文字サイズ変更
「現代語から古語を引く辞典」

【はじめに】

現代語から古語が引ける古語類語辞典』を世に問うたのは平成七年のことである。書名は、「逆引き古語辞典」「現古辞典」などの案もあったが「古語類語」とした。それから十二年、今インターネットで検索すると多数のサイトが出てきて、「古語類語」という造語が少しは市民権を得たものと誇らしく思う。また、その関連サイトを眺めていると、この辞典が予想を超えて多方面で活用されていることが分かる。短歌・俳句を創る人、時代物の小説や戯曲を書く人などが利用するのは当然だか、例えば、方言調査の基礎資料として利用したという記事があったり、また、「古文の授業で古語による作文の演習を行うことがあるため高校の図書館などに必備」という書き込みがあったりする。中でもうれしかったのは、「読んで楽しい辞典」という感想が少なからずあることだった。この数年品切れ状態が続いて復刊を望む声が高まり、ネット上だけでなく出版元の三省堂にも多く寄せられるようになったというのもうれしいことだった。

そんな多くの声に応えるべく、この度三省堂から再刊の計画が寄せられ、検討の結果、訂正すべきは訂正し、さらに広く利用していただけるよう付録もつけ、書名も一新して新刊として発行される運びとなった。十二年前、世間の話題にもならず静かなデビューであったが、忘れ去られることなく再び世にまみえることとなって喜ばしい。願わくは、より一層多くの人の机上にあって長く活用されんことを。

平成十九年三月

芹生公男