、ある種、かわった視点から議論する。それは、アラブ文法学者たちの視点であり、彼らは自分たちの言語を、西洋の方式とは多くの点で異なる方法によって分析しているのである。アラビア語の話者と被征服地の住民との接触によってアラビア語が再編されることになり、それが標準語と通俗語の関係へとつながっていった。第7章では、アラビア語のさまざまな通俗語の成立について説明を試みる。第8章では、いわゆる中層アラビア語(Middle Arabic)と呼ばれるタイプの文面に現れている、通俗語からの影響を分析する。

続く2つの章では、現代アラビア語諸方言の研究を扱う。第9章はアラビア語諸方言の分類と方言地理について全般的に紹介する。第10章では、いくつかの主要な方言の特徴を扱うが、そのために各方言の実際の文例もごらんいただく。

第11章では、19世紀に現代標準アラビア語が成立していくさまを検証し、第12章では、現在のアラビア語世界における標準語と方言の間の社会言語学的な関係を扱う。

最後の2つの章は、アラブ世界の外側でのアラビア語を扱う。1つはいわゆる言語飛び地での少数派言語としてのアラビア語(第15章)、もう1つは、イスラム教が多数派を占めるイスラム諸国での宗教語としてのアラビア語(第17章)である。

本書は、概説的な教科書をめざしているので、大量の脚注をつけることはさけたが、その知見の多くは、いうまでもなく既存の文献によるものである。各章で用いた主な資料に関する情報は、その章に付した文献案内に示した。また、具体例を引用したものについては、その引用文の箇所に出典を示した。


手書きの原稿を読むことをいとわず、有益なコメントをしてくれた研究仲間たち、Erik-Jan Zürcher, Harald Motzki、Wim Delsman、Gert Borg の各氏に感謝を述べたい。Louis Boumans 氏、Jan Hoogland 氏は親切にもいろいろな情報を提供してくれた。

他人の手書き原稿を読むことがどれほど時間を要するかは私自身も経験して知っているので、友人であり研究仲間であるManfred Woidich 氏にかなりの時間をとらせてしまったことは面目なく思っている。とはいえ、彼が負った負担は、ある意味では彼自身のせいでもある。私が依頼したことに彼が大いに興味を示して、尽きることのない支援をしてくれたからである。彼の批判とそれについての私との議論から、私自身が見落としていた多くのことが明確になった。

Carole Hillenbrand 氏には特に感謝の意を表したい。この企画の完成には、当初の構想よりもはるかに長い年月を要したが、彼女は信頼を失うことなく私を励まし続けてくれた。彼女が手書き原稿のすべてを、批判的に読んでくれたことは非常にありがたかった。実際のところ、彼女がいなかったらこの本が世に出ることはなかっただろう。また、エジンバラ大学出版局のスタッフ、とくに Jane Feore 氏と Ivor Normand 氏にも感謝を述べたい。彼らの激励、忍耐、支援によって、この原稿を出版するまでにこぎつけることができた。

ペーパーバック版では、多くの誤りを訂正し、参考文献もいくつかつけ加えた。Alan Kaye, Nadia Anghelescu, Clive Holes, Mike Carter の各氏が、本書の書評に書いていた提案をありがたく使わせていただいた。

本書を準備する中で、Yola de Lusenet から支援をいただいたことはまことに幸運だった。まったく専門外の分野であるにもかかわらず、原稿に目を通す労をとってくれ、異常なまでの正確さで議論の欠陥や不完全な定式化をもらさず指摘してくれた。彼女の批判的な読みと支援にたいへん感謝している。


ナイメーヘンにて、2000年2月

著者・訳者紹介

著者紹介 (「訳者あとがき」も参照)

ケース=フェルステーヘ(Kees Versteegh)

1947年生まれのオランダ人言語学者・アラビア語学者。 オランダのラドバウド大学(ナイメーヘン)を卒業し、長く同大学でイスラム研究、 アラビア語学研究に携わる。古代ギリシャ語のアラビア語への影響に関する研究で 博士号を取得。現在、同大学名誉教授。

主要英文著書:
  The Arabic Linguistic Tradition(Routledge, 1997)
  The Arabic Language(Edinburgh University Press, 1997 本訳書初版)
  Arabic Grammar and Qur’anic Exegesis in Early Islam(Brill、1993)
  Pidginization and Creolization. The Case of Arabic(John Benjamin, 1984)
など。
他に共著として、『アラビア語・オランダ語辞典』『オランダ語・アラビア語辞典』
(Bulaag, 2003)などがある。

訳者紹介

長渡 陽一(ながと・よういち)

1966年、東京生まれ。
東京外国語大学外国語学部アラビア語学科卒業。
東京外国語大学大学院修了。言語学博士。
現在:東京外国語大学、国際基督教大学、外務省研修所等の非常勤講師。
専攻:言語学、アラビア語学、朝鮮語学。
著書:NHK ラジオアラビア語 2009年
   『ニューエクスプレスエジプトアラビア語』(白水社、2011年)
   『初級を卒業した人のための韓国語文法』(ナツメ社、2013年)

