三省堂 辞書ウェブ編集部による ことばの壺
連句・俳句季語辞典 十七季 第二版
- 定価
- 2,750円
(本体 2,500円+税10%) - 判型
- A6横判
- ページ数
- 640ページ
- ISBN
- 978-4-385-13697-4
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改訂履歴
- 2001年4月20日
- 第一版 発行
- 2007年12月23日
- 第二版 発行
連句人・俳句人に好評。句会必携の手軽さ。
読めなかった季語や探していた季語が一目瞭然。
季語と新鮮に出会えます!
- 連句人・俳句人必携の画期的辞典。
- 句会必携の手軽さ(優雅な横長の文庫本サイズで厚さ16ミリ)
- 美しく並んだ大活字の季語一覧表(季語1万語全てにふりがなをつけて春夏秋冬十七季に分類)
- 引きやすい五十音順季語辞典
- 充実した連句概説
- 選りすぐりの付合例句集。普通の本の2冊分の内容を収録(薄紙使用)
特長
さらに詳しい内容をご紹介
第二版はしがき
『連句・俳句季語辞典 十七季』の初版が世に出たのは二〇〇一年の四月、それから六年余が経過したが、俳句、連句ともにさらに愛好者が増え、海外の俳人(ハイク・ポエット)などとの交流も深まるなど活況をみせている。
本書は収録季語が十七の季に分類整理され、活字も大きめでふりがな付きで美しく見やすく並び、また五十音順でも引け、さらに連句概説、付合例句集と実質二冊分の内容を一冊に収めたポケット版として携帯に便利なことから、俳句・連句の愛好者に幅広く愛用されたことは編著者として望外の喜びであった。
今回の改訂では、第一章の季語分類表の充実を中心とした。収録季語数を約一万語に増やし(三割増)、和風月名と二十四節気の一覧表を追加した。第二章の解説中では関連季語の紹介を充実させ、類語辞典としても活用できるような便を図った。
なお、二〇〇三年十月、編著者の一人、東 明雅氏が帰らぬ人となられた。われわれ編著者にとってばかりでなく、氏が戦後の連句復興のリーダー、連句界の重鎮であっただけに誠に残念なことであった。氏は病床にあっても第三章の連句概説に手を入れ続けられ、今回の改訂にもそれを生かすことができた。氏のご冥福を祈りたい。
二〇〇七年十月三十一日 編著者 丹下博之・佛渕健悟
本書の内容
一章●季語分類表(ふりがな付)
季語一万語を三春~新年まで十七の季節に分類。 本書の第『十七季(じゅうしちき)』はこの数にちなむ。
- 和風月名と二十四節気
- 三春・初春・仲春・晩春
- 三夏・初夏・仲夏・晩夏
- 三秋・初秋・仲秋・晩秋
- 三冬・初冬・仲冬・晩冬
- 新年
二章●五十音順季語辞典
一章の季語分類表を、あいうえお順に解説。
三章●連句概説
数人で互いに句を付けて楽しむ連句の実践ルールを解説した決定版。 初めての人には入門解説として、連句の捌き(さばき)にとっては必携の心得集。 連句の楽しみ・連句の習い方・教え方
一、連句とは
- 付けと転じを楽しむ座の文学
- 句の付け進め方
二、連句の特色
- 一定の構成に添って詠む/序破急の変化をつけて詠む/季の句と雑(ぞう)の句を織り交ぜて詠む/月と花の句には定座(じょうざ)がある
- 表六句と挙句の心得/発句には挨拶と即興が求められる/脇は発句に寄り添って詠む/第三は大きく転じて長(たけ)高く詠む/四句目は軽く読む/挙句はあっさりと詠む
- 月と花と恋句の心得
三、連句にはさまざまな形式がある
四、連句には式目というきまりがある
五、句の付け方、転じ方のヒント
- いろいろな付け方
- 七名八体
- 転じ方のヒント
四章●符合例句集
読み物としても楽しめる連句の実例集。 芭蕉時代から現代に至るまでのたくさんの作品からテーマ別に精選して三句の渡り(転じ)の形で紹介。
付録
- ①正花一覧表
- ②月の異名と月齢
- ③初心者用歌仙(三十六句)季題表の一例
- ④蕉風俳諧季題表(「芭蕉七部集」より)
一章[季語分類表]-たくさんの季語がパッと一覧できて探しやすい-
- 約一万の季語を三春~新年まで十七の季節に分け、各々七つの分野(時候・天象・地理・動物・植物・行事・生活)に分類し、見やすく並べた。
- すべての季語に読みがなを付け、基本季語は大きい字にして区別した。
二章[五十音順季語辞典]-読みから季節がサッと引ける-
- 一章の季語を五十音順に並べた。そのうち基本季語は解説付き。
- 同類(別称・活用形・傍題)のほか、関連季語や他分野の季語、似ているが意味の異なる季語も(必ず読みがなと季節付きで)紹介。
芭蕉の俳句にチャレンジ!
上は芭蕉さんたちの巻いた歌仙の半分です。連句には四季の移りゆき、人々の喜怒哀楽など様々な場面やストーリーが織り込まれます。
第一句目の発句と次の脇は、灰汁桶のしずくの音が止んできりぎりすの声が高まってくる気配に、行灯の油を消して後は寝るだけの秋という、秋の夜長を共感しあう挨拶です。
第三は前二句の庶民のひっそりした暮しから月明に匂い立つ新宅の風景に転じました。四句目はうきうきと宴を設える場面、五句目は野原で正月の子の日の行事に興ずる様。六句目のたびら雪は春の雪のことで、春告鳥といわれる鶯の声を聞きとめました。ここまでが”穏やかに詠む”といわれる表六句ですが、裏からはいよいよドラマティックに展開していきます。(『十七季』連句概説参照)