コンサイス日本地名事典 第5版

品切れ
定価
5,500円
(本体 5,000円+税10%)
判型
B6変型判
ページ数
1,408ページ
ISBN
978-4-385-16051-1
  • 改訂履歴
    1998年12月20日
    第4版 発行
    2007年11月20日
    第5版 発行

この一冊にあらゆる地名を網羅。最新データにもとづく【第5版】

◆平成の大合併による新しい市町村名
◆新潟市・浜松市の区も収録
◆独立行政法人・団体名などを最新名で記述

谷岡武雄 監修/三省堂編修所 編

  • ハンディな地名事典として最大の2万1千項目収録。
  • 最新の地理的記述に加えて、別称・旧称、地名の由来、歴史上のエピソードや文学作品、目的地への交通手段なども紹介。
  • 市町村名から山・川・海・鉄道・公園・温泉名など幅広い項目を、 地理的記述に加えて、別称・旧称などの呼び方、地名の由来、 歴史上のエピソード、万葉集の歌なども紹介。
  • 目的地への交通手段、国土地理院の5万分1地形図名なども明示。

特長

さらに詳しい内容をご紹介

「コンサイス日本地名事典」の内容より

第5版の刊行にあたって

 先日,京都駅八条口付近を歩いていると,修学旅行生に呼び止められ,「ひがしでらはどこですか」と尋ねられた。一瞬,私は言葉につまり,「とうじ(東寺)のことですね」と聞き返し,寺への道順を教えた。また,駅の表口では,観光客が「ふかどろいけ」だ「みぞろがいけ」(深泥池)だと話し合っている場面に出会って微笑ましくさえ思った。正確な地名の表記と読み,できれば古い読みや別の名称を含めて知ることは,社会生活を円滑に営むために必要な条件ではないか。こう思って『コンサイス日本地名事典』の初版を刊行したのは1975年正月のことである。コンパクトながら,日常生活に必要で内容は魅力に富むという世評を得て版を重ねること4回におよび,このたび第5版を刊行することに至った。感無量である。私は繰り返して言うが,社会生活をスムーズに営むうえで,地名事典は必要なものではないか。今ではこのような自負心さえ抱くようになっている。  都市化・情報化の急速な進展,交通手段の革新に次ぐ革新は止まるところを知らない。現用地名はすべて生きている。根幹部分は変わらないとしても徐々に変化してゆくことは必須である。第5版も当然のことながら,記載内容に最新の情報を盛り込み,とくに市区町村の行政地名に関しては2007年10月1日現在の状況を記載することとした。この地名事典がいつまでも読者諸賢に愛用され続けることを,執筆と監修にたずさわった者として願ってやまない。  2007年10月

谷岡武雄

監修のことば(1974年、初版)

「寝物語」が地名であると聞いて,驚かされる人は多かろう。古い中山道沿いの「むら」で,溝一つへだてて東側が岐阜県,西側が滋賀県となる。かつて奥州に落ちのびる義経を追ってきた静御前が,美濃・近江が隣り合うこの里で,変装した義経の家臣とめぐり合い,その境遇を語り明かしたという。地図を片手にこのあたりを歩いて,寝物語の由来に感動する人もあれば,近くに通じるハイウェイを車で飛ばしながら関が原に思いをはせ,近世史の幕開けとなった激烈な戦闘シーンを想定する人もいよう。ある土地の名称について,人の思いはさまざまである。  地名は人間の思想と感情を盛りこんだ器であり,生活史の一端を物語る貴重な文化遺産である。それは空間と時間の接点に生まれたものであり,いずれは朽ち果てる運命にある。時の流れは急速で,古い地名が消え,新しい地名がつくられていく。これらを系統的に記録し,そのいわれをたずねる地名事典の編修は,一種の文化事業といっても過言ではなかろう。  できる限り多くの思い出をよびおこしてくれる事典,ハンディでレジャーや旅行の助けになる事典,内容の正確な事典,とりわけ読んで楽しい事典であることを,わたしたちは編修上のモットーとしてきた。  情報化社会にあっては,はんらんする情報を整理する基準の一つに「どこで」があり,それには地名事典が大いに役だつであろう。わたしたちは,各地域の事情に詳しい専門家に執筆をお願いし,さらに専門的観点から海洋・港湾に関する項目は坂戸直輝氏に,鉄道関係は青木栄一氏に,河川関係は新巻 孚氏に,山・峠関係は徳久球雄氏に,鉱山・住宅団地などの経済開発関係は河本哲三氏に,文学関係は都竹通年雄氏に,それぞれ校閲していただいた。このようにして,ようやく自信がもてる地名事典を世に送り出すに至った。  基礎カードの作製から数えて,9年の歳月が経過した。思えば長い道のりであった。本書の出版にあたって,わたしたちに協力を惜しまれなかった執筆者各位,各種の情報を提供してくださった方々,三省堂出版部の鈴木耕治氏,直接の担当者であった小原大喜男氏,のちに加わられた増田正司氏ほかのみなさんに対し,深く感謝する次第である。  1974年 晩秋

谷岡武雄・山口恵一郎

執筆者・編集協力者

(五十音順・敬称略)

青木栄一  秋山健一  浅野芳正  阿部逸郎  阿部和夫 荒巻 孚  有末武夫  池田 碩  石川友紀  石橋忠男 伊藤賢一  伊吹 尚  岩佐武彦  上田洋行  植村善博 内田 均  太田彰一  大村 肇  岡野正則  小川治良 奥田 均  笠間 悟  梶本 修  片平博文  加藤敦史 加藤清和  鎌倉道行  川上浄明  河野裕充  河本哲三 菊地光秋  北野 豊  木橋悦二  隈部 守  倉田 哲 斎藤 守  坂口慶治  坂戸直輝  貞包和孝  佐藤宣洋 佐藤裕哲  島田正彦  清水靖夫  杉村暢二  杉本尚次 鈴木勇次  須長博明  高橋幸仁  宅間 達  竹内裕一 辰巳 勝  谷岡武雄  田村久仁夫 千田芳文  都竹通年雄 堂口 諭  富樫慶夫  徳久球雄  戸所 隆  永井英司 中川浩一  中西秋雄  中野栄治  中村千文  新田卓磨 橋田俊介  原 裕子  原田 豊  日笠豊一  平井松午 福田 徹  藤巻正己  藤本利治  細井直樹  増田忠二郎 松ヶ野正弘 松田松男  三坂広介  宮内英世  茂木昭夫 矢田 修  山口恵一郎 山田安彦  吉川博輔

<以上のほかにも多数の方々の御協力をいただきました>

◎第5版編集協力:杉本忠昭