目次

第1章 西洋におけるアラビア語研究の歴史  3

1.1 西洋におけるアラビア語研究の歴史 ───── 3

1.2 文献案内 ───── 13

第2章 セム語の中のアラビア語  16

2.1 セム諸語の分類 ───── 16

2.2 アラビア語の位置 ───── 27

2.3 文献案内 ───── 38

第3章 初期のアラビア語  40

3.1 アラブ人 ───── 40

3.2 古代北アラビア語 ───── 43

3.3 ナバテア語とパルミラ語 ───── 47

3.4 アラビア語のはじまり ───── 52

3.5 文献案内 ───── 61

第4章 イスラム以前のアラビア語  64

4.1 アラブ人の言語 ───── 64

4.2 イスラム以前の諸方言 ───── 72

4.3 イスラム以前のアラビア語をめぐる諸説 ───── 80

4.4 文献案内 ───── 89

第5章 古典アラビア語の成立  91

5.1 はじめに ───── 91

5.2 綴字法の成立 ───── 92

5.3 アラビア語の標準化 ───── 98

5.4 アラビア語書き言葉の成立 ───── 110

5.5 公用語としてのアラビア語の地位 ───── 123

5.6 文献案内 ───── 126

第6章 アラビア語のしくみ  129

6.1 はじめに ───── 129

6.2 発音・音韻 ───── 131

6.3 単語構成 ───── 135

6.4 語形変化 ───── 140

6.5 統語 ───── 148

6.6 文献案内 ───── 155

第7章 アラブ伝統文法学  161

7.1 はじめに ───── 161

7.2 統語論 ───── 166

7.3 語形変化論 ───── 173

7.3.1 名詞 ───── 174

7.3.2 動詞 ───── 177

7.4 音韻論 ───── 181

7.5 辞書編纂 ───── 185

7.6 文献案内 ───── 187

第8章 新アラビア語の成立  190

8.1 イスラム帝国の言語状況 ───── 190

8.2 新アラビア語とは何か ───── 198

8.3 新アラビア語の成立過程をめぐる諸説 ───── 208

8.4 文献案内 ───── 227

第9章 中層アラビア語  229

9.1 中層アラビア語とは何か ───── 229

9.2 イスラム教徒中層アラビア語 ───── 236

9.3 ユダヤ教徒アラビア語 ───── 242

9.4 キリスト教徒中層アラビア語 ───── 246

9.5 現代の中層アラビア語 ───── 251

9.6 文献案内 ───── 257

第10章 アラビア語方言の研究  260

10.1 アラビア語方言の研究 ───── 260

10.2 アラビア語方言の分類法 ───── 266

10.3 ベドウィン型方言と都市型方言 ───── 279

10.4 本書でのアラビア語方言分類 ───── 285

10.5 文献案内 ───── 286

第11章 アラビア語の諸方言  289

11.1 アラビア半島の諸方言 ───── 289

11.2 シリア・レバノン諸方言 ───── 298

11.3 メソポタミア諸方言 ───── 304

11.4 エジプト諸方言 ───── 311

11.5 マグレブ諸方言 ───── 320

11.6 文献案内 ───── 331

第12章 現代標準アラビア語の成立  337

12.1 はじめに ───── 337

12.2 アラビア語の復活 ───── 337

12.3 語彙の改革 ───── 344

12.4 現代世界の中の標準アラビア語 ───── 355

12.5 文献案内 ───── 362

第13章 言語二層状態(ダイグロシア)  366

13.1 言語二層状態とは ───── 366

13.2 文体混合と中間形態 ───── 369

13.3 文体選択 ───── 373

13.4 文体イメージと文体操作 ───── 377

13.5 文体変移の個人内要因 ───── 382

13.6 文献案内 ───── 387

第14章 二言語併用(バイリンガリズム)  390

14.1 はじめに ───── 390

14.2 国の独立とアラビア語化 ───── 391

14.3 北アフリカにおける言語選択と言語観 ───── 399

14.4 言語混合と借用 ───── 403

14.5 アマズィグ語= ベルベル語 ───── 407

14.6 文献案内 ───── 410

第15章 マイノリティー言語としてのアラビア語  413

15.1 はじめに ───── 413

15.2 マルタ語 ───── 414

15.3 マロン派教徒キプロス方言 ───── 419

15.4 アナトリア諸方言 ───── 422

15.5 ウズベキスタンとアフガニスタンのアラビア語 ───── 427

15.6 ナイジェリア方言 ───── 433

15.7 移民のアラビア語 ───── 437

15.8 文献案内 ───── 445

第16章 アラビア語のピジン語、クレオール語  448

16.1 ピジン語化とクレオール語化 ───── 448

16.2 アラビア語の貿易語・その他の業界語 ───── 450

16.3 ピジン=アラビア語 ───── 455

16.4 クレオール=アラビア語 ───── 459

16.5 文献案内 ───── 465

第17章 世界語としてのアラビア語  467

17.1 はじめに ───── 467

17.2 アンダルス地方のアラビア語 ───── 470

17.3 アフリカにおけるアラビア語 ───── 474

17.4 イランにおけるアラビア語 ───── 482

17.5 オスマン帝国とトルコ共和国におけるアラビア語 ───── 486

17.6 インド亜大陸におけるアラビア語 ───── 490

17.7 東南アジアにおけるアラビア語 ───── 494

17.8 文献案内 ───── 498

[付説]アラビア文字の転写と逐語訳  501

訳者による付記  507

参考文献  513

索 引  574

訳者あとがき  597