三省堂 辞書ウェブ編集部による ことばの壺
図解 日本の語彙
「見て」わかる。「読んで」わかる。ちょっと難しい語彙の本。
- 好評の「図解シリーズ」第三弾!
- 日本語の意味や使い方についてもっと知りたい、学習したいと思っている人の待望の入門書。
- 見やすい二段組みレイアウト。
- 上段は平易で具体的な解説、下段は解説に対応する図表や、理解をより深める脚注・関連資料など。
- 図版・グラフ・文字資料・地図等、約160点を掲載。
特長
さらに詳しい内容をご紹介
まえがき
ことばは私たちのまわりを取り囲んでいます。その、ことばが取り巻く世界の中で、私たちはさまざまなことを思い描き、感じ取り、また、相手に伝えています。そこでは、自己の思考や感情を言い表すのに最もふさわしいことばが意識的に、また感覚的に一つ一つ紡ぎ出されて、それらの総体が表現内容を成り立たせ、彩っているのです。
ことばを成り立たせる要素には種々ありますが、その中でも、意味を持つ一まとまりの単位である語が最も基本的なものです。そして、そのまとまりを語彙と言います。「ボキャブラリーが貧困だ」という場合のボキャブラリー【vocabulary】のことです。日本語全体を対象とすれば「日本の語彙」となり、ある意味分野または領域に限れば、「親族語彙」「漱石の語彙」などというようにも用いられるものです。
そこで、語や語彙についてもっと知りたい、初歩的な知識から学びたいというような、ことばに興味を持つ方々のために本書を編集しました。先に刊行した『図解日本語』『図解日本の文字』に倣って、図や表などをできるだけ多く掲載し、見やすく読みやすく、そして、わかりやすく解説することを心がけました。脚注には、本文の説明を補足する事柄や、関連する事項なども記しました。初歩的なものからやや専門的な事柄に至るまで、必要に応じて学べるように工夫してあります。興味を持つ章から読み始めてください。あるいは、まずは知りたい事項だけ読むという使い方もよいでしょう。
豊饒なことばの海に乗り出していきましょう。そして、ことばの波をかき分け、ことばの山を見はるかし、さらに、ことばの新たな世界を探り、さまざまな発見をしてください。
著者一同
執筆担当者略歴
沖森卓也(おきもり・たくや)
1952年生まれ。東京大学大学院人文科学研究科国語国文学専攻修士課程修了。博士(文学)。現在、立教大学名誉教授。編著『日本古代の表記と文体』(吉川弘文館、2000)『日本語の誕生-古代の文字と表記-』(吉川弘文館、2003)など。
木村義之(きむら・よしゆき)
1963年生まれ。早稲田大学大学院文学研究科日本文学専攻博士後期課程単位取得退学。現在、慶應義塾大学日本語・日本文化教育センター教授。主要著書に、『斉東俗談の研究―影印・索引―』(おうふう、1995)、『隠語大辞典』(皓星社、2000)など。
田中牧郎(たなか・まきろう)
1962年生まれ。東北大学大学院文学研究科国文学国語学日本思想史学専攻博士課程退学。現在、国立国語研究所言語資源研究系准教授。主要著書に『雑誌『太陽』による確立期現代語の研究』(国立国語研究所報告122、博文館新社、2005、共著)、『病院の言葉を分かりやすく』(勁草書房、2009、共著)など。
陳力衛(ちん・りきえい)
1959年生まれ。北京大学大学院日本語日本文学専攻修士課程修了、東京大学大学院人文科学研究科国語国文学専攻博士課程単位取得退学。博士(文学)。現在、成城大学経済学部教授。主要著書に、『近代知の翻訳と伝播』(三省堂、2019)など。
前田直子(まえだ・なおこ)
1964年生まれ。大阪大学大学院文学研究科日本学専攻博士後期課程単位取得満期退学。博士(文学)。現在、学習院大学文学部教授。主要著書に『「ように」の意味・用法』(笠間書院、2006)、『日本語の複文-条件文と原因理由文の記述的研究』(くろしお出版、2009)など。
(2024年8月現在)