使いたい言葉がわかる 早引き俳句用字辞典

定価
1,650円
(本体 1,500円+税10%)
判型
A6判
ページ数
544ページ
ISBN
978-4-385-13851-0

季語と一般のことばを五十音順に配列した作句の手引き

すばやく言葉と漢字が探せる、便利な用語辞典

復本一郎 監修

  • 俳句でよく使われることば二万後を五十音順に配列。
  • 春夏秋冬新年の季語六〇〇〇語を収録。
  • 送り仮名やルビは旧仮名づかいでも表記。
  • 見返しに「旧仮名づかい一覧」、巻末に「旧国名」「付表」。

特長

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著者略歴

復本一郎(ふくもと・いちろう)

一九四三年愛媛県生まれ。早稲田大学卒。静岡大学教授を経て、現在、神奈川大学教授。文学博士。
専攻は近世・近代俳論史。
俳号は鬼ヶ城(おにがじょう)。実験的超結社俳句集団「鬼」の会代表。
著書に『俳句と川柳』(講談社現代新書)、『佐藤紅緑 子規が愛した俳人』(岩波書店)、『俳句の発見 正岡子規とその時代』(NHK出版)など。

まえがき

俳句の醍醐味は、座(ざ)の文字と言われていますように、句会に一座した人々が平等な立場で互いに選出し、批評し合うところにあります。この方法は、明治時代、伊藤松宇(しょうう)によって創始され、正岡子規グループにより普及、今日に至っています。

句会では、しばしば席題(せきだい)といって、その場でテーマが示されます。季語である場合も、季語でない場合もあります。――そんな時、活躍するのがハンディーな本書です。例えば「せんべい」。平仮名で表現するのと、漢字で表現するのとでは、一句の雰囲気ががらりと違ってきます。本書を繙(ひもと)けば、たちどころに「煎餅」が検索し得るのです。季語についても同様です。「くひな」と「水鶏」の違いは、大きいですね。――なにも題(テーマ)に限ってのことだけではありません。一句全体において、どの語を平仮名で表記し、どの語を漢字で表記するかは、一句の完成度に大きくかかわってきます。本書が座右にあれば、自由自在に句作りを楽しめます。また、同じ言葉であっても二様の読み方をするものが少なくありません。例えば「懇望」(こんばう)と「懇望」(こんまう)、「正鵠」(せいこう)と「正鵠」(せいこく)といった具合に。これらも即座に確認し得るわけです。

とにかく、これ一冊あれば、句作りの不安が解消されること間違いありません。型は小さくても、読者の皆様の活用次第で、きっと手放せない俳句辞典となることでしょう。それを念じつつ、心血を注いで作成いたしました。

二〇〇八年四月

復本一郎