正しくきれいな字を書くための 漢字筆順ハンドブック 第三版

定価
836円
(本体 760円+税10%)
判型
四六判
ページ数
256ページ
ISBN
978-4-385-20075-0
  • 改訂履歴
    1980年2月20日
    初版発行
    1982年2月1日
    第二版発行
    2012年6月10日
    第三版発行

ここは旧版のページです。内容の新しい改訂版が出ています。

新「常用漢字表」(平成22年11月内閣告示で改定)に対応。
改定により追加された漢字を増補。見出し字は毛筆、筆順はペン書き。
学習漢字を中心に美しく正確に書くためのポイントを明示。

[一般編]
常用漢字を中心に、人名用漢字および旧字体を収録。
[特殊編]
「常用漢字表」にはない、筆順のわかりにくい漢字を収録。

江守賢治 著

  • 総画数を明示
  • 学習漢字には配当学年を明示
  • 見出しは毛筆、筆順はペン書き
  • 細字楷書やペン習字の手本にも最適
  • 小学校教科書活字体と一般の書き方の差異を指摘
  • 学習漢字を中心に、美しく正確に書くためのポイントを指導
  • ひらがな・カタカナ・ローマ字の筆順付き ほか

特長

関連リンク

さらに詳しい内容をご紹介

まえがき

『漢字筆順ハンドブック』の初版が発行されたのは、昭和55年2月です。それから現在に至るまでの長い間、おかげさまで多くの方々にご活用いただいた本書でありますが、この度、平成22年11月の「常用漢字表」の改定をうけて、第三版を刊行する運びとなりました。

第三版では、改定により新たに常用漢字となった漢字で、これまで収録されていなかったものを増補し、全2864字の筆順を収録してあります。また、これまで特殊編に収録されていた旧字体を一般編に移し、新字体と並べて示すなど、使いやすさに工夫を加えてあります。2色刷りにするなど、見やすさも心がけました。

本書が皆様の学習においてはもちろんのこと、日常の文字を書く場面でお役に立ちますことを願ってやみません。

平成23年6月、大変残念なことに、江守賢治先生が逝去されました。追加の執筆や内容の整理においては、私塾講師・伊藤文生先生にご協力をいただきました。この場を借りて御礼申し上げます。

平成24年5月 三省堂編修所

まえがき(初 版)

私たちが日常文字を書く場合、やはり漢字の形や筆順は大切なことであり、それは小さい時にしっかり身につけておくことが必要です。この点で小学校教育には大きな使命があります。もちろん、現在の小学校における国語教育、文字に関する指導は立派に行われています。しかし、問題がないわけではありません。

戦後の一時期、国語教育の中では、どうしたわけか筆順など全く顧みられませんでした。そのため、当時の子供たちは大人の思いも及ばない書き順で字を書いていました。たとえば、東の字は、まず短い横画4本、短い外側の縦画2本、左払い・右払いの順で書いてから最後に長い縦画を書いたり、ひらがなのすの字は、カタカナのナを書いてから○を書き加えたり、などの書き順です。

当然のことながら、このような事態に対して筆順の指導をすべきだとの反省がなされ、文部省に対しては指導の手引になるものをつくってほしいとの要望がおこりました。(『筆順指導の手びき』が出されたのは昭和33年のことでした。)そして、この文部省が出した手引では、一つの漢字は一つの筆順で教えるという方針になっていました。これは当然のことです。

ところが、その手引には「本書に取りあげた筆順は、学習指導上の観点から一つの文字については一つの筆順に統一されているが、このことは、本書に掲げられたもの以外の筆順で従来行われてきたものを誤りとするものではない。」と明記されているにもかかわらず、その後の指導が徹底しすぎたとでもいいましょうか、その指導やテストの評価などで、手引に掲げられているもの以外の筆順はすべて誤りとされるようになってしまいました。

学校教育における筆順の指導は、時計の振子のように、全く指導されなかったという極端から、筆順をきわめて狭く考えて指導するという極端に振れたわけです。

漢字というものは、その形にしても、その筆順にしても、そんなに狭い考えで書くべきものではないのに、また、どうせ大人になればどっちでもよいことを一つを正とし他をすべて誤りとして処理され、入学試験や教員採用試験までもこのように処理されて人の進路が左右される、それでは困るという考えに立って、この本を書きました。

本書は、日常よく使われる漢字2500字を選び、それによく見かける旧字体や特殊な字も加えて、その筆順のすべてをわかりやすく示しました。また、見出しの文字は毛筆で書きましたので、毛筆細字の手本となり、また、分解的に示してある筆順の文字はペン字で書いてあるので、よくわかり、親しみをもって見ていただけると思います。そのほか、漢字を美しく書くコツや、ひらがな・カタカナ・ローマ字の筆順もつけ加えてありますので、皆さんには便利に使っていただけると思います。

昭和54年12月 江守賢治

 

目次

第一 筆順の知識
一 筆順とは
(一)きまった筆順がなぜ必要か
(二)筆順は合理的にできている
(三)筆順指導の必要性
二 筆順に対する正しい認識
(一)楷・行・草書三体に対する認識
(二)筆順は必ずしも一つとは限らない
(三)筆順はやはり変わるか
三 『筆順指導の手びき』について

第二 筆順
一 基本編
(一)筆順についての基本的な考え方
(二)漢字構成の基本となる部分の筆順
(三)まちがいやすい筆順の一覧
二 一般編
この表の使い方
活字だけでの旧字体の筆順
三 特殊編

第三 許容される字形一覧

第四 美しく書くためのポイント

付録
●ひらがなとカタカナの筆順
●ローマ字の筆順
●手書きの字体について

画数引き漢字索引