三省堂 辞書ウェブ編集部による ことばの壺
何でもわかる 漢字の知識百科
『何でもわかる ことばの知識百科』の姉妹編。
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- 漢字の起源、特徴、成り立ち、書体、字体、画数、筆順から漢文、漢詩、熟語の知識まで、ありとあらゆる漢字情報を掲載。
- 「踊り字は漢字か」「この世に漢字はいくつあるのか」などのコラムも充実。
特長
さらに詳しい内容をご紹介
まえがき
昨今世の中は、漢字ブームのごとき様相を呈し始めています。漢字に関するおびただしい数の単行本や辞書、さまざまな雑誌の類が刊行され、新聞はしばしば漢字クイズを載せ、漢字検定の受験者の数は年々増加しているといいます。
そうした中で、本書のごとき「漢字百科」を新たに刊行するのは、屋上屋を架する(正しくは「屋下に屋を架す」――『世説新語』文学篇)ことになりかねません。
それにもかかわらず、本書を世に問いますのは、本書が従来の類書には見られない特徴、すなわち漢字学者と音韻学者、そして中国文学者の協同という、いわばユニークなトロイカ方式で執筆・編集した特色があると思うからです。
漢字はこれを重ねると漢語になり、さらに重ねると漢文・漢詩となります。漢字を基礎にしてこれら三つのもの、漢字・漢語・漢詩文の三者を、多面的・総合的に分析し、中国と日本におけるその生成・発展の歴史と現状について、できるだけ精細な情報を提示することを、わたしたちはめざしました。
その目的を効率的に果たすために、本書は全体を大きく二つの部分、「百科編」と「語彙編」に分けています。
「百科編」は、全一二章からなります。ここではまず漢字の誕生とその歴史、および文字としての特徴を述べます。そして漢字の形と音や字体、その書写形態などについて、さまざまな角度から分析をおこない、多くの情報を提供しています。さらに日本における仮名形成の問題も含めて、「日本語と漢字」につき、その形体と音韻に関して、歴史的経過を説明しつつ詳細に紹介していきます。そして最後に、漢語と漢文・漢詩についての基礎的で必要な知識を簡潔に、しかし過不足なく提供したつもりです。
「語彙編」は、全四章から構成されています。ここでは漢字の字形、用法、意味について一覧や表などで数多くの語例・用例を紹介しました。漢字の読み方、使い方についての実用的な知識が、多彩な項目のなかに盛りこまれています。とりあげた漢字や仮名、熟語や成語は、読者の方々に、日常生活で活用していただきたい漢字の基本的な知識です。
これら「百科編」「語彙編」のほかに、随処に「コラム」欄を設け、漢字・漢語にまつわるさまざまな疑問にお答えしました。そして最後に、全体の索引を付して読者の便宜に供しました。
なお、「百科編」の第一~七章は阿辻、第八、九章は森、第一〇~一二章は一海が分担執筆し、「語彙編」は三人と編集部が協力して作成しました。
本書が、みなさんの漢字の世界を拡げる道具になることを願っています。
2002年 4月
一海知義
見本原稿
語彙編・第四章 漢字の小百科
【一】故事・由来のある漢字
▼故事・由来の解説
〈 〉出典
漢字の熟語には、通常の字義だけでは意味がわからないものや、動植物の名前など、さまざまな由来や、故事をもつものが数多くある。それらの故事・由来を知ると漢字の世界がさらに広がり深まっていく。ここではそんな漢字熟語を集めてみた。
■ 二字熟語
◆あ行――
[挨拶] あいさつ
人と会ったときに交わすことばや身振り。また、儀式のときの改まったスピーチのこともいう。「道で先生に会って―する」「歓迎パーティーの―」
▼「挨」も「拶」も共に、人々が近づく、混雑して押し合うの意味を表す。「挨拶」はもともと大勢の人が押し退け合って進むこと。のちに禅宗で、僧が問答を繰り返してお互いの悟りの深さを試し合うことをいうようになり、それが現在の意味になった。
[相槌] あいづち
相手の話の調子に合わせて、うなずいたり、返事をすること。「父の思い出話に―を打つ」
▼本来は、鍛冶が刀などを鍛えるときに、師が槌つちを打つ合間に弟子が槌を入れることをいう。
[阿吽] あうん
吐く息と吸う息。「阿吽の呼吸」といえば、対面者相互の微妙な調子や気持ちをさす。「あの二人なら―の呼吸で仕事をしてくれるだろう」
▼梵語の音写で、「阿」は口を開いて、「吽」は口を閉じて発音する声。神社や寺にある対ついの狛犬こま_いぬや仁王口の形に見られる。「阿吽」はもともと悉曇(梵字ぼんじの字母)で最初と最後の字。密教ではこの二字を、万物の発生と帰着とを象徴するものと見なし、最初と最後の意に用いる。
[阿漕] あこぎ
強欲でやり方が汚いこと。「―な金貸し」
▼伊勢(現在の三重県)の阿漕ぎが浦うらのこと。本来この漁場は伊勢神宮に供える魚介を獲るため、殺生の禁止で有名だったが、そこで密漁が絶えなかったことに由来する。これを題材にした歌や伝説をもとにして、謡曲なども作られた。中世では「たび重なること」の意が主流だが、近世以降は貪欲なこと、しつこいことの意でも使われるようになった。
[圧巻] あっかん
書物や演劇などの催し物で、すばらしいと感じる部分や場面。「恋人同士の再会の場面がこの演劇の―だ」
▼「巻」とは、中国の官吏(役人)の登用試験「科挙」の答案用紙のことで、「圧」はそれを押さえる意。審査官が最も優れた答案を一番上に載せたということから。
[安堵] あんど
心配事がなくなり、安心すること。「―の胸をなでおろす」
▼「堵」は垣根の意。本来は、家を取り囲む垣根の内側で安らかに暮らすという意味だった。中世の日本では、土地の所有権を主君が公的に認める意味でも使われた。公的に認められると安心して暮らしていける、ということだろう。
[塩梅] あんばい
具合、加減、程度のこと。「うまく切るには力の―がむずかしい」
▼本来の読みは「エンバイ」で、塩と梅酢うめ_ず、つまり、塩加減の意。他の語である「按配」「按排」(うまく処置する)と混同されて「アンバイ」と読むようになった。混同は中世に起こったものと考えられるが、中国でも混用していたらしい。
[因果] いんが
原因と結果のこと。「親の―が子に報いる」
▼梵語の漢訳で仏教語。よい行い(善因)にはよい報い(善果)が、悪い行い(悪因)には悪い報い(悪果)が生じることを「因果応報」という。多く悪い意味で使われる。「因果を含める」は、もとは原因結果の道理を説くことだったが、後に納得させてあきらめさせる意味に変化した。
