三省堂 辞書ウェブ編集部による ことばの壺
フランコフォンの世界コーパスが明かすフランス語の多様性
世界にひろがるフランス語への扉を開く。
フランス語音韻論研究の成果をまとめた1冊を
日本の学習者・語学教師向けにアレンジした日本語版。
記述的な視点から,フランス語圏各地のフランス語を音声つきで解説。
フランス語の多様性を見渡す最新の書。
- フランス・ベルギー・スイス・アフリカ・海外県と海外領域(DROM)・北アメリカのフランス語を知るための1冊。
- 第Ⅰ部では,言語調査法やフランス語をめぐる諸問題を概観。
- 第Ⅱ部から第Ⅶ部のはじめの1章は地域ごとに言語的背景・言語特徴を解説。
- フランス語圏各地の実際の会話例を対訳・注釈・音声つきで紹介。
特長
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本書に出てくるキーワード
社会言語学/FLE/音声・音韻/形態論/語彙論/統語論/正音学/シュワー/リエゾン/前方の /R/ 音・後方の /R/ 音/母音対立の弱化( /a/~/ɑ/, /ɛ/~/e/, etc.)/有音のh/位置の法則/韻律・プロソディー/二重母音/長母音/子音脱落/音素配列/類推/コード・スイッチング/移民のことば/クレオル言語/ダイグロシア/新語/翻訳借用/造語/省略形/借用語/逆さことばverlan/septante, huitante, nonante/フランコ・プロヴァンス語/オック語/オイル語/フランコフォニー/フランコフォン/ミチフ・フランス語/ヌシ/カムフラングレ/アカディア … etc.
執筆者・訳者プロフィール
編著
Sylvain DETEY
早稲田大学国際教養学部教授
Jacques DURAND
トゥールーズ・ル・ミライユ大学教授
Bernard LAKS
パリ西ナンテール・ラ・デファンス大学教授
Chantal LYCHE
オスロ大学教授
日本語版編訳
川口裕司(編集責任)
東京外国語大学大学院総合国際学研究院教授
矢頭典枝
神田外語大学外国語学部教授
秋廣尚恵
東京外国語大学大学院総合国際学研究院准教授
杉山香織
西南学院大学文学部准教授。
目次
第Ⅰ部 話しことばのフランス語
第1章 話しことばを記述するための言語学的知識
「言語を記述する」と「言語を規定する」/書きことばと話しことば/言語変異とレジスター/記述のレベル
第2章 話しことばのフランス語の変種
はじめに/PFCプロジェクト/PFCフランス語教育プロジェクト
第3章 社会的音声変異の例示
はじめに/地理的変異と様々な音韻体系/年齢による変異/話し方への注意度による変異/社会的位置づけによる変異
第Ⅱ部 北フランス
第1章 参照フランス語(FR):概略
規範の問題/母音体系/子音体系/シュワー/リエゾン/韻律(プロソディー)/結論:FRとFLE
第2章 参照フランス語(FR)の話し手
FRの例/FRを例示するためのアプローチ/実験方法/結論
第3章 パリの上流階級の女性:中等教育について
第4章 ロアンヌ(ロワール県):1954年入隊組のモロッコ南部旅行について
第5章 マグラン(オート・サヴォワ県):以前の生活について
第Ⅲ部 南フランス
第1章 南仏のフランス語:概略
はじめに/統語的・語彙的側面/音声学・音韻論的側面
第2章 ドゥゼンス(オード県):2つの大戦の思い出について
第3章 マルセイユ(ブシュ・デュ・ローヌ県):船の料理人について
第Ⅳ部 ベルギー
第1章 ベルギーのフランス語:概略
歴史・政治的状況/訛りの多様性とベルギー内における規範の存在/ベルギーにおける話しことばのフランス語の多様性を示す例
第2章 ジャンブルー(ナミュール州):性格の異なる2人の子どもについて
第3章 イヴォ・ラメ(リエージュ州):大病後の生活について
第4章 モレンベーク・サン・ジャン(ブリュッセル):子どものお小遣いについて
第Ⅴ部 スイス
第1章 スイスのフランス語:概略
地理言語学的状況/スイスロマンドにおける話しことばのフランス語の特徴/言語的不安/結論
第2章 グラン(ヴォー州):スイス文化について
第3章 ヴェラス(ヴァレ州):木工細工について
第Ⅵ部 アフリカと海外県・海外領域圏(DROM)
第1章 アフリカと海外県・海外領域圏のフランス語:概略
はじめに/植民地におけるフランス語定着の歴史/アフリカとDROMにおけるフランス語の現状/収録音声
第2章 アビジャン(コートジボワール):1960年代の波乱に富んだ学校生活について
第3章 イレ・ア・コルド(レユニオン島):電話と道路の登場について
第Ⅶ部 北アメリカ
第1章 北アメリカのフランス語:概略
地理言語学的状況/主な構造的特徴