三省堂 辞書ウェブ編集部による ことばの壺
明解言語学辞典
- 定価
- 2,420円
(本体 2,200円+税10%) - 判型
- B6判
- ページ数
- 288ページ
- ISBN
- 978-4-385-13578-6
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改訂履歴
- 2015年8月20日
- 第1刷発行
言語学の広い分野を統合整理し、近年急速に研究が進んだ新しい概念も取り込んだ、初学者から研究者まで使える待望の辞典!
言語学に親しみ、言語学を学ぶための1冊!
- 引きやすい、読みやすいレイアウト。
- 言語学の基礎から専門知識まで学べる、約330項目。
- 新しい概念を多く取り込み、言語学の世界を大きく広げる。
- 関連項目を見つけやすい、便利な「目次索引」・「英日対照表」。
特長
さらに詳しい内容をご紹介
はしがき
本辞典は、現代言語学の重要な概念をできるだけ分かりやすく、しかもレベルは落とさずに 解説したものです。言語学を学んでいる方々、またこれから学ぼうとしている方々を念頭において編まれましたが、広い分野にわたる知識が整理された形で簡潔にまとめられているだ けでなく、近年急速に研究が進んだ分野の新しい概念も多く取り入れられており、中には日本で出た辞典として初めて取り上げる項目も含まれていますので、すでに学習が進んでいる方や教室で教えられている先生方にも使っていただけると考えています。
本辞典では、関連の概念はまとめてひとつの見出しとし、また他の概念と関連づけて説明したほうがいいと判断したものについては見出しには立てずに関連項目の中で扱いました。したがって、利用者の方々にはまず巻頭の「目次索引」を見て、そこから求める概念に辿り着いていただくことになります。求める項目を探すための索引を本文の前に持ってくるというおそらく他の辞書にはない新しい試みです。また、各項目の解説文の長さを揃えましたので、見出しはすべてページの一番上に来ており、引きやすくなっていると考えています。
本辞典の企画は三省堂の飛鳥勝幸さんからいただきました。初心者向けの分かりやすいコンパクトな言語学辞典を作りたいということでした。三省堂にはすでに『言語学大辞典』という本棚の1段を占領してしまうほど大部の有名な言語学辞典があります。そのうちの第6巻が「術語編」となっていますが、大型本で1800ページにも及びます。言語学徒には必須の辞典ですが、初学者が手軽に引くという種類のものではありません。今回の私たちの辞典は、その『言語学大辞典』の「術語編」と相補うものであると考えています。
本辞典の編集には私たち3名があたりましたが、長谷川明香さんには早い段階からあらゆる面において私たちをサポートしていただきました。また、編集協力者の方々には、項目の設定等についていろいろご相談させていただきました。各執筆者から出てきた原稿は、どれも複数によるチェックを行い、本辞典のコンセプトによりマッチするように書き変え等をお願いしたものも多くありましたが、どの執筆者の方も快くそれに応じてくださり、よりよいものになったと考えています。
本辞典には、“辞書の三省堂”の看板のひとつである「明解」を付けていただきました。これまでの明解シリーズのように広く受け入れられる辞書になることを願っています。
2015年5月 斎藤純男 田口善久 西村義樹
執筆者一覧
編集
斎藤 純男[東京学芸大学] 田口 善久[千葉大学] 西村 義樹[東京大学]
執筆者一覧(*は編集協力者)
相原 まり子 | 秋田 喜美 | 朝日 祥之 |
池田 潤 | 石塚 政行* | 市之瀬 敦 |
稲垣 和也 | 稲田 俊一郎 | 猪熊 作巳 |
入江 浩司* | 上垣 渉 | 内田 諭 |
内原 洋人 | 遠藤 光暁* | 大堀 壽夫 |
岡田 理恵子 | 梶浦 恭平 | 加藤 陽子 |
川島 浩一郎 | 木村 護郎クリストフ* | |
金水 敏 | 車田 千種 | 高 民定 |
古賀 裕章* | 児倉 徳和 | 小嶋 美由紀 |
児玉 茂昭 | 斉木 美知世 | 斎藤 純男 |
酒井 智宏 | 坂原 茂 | 白井 聡子 |
高見 健一 | 田口 善久 | 田中 伸一* |
時本 真吾 | 長崎 郁 | 中澤 恒子 |
中村 桃子 | 長屋 尚典* | 西川 賢哉 |
西村 義樹 | 野田 高広 | 野中 大輔 |
長谷川 明香* | 林 明子 | 林 徹 |
林 範彦* | 平沢 慎也 | 藤田 耕司 |
本多 啓 | 前川 喜久雄 | 峯島 宏次 |
山泉 実* | 山下 里香 |
主要項目一覧
項目例
アスペクト(相)/ヴォイス(態)/音韻プロセス・音韻規則/音節/格/漢字/項構造/語類/節連結 アクセント/アラインメント/意味変化/意味役割/意味論/引用・話法/音声学/音素・音素論/音変化/会話の含意/会話分析/カテゴリー化/関連性理論/擬音語・擬態語/記号/基礎語彙/疑問文/句/空間参照枠/句構造/屈折・派生/形態素/形態的標示の場所/形態的類型論/形態論的プロセス/系統樹/言語障害/言語政策/言語接触/言語相対論/言語地図/言語の分類/言語類型論/言語連合/語/語彙音韻論/語彙化/語彙項目/行為の方向性(順行・逆行)/構造主義言語学/構文/コーパス言語学/コピュラ文/最適性理論/使役構文/ジェンダー/指示対象/失語症/社会言語学/借用/周辺分布・周圏論的分布・ABA分布/主語/主題/述語・項/手話/証拠性/進化言語学/心理言語学/スタイル/生成文法/接近可能性の階層/接辞/接触言語/束縛/ダイクシス/第二言語習得/代名詞/多義性/多言語使用/他動性/wh句の移動/談話/重複/地理言語学/DOM(示差的目的語標示)/テクスト言語学/テンス1(時制)/同化・異化/統合/動詞連続構文/ToBI/内包・外延/人称/認知言語学/発話行為(言語行為)/比較法/非対格/否定/百科事典的意味論/表音文字・表語文字・表意文字/複合/文のタイプ/文法/文法化/文法関係/文法変化/弁別素性/方言/母語の獲得/ムード(法)/名詞化/名詞句の移動/名詞クラス/名詞抱合/命題/メトニミー(換喩)/文字論・文字素論/モダリティ/融合1/有生性/用法基盤モデル/力動性/類型地理論/類推/類像性/歴史言語学/枠づけ類型論 他、項目多数。