[遠慮] えんりょ
態度を控えめにすること。「外出は―させていただきます」
▼遠い将来のことまで深く考えること。「深謀遠慮」という語に本来の意味が残っている。遠い先のことまで考えるということは、すぐには行動に移らないということ。
[億劫] おっくう
時間がかかってやりきれない、面倒くさいの意。「休日に運動会の撮影に行くなんて―だよ」
▼仏教語で「おくこう」とも読む。「劫」は梵語の音写。古代インドにおける最も長い時間の単位。ものすごく長い、ほとんど無限の時間。一劫は、高い岩山の上を百年に一度、天人が降りてきて、柔らかい羽毛で撫なでることで岩山がすり減って消滅するまでの時間をいう。無限に長いの意味から現在の意で使われるようになった。
◆か行――
[膾炙] かいしゃ
世間の人にもてはやされること。多くの人に知られること。「人口に―する」
▼なますとあぶり肉のこと。それらは、いつも食べられるわけではないおいしい食べ物であり、人々に喜ばれることから。
[傀儡] かいらい
からくり人形。あやつり人形。「―政権」「大臣の―となって働く」
▼人の手先になって使われるもの。あやつり人形は、人形遣いの思いのままに動くことから、それ自体には意志がなく、いいように働かせられてしまうということから。
[鶴首] かくしゅ
人や便りの来るのを首を長くして待つこと。「叔父からの手紙を鶴首して待つ」
▼鶴の首が長く伸びている姿を、人が今か今かと待ちわびるようすにたとえた。「首を長くして待つ」意。
[革命] かくめい
被支配者階級が支配階級を倒して政治権力を握り、体制を変革すること。広く、急激な変革の意味でも用いられる。「フランス―」「産業―」
▼「革」は改まるという意味。古代の中国で天子の交代は天命が革あらたまったからであるという思想があった。明治時代以降、日本ではレボリューションの訳語としての用法が一般的となった。〈易経〉
[獲麟] かくりん
絶筆。また、物事の終わり。「あのエッセーが彼の―になった」
▼孔子が、「魯ろの哀公が西方に狩りをして麟りんを獲えた」という句を書いて死んだことから。臨終の意でこの語を使うのは本来は誤り。〈春秋〉
[蛾眉] がび
美人の形容。「女優の―に魅せられる」
▼楊貴妃の最期を著した白居易の詩の一節「六軍発せずいかんともするなく、宛転たる蛾眉馬前に死す(近衛の軍隊は出発しようとせず、どうにもならなくなった。かくて、しなやかで美しい眉まゆをした人(楊貴妃)は、天子の馬前で死んだ)」から。〈長恨歌〉
[画餅] がべい
実際に役に立たない事物や、計画倒れのたとえ。「校舎の改築は―に帰した」
▼絵に描いた餅もちのこと。どんなに本物そっくりに描かれていても、実際には食べることができないということから。
[雁書] がんしょ
手紙。「教授から―をいただく」
▼前漢の蘇武が匈奴に捕らえられたとき、その地から、絹に書いた手紙を雁かりの足に結びつけて、天子に送ったという故事から。〈漢書〉
[完璧] かんぺき
まったく欠点のないようす。「この作品は―なできばえだ」
▼「完」は全部そろっていて欠けたところがない意。「璧」は、平らな輪の形の玉、宝玉、美しい玉の意。中国の戦国時代に趙ちょうの藺相如が玉を持って使いに行き、命がけで持ち帰ったという故事から、「完璧」は大事なことをしとげる意にもなった。〈史記〉
[甘露] かんろ
非常においしいこと。「この店の料理はまさに―というにふさわしい」
▼甘いおいしい露。天子が善よい政治を行い、天下が太平になると天がその褒美ほう_びとして甘露を降らせるという中国古来の伝説による。もとは梵語ぼん_ごの訳語で、不死・天酒ともいう。甘露はよく苦悩をいやし、長寿を保たせ、死者を復活させるという。
[杞憂] きゆう
あれこれと無用な心配をすること。「出かけると交通事故に遭うというのは―だよ」
▼「杞」は中国周時代の国名。その国に天(太陽や月)が落ちてきたり、大地が崩れたりしないかと心配して、夜も眠れず物もろくに食えない者がいたという故事による。〈列子〉
[牛耳] ぎゅうじ
組織や団体などを、支配者として思い通りに動かすこと。「政財界を―る黒幕」
▼古代中国の春秋戦国時代に、諸侯が同盟を結ぶとき、盟主が牛の耳を裂いて、みなでその血をすすって誓い合ったという故事から。同盟の盟主となることを「牛耳を執る」といい、転じて団体や党派を意のままに動かすという立場に立つことをいうようになった。〈春秋左氏伝〉
[杏林] きょうりん
医者の美称。「郷土の―ともいうべき医者」
▼三国時代、呉の董奉が貧しい患者からは治療代を取らないで、代わりに重症者には五本、軽症者には一本の杏あんずの木を植えさせたところ、数年で杏の林ができたという故事から。〈神仙伝〉
[共和] きょうわ
君主を置かず、人民から選挙などによって選ばれた大統領などの代表者が政治を行うという政治のスタイ。「―制をとる」
▼西周のとき、〓王が都から逃げ出していた十四年間、周公・召公が協議して行った政治。明治以降、英語のパブリックの訳語としての用法が一般的になった。〈史記〉
[局面] きょくめん
物事や事件の成り行き。「重大な―を迎える」「―を打開する」
▼もとは囲碁・将棋・双六など、盤上で展開される勝負のようす、形勢のこと。「局」は、囲碁などの盤をいい、またその盤を使用して行う囲碁や将棋の勝負もさす名詞。
[銀行] ぎんこう
預金の受け入れや資金の貸し付け、手形の割引、為替取引などをおもな業務とする金融機関。英語「バンク」の訳語。「―の頭取」
▼幕末の書物では「両替屋」「両替問屋」などの語が用いられた。「金」ではなく、「銀」を使うのは、当時の貨幣制度が現在の金本位制ではなく銀本位制であったため。「行」は同業組合の意味。
コラム一覧
