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「新しい常用漢字と人名用漢字」について

はじめに

はじめに

 平成22年11月30日、新しい常用漢字表が内閣告示されました。同じ日に戸籍法施行規則も改正されて、子供の名づけに使える漢字は、常用漢字2136字、人名用漢字861字の合計2997字となりました。

 しかし、常用漢字や人名用漢字は一朝一夕にできたわけではありません。常用漢字表が内閣告示されたのは 昭和56年。その前身となる当用漢字表が内閣告示されたのは昭和21 年。人名用漢字も、最初に内閣告示された のは昭和26年のことです。半世紀以上にわたる漢字制限施策が、常用漢字や人名用漢字には色濃く残っている のです。

 新しい常用漢字と人名用漢字は、なぜ、このような形になったのか。この本では、常用漢字と人名用漢字を、三つの異なる視点からとらえることにしました。第一章「常用漢字と人名用漢字の歴史」では、日中戦争から 現在に至る漢字施策の歴史を、マクロな視点から書くことにいたします。これに対し、第二章「人名用漢字の新字旧字」では、50組の代表的な新字旧字について、それぞれのミクロな歴史を、それぞれの組ごとに書き記 します。そして、第三章「人名用漢字以外を子供の名づけに使うには」では、家事審判制度と戸籍行政の関係を解きほぐしながら、現代の人名用漢字がどのような形で運用されているかを示します。