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「三省堂世界鳥名事典」について

はじめに

世界鳥名事典今より20年前、バードウォッチング人口が急増するなか、国際化も進み、多くの人が世界の鳥の和名、学名、英名、分布を知りたいという要望に応えて山階芳麿博士の『世界鳥類和名辞典』が出版された。その後、鳥類の名称や分布だけでなく、どんな外形をしているのか、どんな特徴をもっているのか、どんな生息環境にいるのかなど、手軽に正しい知識を得たいという要望も現われてきた。そのような要望に応えるため、1988年に『コンサイス鳥名事典』を刊行した。わが国では同様の著書がほかに皆無であったため、多くの人に愛用され、好評を得た。出版中止後は再版希望の声が絶えず寄せられたので、今回、内容をさらに拡充し、有用で興味深い項目も追加して、一層魅力あるものにすることに努め、『三省堂世界鳥名事典』とした

改訂の主なポイントは、第1に日本鳥学会「日本鳥類目録」改訂第6版(2000年)やJ.クレメンツのBirds of the Word(2000年)などを参考に、新しい分類による学名や分類の訂正を行った。第2としては環境省が刊行した『改訂・日本の絶滅のおそれのある野生生物』(レッドデータブック)や国際自然保護連合(IUCN)の「絶滅のおそれのある生物種のレッドリスト」のほか、アメリカ・ロシア・オーストラリア・中国との「渡り鳥条約」、「絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律」(種の保存法)の施行令の別表掲載種、「絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約」(ワシントン条約)の附属書掲載種、「移動性の野生動物種の保護に関する条約」(ボン条約)の附属書掲載種などの記述を加えた。さらに新しい知見も加え、2004年に発見された新種のカラヤンクイナも追加して、総項目数は4200余となった。

改訂するにあたって、今西貞夫、今村知子、岡村まゆみ、尾崎清明、梶田あまね、梶田学、亀谷辰朗、佐野裕彦、茂田良光、竹下信雄、鶴見みや古、長谷川善和、平岡考、百瀬邦和、吉安京子の各氏から執筆・校閲などのご協力、ならびに三省堂の増田正司氏の全般にわたるお骨折りを頂いた。以上の方々に心より深謝申し上げる。

2005年 3月

吉井 正