◆百科編 ・なぜ漢字というのか ・ 20 ・漢のつく語 ・・・・・・・・・ 24 ・蒼頡四目伝説 ・・・・・・・ 28 ・漢字はいくつあるか ・ 36 ・縦書きのメリット ・・・ 38 ・ツキとニクヅキ ・・・・・ 56 ・最長の甲骨文と金文 ・ 64 ・則天文字 ・・・・・・・・・・・ 74 ・忙と忘 ・・・・・・・・・・・・・ 78 ・釈迦と菩薩 ・・・・・・・・・ 82 ・画数が一番多い漢字 ・ 90 ・『百万塔陀羅尼』について ・・・・・・ 104 ・『日本書紀』は日本人が書いたか 107 ・カラスの鳴き声で辿る漢字音の歴史 125 ・卑弥呼はどんなことばを話したか 131 ・五十音図と音韻学 ・・・ 142 ・惚れると惚ける ・・・・・ 147 ・可口可楽と披頭四 ・・・ 149 ・繁文 ・・・・・・・・・・・・・・・ 182 ◆語彙編 ・おもな漢字の字源 ・・・・・・・・・ 185~267 ・中国人の名前 ・・・・・・・ 275 ・年は何ヘンか ・・・・・・・ 335 ・もっとも字数の多い部首 ・・・・・・・・ 335 ・烏はなぜ鳥より一画少ないか ・・・・ 339 ・漢字制限・廃止論のあゆみ ・・・・・・ 342 ・漢字コードと国際標準化 ・・・・・・・・ 343 ・キシャのキシャ ・・・・・ 423 ・踊り字 ・・・・・・・・・・・・・ 431 ・漢字と仮名の割合 ・・・ 437 ・油断一秒 怪我一生 ・ 467 ・ケとコ ・・・・・・・・・・・・・ 611 ・生きている故人 ・・・・・ 617 ・天麩羅は漢語か ・・・・・ 625 ・「私書手紙」漢字の意味のちがい 629 ・晩と夕 ・・・・・・・・・・・・・ 635 ・あらしやまとランザン ・・・・・・・・・・ 666 ・湯たんぽ ・・・・・・・・・・・ 676 ・からだの漢字 ・・・・・・・ 723 ・地方の国字 ・・・・・・・・・ 727 ・甲子園 ・・・・・・・・・・・・・ 739
目次
◆百科編
【第一章】 漢字と漢語
【一】 言語と文字 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 18
1.人の進化と言語 2.言語と文字 3.言語と文字の数
【二】 表意・表語文字としての漢字 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 21
1.表意文字と表音文字 2.表語文字
【三】 漢字文化圏の形成と発展 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 24
1.漢字文化圏の発展 2.漢字文化圏の形成と衰退
【第二章】 漢字の起源はいつか
【一】漢字の発明伝説 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 26
1.文字と神 2.漢字の発明 3.蒼頡造字伝説 4.文化英雄
【二】考古学的発掘で、どこまでわかったか―符号か文字か ・・・・・・・・・ 29
1.半坡遺跡 2.大もん(「さんずい」に「文」)口遺跡 3.文字の条件
【三】新石器時代に漢字はあったか ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 32
【第三章】 漢字の特徴
【一】 世界最長の歴史をもつ文字 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 34
【二】 縦書きと横書き ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 37
【三】 優れた造語力 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 40
【第四章】 漢字の成り立ち
【一】「文」と「字」 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 42
【二】六書について ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 45
【三】象形・指事・会意・形声 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 45
1.象形について 2.指事について 3.会意・形声について
【四】転注と仮借 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 51
1.転注について 2.仮借について
【五】部首と偏旁冠脚 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 54
部首の変遷
【六】部首引き以外の検字法―韻引きと四角号碼 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 57
1.韻書について 2.四角号碼
【第五章】 書体の知識
【一】 書体とは何か ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 60
書体の変遷
【二】 甲骨文字と金文 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 62
1.甲骨文字 2.金文について 3.筆記道具と書体の関係
【三】 篆書と隷書 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 66
1.全国統一書体としての篆書 2.隷書誕生伝説 3.隷書の起源
【四】 行書・草書・楷書 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 68
1.行書について 2.草書について 3.楷書について
4.楷書の発展
【第六章】 字体の知識
【一】 新字体と旧字体 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 72
1.中国の文字改革 2.朝鮮・ベトナムの文字改革
3.日本の漢字改革
【二】 伝統的な正字と俗字 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 76
【三】 現代日本の正字と俗字 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 78
【四】 誤字 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 79
【五】 異体字とは ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 80
