三省堂 辞書ウェブ編集部による ことばの壺
図説ルネサンス百科事典
文学、美術、科学から哲学、宗教、日常生活まで
ルネサンスの全領域を網羅した初の百科事典。
文学、美術、科学から哲学、宗教、日常生活まで、ルネサンスの全領域を網羅した初の百科事典。
見やすい見開き1テーマ構成。1,500点以上(カラー約600点)の図版を駆使したビジュアルな紙面。
巻末に、人名事典、歴史文化年表、主要人物(生没年一覧)、地図、術語集、美術館一覧、索引などの参考資料。
抜群に使える「ルネサンス」決定版。
特長
関連リンク
下記より見本ページをご覧いただけます。
さらに詳しい内容をご紹介
「図説ルネサンス百科事典」の内容より
本書の特色
(1) テームズ・アンド・ハドソン社“The Panorama of the Renaissance”の翻訳出版。最新・最大のルネサンス百科事典。 (2) ルネサンスの学問、政治、宗教、経済、社会、技術、芸術の全てを、テーマごとに見開きページで解説。 (3) 絵画・写真など1500余点の図版を駆使したヴィジュアルな紙面。 (4) 抜群の資料性。巻末に、ルネサンス人名事典、歴史・文化年表、術語集、美術館一覧、索引、など。
編集担当者からのメッセージ
「夕方になると私は家へ帰り、研究に取り組む。まず最初に、私は泥だらけになった汗臭い仕事着をぬぎ、宮廷や宮殿用のローブを身につける。この荘重な服を着て、私は古代の宮廷に入っていき、古代の人々の歓待をうける。……そして4時間の間、私は現世と日頃の憂さを忘れ、貧しさや死への恐れに悩まされることもない。」 政治思想家ニッコロ・マキャヴェリのこの有名な言葉はギリシア・ローマの偉大な精神にふれた15世紀フィレンツェ人の興奮がどんなものであったかを示している。それは哲学、文学、美術、建築の再生である「ルネサンス」という巨大な地殻変動に対する興奮であった。歴史上、この時代ほど人々の議論や分析の対象となった時代はない。そしていつの時代も、その時代特有のイメージでルネサンスをとらえてきた。しかし、それから何世紀も経て、見方も変化し、従来の評価はあまりにもルネサンスを単純化しすぎていたのではないかと考えられるようになってきた。今日の時点で、強調しなければならないのは、ルネサンスの多様性であり、その重層性である。つまり、当時の思想、政治、宗教、社会、科学は、相互に依存し、影響を与えあっていた。たとえば、活版印刷なくして古典古代の学問の復活はありえただろうか。また哲学なくして国民国家の創成は、可能であっただろうか。そして、伝統的なドグマの凋落なくして女性たちの活躍はありえただろうか。 本書は今日的な観点からこうした新しいルネサンス像をトータルに取り上げようとしたものである。全体を8章に分け、テーマごとに見開きページで構成し、クロス・リファレンスできるよう、章ごとに色分けした参照方法をとった。取り上げた範囲は、イタリア、フランス、スペイン、イギリス、ドイツ、北欧の国々、宮廷やパトロン、画家や彫刻家、教会の人々や商人たち、男たち、女たち、子どもたち、に及ぶ。文学、美術、科学から哲学、宗教、政治、日常生活まで115のテーマにそって1,500点を越える図版を掲載し、この魅力にあふれたルネサンスの世界をいきいきと再現しようとした。また巻末に参考資料として、ルネサンス人名辞典(374項目)、歴史・文化年表、主要人物(生没年一覧)、地図、術語集、美術館一覧、索引を付した。
目次
監訳者(樺山紘一)のことば
序・歴史のなかのルネサンス/マーガレット・アストン[古代ローマの「再生」/人文主義の広がり/「壮麗な建築物」/問いと疑い/東ヨーロッパにおける人文主義/北方ネルサンス/絵画の新たな役割/混交した様式/異教世界の洗礼/変わりゆく見方]
(1) 古代の再発見[人文主義のはじまり/北方の人文主義者/古代の模範と新しい文学/人文主義の世界/古い学問と新しい学問/プラトン主義とヘルメス主義/アレゴリー(寓意)/神話の使用/ヘラクレス/ヴィーナス/古代の魅惑/ローマの遺跡/コンスタンティノープルとギリシアの学芸/収集家とそのコレクション]
(2) 世界の支配者[教皇/神聖ローマ帝国/北方の諸王国/イタリアの支配者たち/政体/法律と刑罰/宮殿とパラッツォ/宮殿の内部/ルネサンス時代の外交/戦争の様子/騎馬像/宗教的大行列/世俗的行列/衣装に隠された意味/女性のファッション/貴族の趣味-狩猟と模擬戦闘/宮廷の催し/イタリアの墓廟彫刻/アルプス以北の墓廟彫刻]
(3) 神と人間[ルネサンスの教会デザイン/教会の内部空間/秘跡/宗教改革の歴史/会衆への説教/聖書/宗教改革におけるイメージの戦い/偶像破壊-清教徒の逆襲/対抗宗教改革/貧者の救済/父なる神/降誕/聖母子/キリストの洗礼/聖会話/最後の晩餐/磔刑/十字架降下とピエタ/キリストの復活/最後の審判]
(4) 世界の姿[世界地図/フィレンツェ/ローマ/ヴェネチア/中央ヨーロッパの都市/ロンドン/パリ/要塞/現実の風景/空想の風景/造園術]
(5) 生と死[人間と年齢/旅と交通/娯楽と余暇/動物の王国/田園にて/職人と商人/世俗建築/結婚と家族/新しいエロティシズム/ルネサンスの女性/性とジェンダー/人種/病気と死]
(6) 科学、発明、発見[活版印刷/活版印刷による書籍/探検と発見/船と造船/天文学/錬金術と占星術/数学と数字の魔力/音楽/戦争の美学/医学の理論と実践/解剖学/植物学-薬草と美術/時計/新たな金融の世界/娯楽と動力源としての水力/財宝と金属工芸品]
(7) 芸術の力[芸術家のイメージ/ルネサンスのメダル/空間の把握/人間の形態/英雄像/イタリア式装飾手法/芸術作品としての室内装飾/システィーナ礼拝堂天井画/グロテスク/浮き彫り彫刻/彫刻の新たな展開]
(8) 古代の再建[古典主義建築のオーダー/都市計画による公共空間/生き残ったゴシック様式/集中式の教会/ドームの勃興/コロセウム/凱旋門/劇場/別荘生活/オリベスク/マニエリスム、終わり?それともはじまり?]
[参考資料] ルネサンス人名事典/ルネサンス歴史・文化年表/ルネサンス期の主要人物/ルネサンス期のヨーロッパ/ルネサンス術語集/ルネサンス美術館一覧/図版出典一覧/索引