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三省堂名歌名句辞典 新装版について

凡例

一、本書の趣旨


 本書は、記紀万葉から現代までの和歌・短歌・歌謡3221首、室町から現代までの俳諧・俳句2632句、江戸の狂歌82首、江戸から現代までの川柳251句、計6186の歌・句を掲載し、これに研究者・歌人・俳人など115名の専門家が[意味][解説]を施した。


二、取り上げた歌・句


 これまで人々に親しまれてきた歌・句を中心に、名歌・名句として評価の定まった歌・句、時代や作者の特徴をよく示している歌・句、および、将来、古典になると思われる現代の歌・句を精選して収録した。また、現代の中学・高校国語教科書に掲載されている歌・句はできるだけ取り上げた。


三、本書の構成


 1.本書は「和歌・短歌編」「俳諧・俳句編」の二部構成とし、歌謡は「和歌・短歌編」の中に、狂歌は「和歌・短歌編」の後に、川柳は「俳諧・俳句編」の後へおいた。


 2.「和歌・短歌編」は、上代・中古・中世・近世・近代・現代に分け、「俳諧・俳句編」は、近世・近現代に分けた。また川柳は、古川柳・近現代に分けた。


四、本書の配列


 1.歌・句の収録は、作者別とした。作者名は通称に従った。近世の俳人は雅号または通称で、明治以降の俳人は俳号に姓を冠して立てた。


 2.作者の配列は、近世までは活動期を加味した生年順とし、明治以降は生年順とした。同一生年の場合は、五十音順とした。


 3.東歌・防人歌・作者未詳・よみ人しらず・古今集の歌謡・物語などの歌は、それぞれ古代・中古・中世などの時代区分の最後においた。


 4.同一作者の作品の配列は、原則として以下のとおり。


 A.和歌・短歌・歌謡は、勅撰集入集歌・私家集・その他の順で掲載し、それぞれの出典の成立年代順に配列した。同一歌集の場合は、巻数・歌番号順、もしくはその歌集における配列順とした。ただし良寛など、ほぼ制作年代にそって配列したものもある。


 B.俳諧・俳句は、出典の句集の成立年代順とし、同一句集の場合は、その句集における配列順とした。ただし芭蕉・蕪村・一茶などの作品は、ほぼ制作年度順に配列した。


 C.川柳・狂歌もこれに準じるが、古川柳は『俳風柳多留』『俳風柳多留拾遺』の巻数順とした。


五、作者解説


 作者名の後に[作者解説]をつけた。近世以前の人名には、(1)生没年(和暦・西暦)、(2)時代区分と定義、(3)続柄、本名・別名・号など、(4)解説(経歴、歌風・句風など)、(5)歌集・句集、掲載勅撰集など、明治以降の人名には、(1)生没年・生年(和暦・西暦)、(2)出身地、(3)解説(歌歴・句歴、歌風・句風など)、(4)歌集・句集などを記述した。



六、掲出歌・句の表記と出典について


 1.掲出歌・句の漢字表記は、原則として常用漢字表・表外漢字字体表に準じた。


 2.近世までの掲出歌・句の表記は、歴史的仮名遣いに拠った。難読語には歴史的仮名遣いで適宜振り仮名をふった。


 3.明治以降の掲出歌・句の表記は、原則として出典の歌集・句集に拠った。歌・句の[、][。]や分かち書きはそのまま生かし、改行はスラッッシュ([/])で示した。振り仮名は原則として出典の歌集・句集に拠ったが、難読語には振り仮名を適宜( )に入れて示した。


 4.掲出歌・句には、( )の中に出典の書名などをあげた。和歌の出典では、適宜、巻数・部立て・国歌大観番号(『万葉集』は旧編、それ以外は新編による。近世は省略)を付した。


七、[意味][解説]について


 1.近世までの歌・句には、原則として[意味]で歌・句の大意を示し、[解説]で、その歌・句の詠まれた背景や作者の心情、名歌・名句とされる所以、難解な語句の意味などを解説した。


 2.和歌では、題詞・詞書、枕詞・掛詞・歌枕・縁語、序詞、物名なども、必要に応じて、適宜、解説した。


 3.俳諧・俳句では、解説の最後に季語、切字を載せた。季語が複数ある場合は列挙した。また普段使われる季語を先に示し、特殊な季語を( )の中に示した(例「水鳥の巣(みさごの巣)」)。「切れ」については、統一的な規定が困難なため割愛した。


 4.明治以降の歌・句、および川柳・狂歌は、[意味]を省き、[解説]のみとした。


八、表記・記号など


 1.解説文中の年号は、日本元号と西暦を[天平十二年(七三〇)]のように示した。ただし明治以降は、日本元号のみとした。


 2.書名は『 』、新聞雑誌名は「 」、映画・演劇・謡曲・歌謡曲・歌合・百韻などは「 」で囲んだ。ただし( )で囲んだ、掲出歌・句の出典および解説文中の引用歌・句の出典には『 』「 」を省いた。


 3.解説文中の引用歌・句は、< >で囲んだ。


 4.執筆者名は、一首・一句ごとに[解説]の末尾に示した。


九、巻末付録について


 1.年表 本書で取り上げた主な歌人・俳人・狂歌師・川柳作家の事歴と作品などを紹介した。


 2.歌・句索引 和歌・短歌、狂歌は二句索引、俳諧・俳句・川柳は全句索引を現代仮名遣いによる五十音順に配列。


 3.人名索引 和歌・短歌、狂歌、俳諧・俳句、川柳に分けて、それぞれの作者を現代仮名遣いによる五十音順に配列。