【六】 姓名の異体字 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 82
【七】 国字 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 84
【八】 中国の簡体字 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 86
簡体字の作り方
【九】 筆順 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 88
1.日本の筆順教育 2.筆順の原則
【第七章】 書写材料の変遷
【一】 文字と書写材料 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 92
【二】 竹簡と木簡 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 93
1.環境による素材の選択 2.竹簡から木簡へ
【三】 石に刻まれた文字 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 96
【四】 絹に書かれた文字 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 99
【五】 紙の発明 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 101
【六】 印刷術の発展 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 103
【第八章】 日本語と漢字
【一】 漢字はいつ伝来したか ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 110
1.弥生時代 2.出土遺物 3.『魏志』倭人伝
【二】 漢字文化の浸透 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 112
1.東方情勢 2.七支刀と広開土王碑 3.渡来の波
4.南朝の漢字文化の受容 5.稲荷山鉄剣
【三】 漢字・漢文の和化 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 114
1.字形の和化 2.字音の和化 3.字義の和化 4.語順の和化
【四】 万葉仮名 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 115
1.音仮名と訓仮名 2.古韓音系の万葉仮名 3.呉音系と漢音系
4.万葉仮名と上代の音韻
【五】 平仮名と片仮名 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 118
1.草仮名 2.平仮名 3.片仮名
【六】 訓点・ヲコト点・声点 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 120
1.訓点 2.ヲコト点 3.声点
【七】 変体漢文 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 122
1.上代の文体 2.「憲法十七条」の和習 3.上代の変体漢文
4.宣命 5.『古事記』の文体
【第九章】 日本と中国の漢字音
【一】 中国の漢字音 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 128
1.『切韻』と反切 2.『韻鏡』 3.中古音の特徴
4.上古音 5.近世音
【二】 日本の漢字音 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 134
1.地層 2.呉音 3.漢音 4.呉音・漢音の特徴
5.漢字音の和化 6.新漢音と唐音
【三】 字音仮名遣いと表記の変遷 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 137
1.歴史的仮名遣い 2.上代仮名遣い 3.音韻変化の影響
4.宣長の字音仮名遣い 5.慣用音
【四】音訳漢字 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 139
1.漢字音訳 2.昔の漢字音訳 3.日本語の漢字音訳
【第一〇章】 熟語の知識
【一】熟語とは何か ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 145
【二】熟語の種類 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 145
【三】熟語の構造 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 146
二字熟語 三字熟語 四字熟語
【四】熟語の読み方 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 149
【第一一章】 漢文の読み方
【一】漢文を読むコツ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 151
【二】漢文の構造 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 153
1. 日本文との比較 2.主語+述語 3.動詞+目的語 動詞+補語
4.動詞+目的語+補語 5.修飾語+被修飾語 6.再読文字
【三】おもな句形 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 156
1.受身形 2.使役形 3.否定形 4.疑問形 5.反語形
6.比較形 7.詠嘆形
【第一二章】 漢詩の知識
【一】 漢詩のリズム ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 163
1.五言詩・七言詩のリズム 2.リズムの歴史
【二】漢詩の歴史 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 167
1.古(体)詩と近体詩 2.唐詩から宋詩へ―漢詩の変化
3.歌う詩―楽府と詞 4.日本漢詩
【三】漢詩のマニュアル ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 173
1.詩型 2.脚韻 3.対句 4.平仄
◆語彙編
【第一章】 漢字と字形
【一】 常用漢字 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 184
【二】 当用漢字と常用漢字の異同 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 272
【三】 人名用漢字 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 276
【四】 国字一覧 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 288
【五】 表外漢字の字体表 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 292
【六】 部首一覧と所属漢字 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 302
【七】 筆順と画数 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 336
【八】 平仮名と片仮名の字源 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 340
【第二章】 漢字の用法
【一】 同訓異字の使い分け ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 344
【二】 同音異字の使い分け ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 380
【三】 同音異義語の使い分け ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 392
【四】 同音の漢字による書きかえ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 424
【五】 送り仮名の付け方 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 432
【六】 読み方で意味が異なることば ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 438
【七】 慣用読みをする漢字 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 468
【八】 おもな熟字訓・当て字 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 472
【九】 難しい読みの地名・姓名 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 512
【一〇】まちがいやすい漢字の読み書き ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 552
【一一】まちがいやすいことばの使い方 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 586
【第三章】 漢字の意味
【一】 単位をあらわす漢字 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 602
【二】 助数詞 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 606
【三】 人を意味する漢字 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 612
【四】 接頭語・接尾語になる漢字 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 618
【五】 敬意をあらわす漢字 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 626
【六】 隠された意味をもつ漢字 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 630
【七】 対義語・対照語 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 636
【第四章】 漢字の小百科
【一】 故事・由来のある漢字 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 644
【二】 年齢をあらわす漢字 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 712
【三】 親族関係をあらわす漢字 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 714
【四】 身体をあらわす漢字 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 716
【五】 旧国名一覧 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 724
【六】 暦のことば ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 728
二十四節気 月名の異称 干支 六曜 五節句 二十八宿
【七】名数一覧 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 746
さくいん
百科編さくいん ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 764
語彙編さくいん ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 776